2020/08/21 のログ
ご案内:「スラム」に伊都波 凛霞さんが現れました。
伊都波 凛霞 >  
「理央くん。本庁に登庁したんだ…良かった……」

ほっと胸を撫で下ろす
連絡用の端末を手にする少女の周りには──死屍累々、とも言えるような光景
もちろん死んではいないが、路地の片隅、違反学生たちがそれこそ足の踏み場もないほど倒れていた

「山本くんの安否も確認できたし…理央くんが無事なら沙羅ちゃんもきっと大丈夫…」

自分が委員会にあげる報告は恐らくそれなりの信憑性を持つだろう
サイコメトリーという異能の持ち主であること、そしてこれまでの働きでそれなりに信頼を勝ち取っている生徒であるという自負がある
彼とかぎりんからの連絡には、十全といえる結果が伴うかは兎も角、最大限の根回しはできそうだ
恐らくかぎりんが付け足したであろう一文は、ありがたく山本くんを後々いじるのに使わせてもらおう

凶器準備集合罪と共謀罪で蹴散らしたこの違反学生達の身柄はとりあえず拘束するとして、
まだこの脚で本庁に向かうには、時間が早いか

そう思いながらまだ日が傾き始めた程度の空を見上げた

伊都波 凛霞 >  
安心、してばかりもいられない
鉄火の支配者としての彼の性格を考えれば、万全の状態に戻る前に現場復帰しかねない
彼の現場での立ち振舞や行動理念に対する価値観、自負心、そして拘りが強いことはよく知っている
あと、きっと自分の心配もしてくれているだろうから

「──実際これくらいのスケジュールならまだまだ保つし、
 心配はいらないからゆっくり休んでー…って連絡しとこうかな」

なんとなく先手を打っておいたほうが良さそうだと端末を操作する

その途中やや気絶の浅かった男が覚醒し、凛霞の足首を掴んだが
瞬時に左手による躊躇のない『遠当て』を受け、再び意識を落とした

伊都波 凛霞 >  
さて実際のところ、積んできた研鑽だとか、肉体作りだとか
伊都波の後継者としてのスペックをフルに発揮すればこの程度のシフトはなんなくこなせる
三日三晩不眠で動いたところで効率が落ちるほど軟弱でもない
──ルギウス先生の計らいのおかげで、ここのところ例の呪いもナリを潜めているし

とりあえず神代理央への個人的な連絡を終え、端末を切り替える

「スラム街で十数名の違反学生を制圧。
 それぞれ凶器を所持、パイロキッカー1名、他にも異能者は数名。
 歓楽街の警邏から2人ほど、こちらに寄越してください。場所は───」

伊都波 凛霞 >  
水無月沙羅の安定には神代理央が必要で、
神代理央にはまだまだ休息が必要だろう
どちらにも今は少しばかりの時間をとってもらいたい…

──ほどなくして現れた二名の風紀委員に状況を説明し、倒れている違反学生達の身柄を拘束してもらう

鉄火の支配者、に比べれば甘いかもしれないが、治安維持の為に派手な制圧劇をこの数日幾度も行ってきた
黒いクロークを羽織った姿で此処に赴くのも、そういった印象を強く意識させるため

自分には時空圧壊であるとか、鉄火であるとか、そういった通りの良い、違反学生達に畏怖を与える肩書きと実績がない
ないならば作れば良いのだ──と、あえてわかりやすい風体と行動を繰り返した

伊都波 凛霞 >  
さて、前回摘発した違反部活といい、今回のこの凶器所持による集合といい
どうにも武器の密造まわりの話が見え隠れしている
無関係な人間をバイヤーとして挟んでいるのか、サイコメトリーだけでは大本に辿り着けていない

こういった『嗅覚』に関しては、経験量の問題で鉄火の支配者と同じようにはできないこともある

──とりあえず、風紀委員が畏怖すべき存在であるという部分
彼の不在による犯罪の増加や落第街組織の拡大などは一切許すわけにはいかない

クロークを羽織なおし、口元までを闇色のそれで覆って、再びスラムを歩き始めた

伊都波 凛霞 >  
必要なのは、『目に見える』こと
そういう意味では"破壊劇"を行う神代理央の摘発は理に適っている

現場にいくつかの穴が空いた、とはいえ
大勢の風紀委員が存在し、この島の秩序を守っている状況に変わりはない
しかしそれらが常に目につくかといえばそうじゃない
目に見えないものを人は理解できないし知ることもできない
故に、『目立つ存在である』必要がある

