2020/07/17 のログ
ご案内:「スラム」にフィーナさんが現れました。
■フィーナ > 「そこなお姉さん」
フードを被り、顔を隠して道端に座る女性に近づく。
その傍らに一本の注射器。恐らくはヤク中だろう。
「良いものあるんだけど、興味ない?」
■ヤク中姉さん > 「…あ?」
うつろな目で、フードの女性を見る。
薬が抜けてきて、気分はよろしくない。
「タダでくれるんなら」
この気分の悪さをどうにかしてくれるのなら、と思い、提案する。
■フィーナ > 「これなんだけどね。スライムから採れるんだ。」
懐から、小さく透明な結晶を取り出す。
先程作り上げた、魔力結晶麻薬。
「これを、水につけたり、削って粘膜で吸ったらトベるんだよ」
まずは、懐から駐車を取り出して、自分で実践してみせる。もちろん自分はスライムだし作り主だから効果はない。それでも、そう見えるよう、演技して。
「これ、あげる。もっと欲しかったら、スライムを倒すか、スライムを追ってみなさい。排泄物として手に入るかも。」
■ヤク中姉さん > 「へへ、いいの?」
奪うように、差し出された注射器を取る。
迷いなく、自分に打ち込む。
「はぁ………っ!」
打ち込まれた結晶は、血に解けてスライムと成る。
麻薬成分を分泌しながら、血液の流れに乗って脳に取り付く。
そうだ。
これ、スライムが作ってるなら、スライムはもっと良くなれるんじゃないか?
天啓のように、そんな考えが降ってくる。
「ねぇ、もしかして…」
聞く。これをヤッてるなら、きっと…
■フィーナ > 「えぇ。スライムなら、もっともっと、良くなれるよ」
恍惚の笑みを、浮かべながら。
成功だ。誘導は、上手く行ってる。
「スライムから結晶を奪うのは難しいかもしれないけど、そこらへんは売人に頼んでみなよ。もしかしたら、採取してくれるかもね?それに、ここらへん一帯迷惑してるスライムが有効利用できるならそれに越したことはないじゃない。いい案でしょ?」
この一人から、売人へ、売人から、更に広めて。そうすれば……
笑いが、止まらない。
■ヤク中姉さん > 「いいね、いいね、すごく良い。エヘヘ…」
思考が蕩けて、疑問を呈さない。
スライムが危険であるという認識ができない。
彼女は、フィーナの思惑通りに動くだろう。
■フィーナ > 「それじゃ、私はこれで。」
踵を返して、去る。長居してあんまり印象に残られると困る。
ほくそ笑みつつ、スラムを去っていく。
■ヤク中姉さん > 「えへ、えへへ・・・」
もっと良くなりたい。
もっと長く続けたい。
売人さん、早くこないかな。
スライムに会えないかな。
もう、虜になってしまっていた。
ご案内:「スラム」からフィーナさんが去りました。