2020/08/26 のログ
■神代理央 >
こうして、スラムの住民達に風紀委員会の武力を示しつつ。
異形達と少年は鷹揚に、高慢に、スラムを闊歩して、立ち去っていった。
燃え滓の様な憎悪の中に、確かな敵対心の交じった視線を――背中に感じながら。
ご案内:「スラム」から神代理央さんが去りました。
ご案内:「スラム」に焔誼迦具楽さんが現れました。
■焔誼迦具楽 >
落第街、ビルの上から飛び降りる影が一つ。
軽やかに着地する音と、重いものが落ちる鈍い音が続く。
『鎧袖一触』と書かれたTシャツを着て、長いポニーテールを揺らす少女は、片手で痩せこけた男の襟首を掴んでいた。
「で、ここがその場所?
見た感じ、破壊痕なんて見当たらないけど」
『ま、間違いねえよ。
壊れたもんは、直しちまうやつらがいるのさ』
「ふうん。
昔は壊れたらほとんど放ったらかしだったのに」
時間が経てば変わるもんだと、しみじみ周りを見渡す。
ここは先日、『異能殺し』と呼ばれる男が喧嘩をした場所だ。
喧嘩相手はたしか、『鉄火の支配者』とかいう風紀委員。
■焔誼迦具楽 >
『異能殺し』に関しては、迦具楽がこの街にいた頃が一番活発だったのもあり、一方的によく知っている。
異能もなしに強力無比な身体能力だけで、他者を圧倒する男だ。
ただの人間という事だから、常々食べてみたいと思っていたのだが、落第街に居る間に出くわす事は叶わなかった。
『鉄火の支配者』とやらには聞き覚えがない。
随分とこの街では嫌われている様子だけれど、近年調子に乗っている風紀委員なのだろう。
それでも、とうてい『異能殺し』にかなうはずが無い。
「で、その『鉄火の支配者』?
は、死んだの?」
『い、いや?
生きてて、昨日もスラムの方をうろついてやがった』
「へえ──随分と丈夫なんだ。
それとも運がいいのかな」
どちらにしても、『異能殺し』に会ってすぐにまたこの街をうろつくなんて、とんでもないバカなのか、自信家なのか。
長生きできるタイプではなさそうだ。
■焔誼迦具楽 >
周囲を観察して、血痕の一つでも残っていないか探してみる。
が、流石に日にちも経っていて、修復や掃除もされているようだから、見当たらない。
『鉄火の支配者』とやらの事が少しでもわかればよかったのだけど。
「──で、あとはなんだっけ?
しんでれら?
そいつはどんなのなの」
『そいつに関しちゃ、俺だって知りてえくらいだよ。
噂話くらいにしか話が出回ってねえんだ』
「そうなんだ。
暗殺者とかニンジャとか──そういうタイプなのかな。
他に、今の風紀で目立つ人って?」
『目立つって言われてもな。
オーバータイラントだとか、『時空圧壊』が復帰したとか聞いたがよ』
「『時空圧壊』──レイチェル・ラムレイかあ。
結局、昔も出くわす事なかったのよね。
たしかフェニーチェとかの事件で活躍してたっけ」
あの頃はいろんな組織が動いていた。
今ではすっかり、そう言う大きな動きを見せる連中は居なくなってしまったが。
それでもレイチェル・ラムレイの名前は良く響く。
■焔誼迦具楽 >
「それで、オーバータイラントってのは?」
『肉体強化系の異能の、デカイアフロの男だよ。
見りゃあ初見でもすぐにわかる』
「強化系か。
ならそんなに怖くないかな。
アフロねー、独特な個性してそうだなあ」
男はお前が言えた事かよ、とそのシャツを見て思うが口を噤む。
相手はかつて落第街の闇に潜んでいた『人食いの化け物』なのだ。
「おっけ、取り敢えず気をつけるのはそんな所なのね。
まあ風紀とやり合いたい訳じゃないし、会わないに越した事ないんだけど」
それでも、遭遇したら何事も無く、とは行かないかもしれない。
なにより、この街であまり大きい顔をさせるのも不愉快だ。
特徴くらいは認識しておくべきだろう。
■焔誼迦具楽 >
『ああ、それと風紀じゃねえが。
【裏切りの黒】って連中には気を付けとけ。
今の落第街を裏で維持してる連中だ』
「ねろでぃとらでぃめんと?
なんか大層な名前だけど」
『落第街をひっくり返すような事を起こすと、連中が潰しに来る。
あんたが昔みたいに派手に食い荒らしたら、目をつけられるかもしれないぜ』
「ふぅん。
まあでも、それなら心配ないかな。
人間を食べないといけないほど、困ってないし」
そもそも、落第街の秩序を守ろうと言うなら、迦具楽の目的とも反しない。
協力できる事はあっても、対立することはないだろう。
「それで、情報としてはそれくらい?
