2020/10/12 のログ
ご案内:「スラム」に神代理央さんが現れました。
■神代理央 >
朧車の騒動も一段落ついて。
己は"本来の任務"に戻る事になる。
行方不明の風紀委員もおり、厳密には解決したとは言い難いが、捜索等々は己の得意とするところでは無い。
情報は集めるつもりだが、現場の指揮は優秀な同僚に任せるとして――
「さて、此の辺りとの情報だったが…」
無数の異形を引き連れて訪れたスラムの一角。
此処に『違法薬物の取引現場となっている区域がある』との情報と、それに対する『処理』の為に出動を命じられた。
無数の砲身を背中から生やし、重々しい金属音と共に闊歩する異形達を見つめるスラムの住民は、一様に昏い表情をしているだろうか。
ご案内:「スラム」に焔誼迦具楽さんが現れました。
■焔誼迦具楽 >
取引現場と指示を受けた場所に近づけば近づくほど、まるで真冬のように周辺気温が下がっていく。。
その区画には、見てわかるほど、苦しんで息絶えた死体が転がっている。
見える限り、生き残っている人間はいないように思えるだろう。
さらにその区画の奥へ進もうとすれば、さらに肌を刺すような寒さを感じられる。
この場で何かが起きた事は明確であり、そして、この奥に何者かがいる、または何かがある事は明確に理解できるだろう。
■神代理央 >
大地を響かせる様な足音が、止まる。
肌寒くなってきたとはいえ、此の気温の冷え方は尋常ではない。
さて、魔術か異能か。何にせよ、何かしらの『力』が働いた事は確かであろう。
「…まあ、行けば分かる事か」
小さく肩を竦めると、再び異形達を率いて目的地へ。スラムの奥へ。
問答無用で砲撃しても良かったのだが、敢えて虎穴へ至る結論を下した。
理由としては先ず単純に、初手での敵対行動を避けた事。
そしてもう一つは――単純な興味、だった。
■焔誼迦具楽 >
区画へ踏み込んだ少年の耳に、風切り音が響くだろう。
そして、少年に付き従う異形の一つが拉げ、崩れ落ちる。
異形に突き刺さっているのは、なんの変哲もないスラムに転がる廃材。
それがただ暴力的な速度で飛来し、異形を沈めたのだ。
飛んできたのは、少し奥にある暗がりから。
ゆらりと姿を現すのは、小柄な少女。
「――ヒトがむしゃくしゃしてるって時に、鬱陶しいわね」
不愉快そうな表情で、少年を赤い瞳で睨みつける。
パーカーのポケットに手を突っ込んだまま、暗がりから出ると足を止めた。
ファスナーが下ろされた先には『鎧袖一触』と書かれたTシャツ。
「なるほど、確かに、目障りな存在ね、『鉄火の支配者』さん」
不快感を隠す事もなく、少女は吐き捨てるように言うだろう。
■神代理央 >
己の従僕に突き刺さる廃材。
命中した異形が崩れ落ちると同時に、敵対行動に反応して一斉に砲身を投擲者へと向ける異形達。
その様を気怠げな視線で一瞥した後、暗がりから現れた少女に瞳を向けるだろうか。
「貴様の機嫌等、私の知った事では無い故な。さて、風紀委員への敵対行動ではあるが、相手が風紀委員である事を知らなかったのなら――」
と、言葉を紡ぎかけて。
次いで少女から投げかけられた言葉に、薄く唇を歪めた。
「…相手を知らぬ、という訳では無いようだな。
私が風紀委員と知った上で明確な敵対行動を取るのなら、それは立派な"校則違反"足り得るのだがね?」
穏やかに笑いながら、小さく首を傾げるだろうか。
■焔誼迦具楽 >
少年の言葉に、迦具楽は鼻で笑う。
「校則違反、ね。
こんな『学生になれない』人間のたまり場に踏み込んで、口に出すのがそれ?」
小ばかにするような調子で、気だるそうに首を回して、顎を上げたまま少年を見やる。
心底くだらないと思っているのが見て取れるだろう。
「それに私は学生じゃないし、校則なんて知ったことじゃないわ。
特に、この場所じゃ『そんなもの』に意味はない」
ポケットから右手を出して、顔に掛かった髪を除ける。
「――このまま黙って私の前から消えてくれるなら、見逃してあげるわ」
■神代理央 >
「『学生になれない』『校則に意味は無い』
では、此の島から出ていく事だ。此の常世島は、全て常世学園の管理運営下にあり、此の場所も校則の適用範囲内だ。
学園が提供するインフラストラクチャーを利用しておきながら、守るべきルールを守らぬなど。下水道の溝鼠と同等ではないかね?」
愉快そうに笑いながらも、直ぐに少女に敵対行動をとる事はしない。
それは、訪れる最中に見た風景。
苦しみながら死に絶えたであろう者達の、死体。
「……答えるつもりがあれば、で構わぬが。
此処に至るまでに、無数の死体と過度な気温の低下を確認している。
気温の低下と、あの死体は貴様の仕業か。
そして、あの死体の素性を知っているか。
風紀委員として、それだけは問うておきたいのだが…答えるつもりは、あるかね?」
大して期待していない、と言いたげな声色ではあるが。
一応、義務は果たすとするかの如く、事務的な口調で彼女に尋ねるだろうか。
■焔誼迦具楽 >
足元に転がった廃材、金属片を手に持って、お手玉のように弄ぶ。
「こいつらが誰だったか、なんて知らないし、どうでもいい。
ただ、この街で気に入らない事をしていた。
そして私の機嫌を損ねたから死んだ、それだけ」
興味はないと一瞥して、足元の死体を邪魔そうに蹴って除けた。
弄んでいた金属片を手に握り、苛立ちを隠す事もなく、憐れむような視線を少年に向ける。
「学生になれず、校則にも守ってもらえない。
そんな人間を認めないのは構わないし、主義主張はご自由に。
だけど、この島はこの場所をずっと見て見ぬふりして許容してきた。
その意味が解らない――アナタの存在は『不適切』よ」
そう憐れみと蔑みを持って、言うと同時に。
手に持った金属片が無造作に投擲される。
その速度はライフル弾の初速よりも早く、衝撃を吹き散らしながら異形へと飛ぶだろう。
■神代理央 >
彼女の答えに、小さく肩を竦める。
答が返ってきただけマシかも知れない。
一応、あの死体を作り上げたのが彼女である言質は取れた事ではあるし。
「おや、心外な。私とて、落第街の存在意義くらいは理解しているとも。
唯、伸びた雑草は刈らねばなるまい。普段気に留めずとも、目に付く様であれば引き抜いてしまわねばなるまい。
此の場所を許容してきたのと同じ様に――此の場所が、我々の過剰な摘発を受ける事もまた、学園は許容しているのだよ?」
その言葉が彼女に届いたかどうかの刹那。
鋼鉄の異形へと迫る金属片。
しかし、周囲の異形も、召喚主たる己もその攻撃を防ごうとはしない――
「Schießen!」
己の身を守る為の大楯の異形を2体召喚しつつ、残存する異形達が一斉に砲撃を開始する。
大口径の砲弾を主にした、破壊力を重視した砲撃。
120㎜の戦車砲を中心としたその砲弾は破壊力こそあれ、弾幕を張る程の数は無い。
所謂、様子見と言った具合の砲撃。その威力だけは、折り紙付きであえるが。