伊都波 凛霞 >  
それこそが"時空圧壊"であり、"鉄火の支配者"であり…
そう呼ばれ、違反学生に畏怖を与えることで犯罪を抑制する存在だ

     ──周辺に気配を感じる。数は5、6…1増えて、7

基本的に裏方に徹してきた自分にそんな表向きの肩書きはない
戦闘向けの異能も持っていないし、彼らと同じことをするには資金がかかる

     ──囲まれているけど、輪は歪。おそらくは、素人

爆薬の使用量と補充の申請が随分と多くなった
経費で落とすにしても、なんらかの特例を認めてもらわなければならないかもしれない

     ──仕掛けてくる気配がない。警戒しているのか

せっかくこんな物々しい姿で現場に訪れているのだから
いっそ自分で名乗ってみるのもアリだろうか、でも考えるの難しいよね。通り名的なものって
自分には、なかなか目立つポイントがないから

     ──来ないなら来ないで結構。呼吸音、衣擦れの音、囁き声。位置は全て特定済み

そもそも隠密だとか乱破だとか、そういったものから生まれた武術の後継者なわけだし、
わざわざ音を立てて目立つような仕留め方って実はなかなか難しい

伊都波 凛霞 >  
そう、目立つように対象を撃滅するのは実は難しい

両手にスーパーボール大の何かを7つ携え、最低限の動きでそれを投擲する
射角、跳弾の角度まで想定済み
時限式で起爆するそれは、隠れて凛霞を包囲していた7人それぞれの目の前で小さく弾け
──仕込まれていた薬剤によって彼らは昏倒する

その場でした音と言えば、小さなゴム球が壁を跳ね回る程度の音と、ごく僅かな破裂音
そして七人分の生徒が倒れる音くらい

「………地味だね。私」

クロークを口元まで上げ直して、
いっそ自分でなにか二つ名っぽいもの考えてみようか…
なんて本末転倒な気分になりながら

再び凛霞はスラムを歩み始めた───

ご案内:「スラム」から伊都波 凛霞さんが去りました。
ご案内:「スラム」に殺音さんが現れました。
殺音 > 「はぁーーーん?この仕事がたったこれっぽっちぃー?
足元見てんじゃねーってーの、またあーしに『入れ替え』られたいワケ?」

スラムの便利屋コロネの仕事料は安くない。
だが、小器用で色んなシーンに対応できる彼女は
それこそまさに、便利に使われる。
そのぶん、このように払いを渋る馬鹿も現れたりするわけだ。

荷物運び、物資調達、暴力行為そして時に暗殺…
なんでもござれの便利屋。
客に舐められるわけには行かない。

滅相もないとニヤける男の…前歯がそこらに落ちてた小石と入れ替わる。
悲鳴を上げて転がる男に蹴りを一発くれて

「今度はネーからな!また舐めた真似したら、今度は心臓とりんごでも入れ替えてやっから!」

男の金庫から金をふんだくってその場から立ち去った。
スラムの闇市のなかをスイスイと歩いていく少女。
そんな彼女はここで生まれ、ここで育った。

殺音 > 「いちにぃさんしと…まぁ上々ってとこ?」

ふんだくった金を数えつつ
鼻歌交じりで意気揚々。
これだけあれば落第街の方にでも行ってリスクなく美味しいものが食べられそうだ。
でもここ最近あのへんも騒がしいって言うし
こっちもこっちで鉄火巻きだかなんだかが馬鹿みたいにバカスカやってるもんだから
気が休まらねぇっていうか
夜にやんなよ安眠妨害もいいとこだっての。

最近倒壊したビルのあたり…あっこ寝床にちょうどよかったんだけどな。

殺音 > 騒がしくなればそれだけ風紀の連中がでたりはいったりなわけで
そうなれば便利屋か行どころじゃない。
しばらく潜らないといけない。

便利屋コロネだって万能じゃないのだ
たまに風紀の誰それをキャーン言わせてやってくれーだの
変なこといい出す馬鹿がいたりするができるわきゃーねーだろ。
たしかなんとかカリンカとか言う風紀もここらをよくうろつくようになったらしい。
あいつはやばい、超やばい

今日もうろついてて絡まれたりしたら厄介だ。

「おでかけはやめとっかー。あーし慎重派だし」

最近の風紀の動きを鑑みるに少し潜ったほうが良さそうだ。
くるりと踵を返せばそのまま帰路へつくのであった。

ご案内:「スラム」から殺音さんが去りました。