『異能殺し』の居場所とかわかんないの?」
『わかるわけねーだろ!
俺だってそこまで命知らずじゃねえ』
「まあそれもそっか。
それじゃ、もう行っていいよ。
今回は昔馴染みだし――見逃してあげる」
『そ、そいつはどうも。
くそ、今度はちゃんと情報料くらい払えよな!』
そう言って、男は一目散に逃げ去っていく。
少しばかりあくどい商売を始めていたから、とっ捕まえて脅したのだが。
とりあえず、これでしばらくは大人しくしているだろう。
■焔誼迦具楽 >
昔は大人しい情報屋だったはずだけど、どうやら情報屋としても上手の連中が増えたらしい。
そういう連中とも繋がりを作っておきたいところだけれど。
その手の連中は取引相手もきっちり選ぶ。
好き好んで人を食うような怪異と取引するリスクは負わないだろう。
「さ、て。
『異能殺し』が戻ってきたって言うから、来てみたけど――」
特にこれといって、治安が崩れているようには思えない。
小物が『やりすぎた』商売をしてるのは見かけて、何人か『食べて』来たが。
今は精々、風紀委員が顔を見せすぎているってくらいだろうか。
「――あんまり、堂々と来られるようになっちゃうのもねえ。
こっちにはこっちの都合ってものがあるんだし。
やり方くらいは考えてもらわないと、いけないかなあ」
そのためなら、多少なり痛い目に遭ってもらう必要もあるだろう。
一応、気持ちとしては風紀委員寄り――そもそも、非公式で風紀の下働きをしていたわけで。
進んで敵対したいわけじゃなが、バランスというモノは必要だ。
ご案内:「スラム」に持流 童男さんが現れました。
■焔誼迦具楽 >
「お互いやりすぎないように――ん?」
さあこれからどうするか、と思っていたところ。
携帯端末が鳴動する。
少し慌てながら端末を手に取って、応答した。
「はーい、破壊神の社プライベートプールです!
――あ、はい、予約ですね!
大丈夫ですよ、13時から、はい、お二人ですね。
お待ちしてまーす」
プールの予約の連絡だった。
通話を終えると、迦具楽は静かにガッツポーズをとる。
ちょっとずつだが、なんとか客数は増えて来ていた。
「これで軌道に乗ってくれればいいんだけどなー。
はーあ、お金欲しい」
夏の今は良いのだが、冬に備えて相応の蓄えをしないと死んでしまう。
暖房費に食費に、とにかく冬は出費がかさんでしまうのだ。
■持流 童男 > 「さーって、今日も今日とて・・・ってまだ会えないんでござるよねぇ・・・!!パトロール・・するでござるか。風紀委員として」
そう肩を落としながら、つぶやきながら
あたりを警邏していたところ、ガッツポーズをしている少女を見た
いいことがあったのだろうか
こんなところにいるのは危ないと思い
「おーいそこの少女殿ー!迷子でござるかー!こんなところにいたら危ないでござるよー!!某、風紀委員なんで、道案内するでござるよ」
そう言って少女に近づいていく
■焔誼迦具楽 >
「んー?」
声を掛けられてそちらを向けば、多少筋肉質に見える男。
今、風紀委員と言っただろうか。
「あー、平気平気。
この街には馴染みがあるし、えっと、おじさん?
おじさんこそ、風紀だからってうろうろしてたら、怖いヒトに袋にされちゃうよ」
近づいて来られるなら、少し距離を保つように数歩後ろに下がる。
相手に敵意はないとはいえ、常に『有利を保てる』距離は維持しておきたい。
常に優位を取れる立ち位置を確保していく。
この街で活動するに至って、基本中の基本ともいえる。
■持流 童男 > 「はっはっは、大丈夫!某強いでござるから!あと、
おじ・・おじさん・・・じゃないでござる・・まだでござるよ」
サムズアップをして少女さんに笑いかける
おじさんと呼ばれたことにショックを受けながら
数歩後ろに下がられたなら、こちらは、追いかけない
警戒をされたらさすがに、追いかけない
某、ロリコンではないので
「ん?平気なんでござるか?街に馴染みがあるならばいいんでござるが。変なことされたりしてないでござる?ケガとかしてない?おかしなまねされてない?いやなにおせっかいなの分かってるんでござるが、つい気になってしまって」
そう心配そうに聞く。お節介なのが分かってるけども
■焔誼迦具楽 >
「え、おじさんでしょ?
