2020/10/08 のログ
ご案内:「スラム」にレクターさんが現れました。
■レクター > この辺りだけがたまたまなのか、それとも何かしらの騒ぎがあったからなのかは不明だが、
見える範囲にスラムの住民はいないようで静かだった。
緩やかな足取りでうろついていたのを止めて、壁に寄りかかり少し楽な体勢で佇む。
「…静かですね。」
そういう時もあるのだろうと、大して気に掛けることもない様子で息を吐く。
手持ち無沙汰な両手を服のポケットの中へと突っ込んで、あちらこちらへと視線を向けてみる。
ゴミばかりで特に目を引くものもないと判断すると真上を見上げた。
■レクター > ポケットへと突っ込んだ手の先に何かが触れると、そちらへと顔を向けて何かを取り出してみる。
「そういえば、一本だけ誰かから貰っていましたか。」
銘柄の分からない一本の煙草を摘まんでまじまじと見つめる。
何時頃に貰ったのかも思い出せないくらいに些細な出来事だったのだろう。
それと人差し指と中指で挟むように持ち直すと、口元を覆うガスマスクを外して首にかける。
「………煙草の良し悪しは分からないですが、捨てるのもね。」
煙草を口に咥える。ポケットを漁ると、都合よくマッチ箱も出てきた。
中からマッチを一本取って小さく音を立てて火を点けると、咥えた煙草に火を灯した。
■レクター > 深く緩やかに煙草の煙を肺まで取り込み、身体の力を抜くように吐き出した息に乗せて外へ出す。
「………。」
じりじりと先端から灰になっていくのを視界におさめながら、呟くようなこともなく静かに佇む。
灰が落ちそうになると、指で摘まんで適当に地面へと落としてはまた咥える。
そうしている内に半分以上燃え尽きた煙草を摘まむと、地面へと落としてから靴裏で踏みつけて火を消した。
■レクター > 「まぁ…好みではなかった、ですかね。」
首にかけていたガスマスクを付け直してから感想を一言呟いた。
どうせ誰も聞いていないのだから、と言いたげな態度で軽く首を左右に倒して筋を伸ばした。
そして、これ以上この場に留まる理由もないと歩き出してスラムを後にするのだった。
ご案内:「スラム」からレクターさんが去りました。