お兄さん――って言うよりこう、おじさんっぽい」
失礼極まりない言い分である。
距離は、逃げるにも仕掛けるにも都合のいい間合い。
まあ、こちらから何かをするつもりは、今のところなかったが。
「うん、平気だよ。
変な事とか、出来るもんならしてみたら? って感じだし。
まあ『異能殺し』でも出てこなければ、今の落第街なら大したことないんじゃない」
情報を得た限りでは、そんな感想だった。
動き回っている風紀委員も、昔に比べたら随分と『拍子抜け』するような連中のようで。
頻繁に見回りを行っているのも、事が起こったときに真正面から制圧するだけの力がないからじゃないかと。
■持流 童男 > 「おぉ・・それはよかった
お主に何事もなくてよかった」
そう心の底からほっとする。
本当にほっとしてから
「『異能殺し』でござるか。一度会って喧嘩をしてみたいんでござるよな。・・・あ!内緒でござるよ!少女殿!」
そううっかりしたことを言ってから。
「そういえば少女殿は何をしにここにきたでござる?
いや言いたくなければいいんでござるけども」
そう苦笑して疑問を少女に問いかけた
■焔誼迦具楽 >
「『異能殺し』と喧嘩?
それはまあ、私もやってみたいところだけど。
やめた方がいいよ、うっかり殺されちゃっても知らないよ」
随分と無謀な事を言う風紀だなあと思いつつ。
何か挑めるだけの強みでも持っているのだろうかと、一応警戒は崩さない。
「私は『異能殺し』が喧嘩をしたって言うから、その現場を見にきただけ。
あとはちょっと、昔馴染みから情報提供してもらったりね」
さて、このお節介をどうしたものかと考える。
逃げるのはいくらでもできるだろう。
食べるのはリスクが高いうえに、美味しそうじゃないので無し。
喧嘩も――売られたら買わないでもないが、あまり気は進まなかった。
■持流 童男 > 「異能殺しが喧嘩をした場所ってここでござったんでござるなぁ」
どこか抜けたことを言ってから
ここが異能殺しとやってたところかぁと思いつつも
「ほうほう!少女殿に昔馴染みがいたってことは・・・
あれでござるか!少女と思わせて実は中身は・・ロリババア
みたいな感じ・・・!?なんてそんなわけないでござるよな」
冗談めかして笑いながらも言った。言ってしまった
■焔誼迦具楽 >
「あっはっは!
それ、私以外には言わない方がいいよ?
相手によっては、殺されても文句言えないからね」
ロリババアと口にする男に声を上げて笑う。
どうやらこの相手は、随分と口が軽いようだ。
「ねえねえ、それよりおじさん、風紀委員なんでしょ?
それならさ、今、風紀委員で有名な人とか、強いヒトとか。
そう言うのも知ってたりする?
私ちょっと興味あるんだけど、風紀の知り合いとかいないから」
と、同じ風紀委員ならばと聞いてみる。
■持流 童男 > 「風紀委員で有名なところ・・・
うーん、なんでござろう。いや!っていうか
たしかこういうことは風紀委員以外で
言っちゃダメなんでござるなうん!!」
そういって口を閉ざして
「・・・と言っても強い人あんまり知らないでござるから。
本当に知らないでござる。しいて言うなら・・某でござるかな!」
どやっと少女にそう言った。いっぱいいるが、笑ってごまかす
嘘をついている!!自分が強いのは本当だと思うから言った。
多分!!!
■焔誼迦具楽 >
「あら、意外と口が堅い。
うっかり喋ってくれるかと思ったのに。
残念だなあ」
そう言いながら、さらに一歩下がり、トントン、とつま先を鳴らす。
「おじさんねえ。
強そうには見えないけど――お節介してもらったし、一つ忠告。
落第街をあまり、甘く見ない方がいいよ。
強いヒトほどおとなしくしているだけで――本物の化け物だって潜んでるんだから」
そう言って、軽く地面を蹴る音を鳴らして、背の高い灰ビルの上まで軽々飛び上がる。
「それじゃーね、おじさん!
精々長生きしてね」
そうビルの上から大きな声を届けて。
屋根の上を飛びながら、軽快に去っていった。
ご案内:「スラム」から焔誼迦具楽さんが去りました。
■持流 童男 > 「うおおおお・・・落第街をあまり甘く見ないほうがいいでござるか」
そう口にしてから飛びぬいていくのを見て
「それでも、風紀委員としてやれるだけやってみるでござる。」
そういってからパトロールを続けていった
ご案内:「スラム」から持流 童男さんが去りました。