2020/10/27 のログ
ご案内:「スラム」に神代理央さんが現れました。
神代理央 >  
スラム、と一言に言ってもその区域の性格はそれぞれ微妙に異なる。
文字通り、バラックや掘っ立て小屋の立ち並んだ一般的にイメージしやすい区域。
貧しいながらに生きる為の商いをする為に、細々とした露店が立ち並ぶ言わば商店街の様な区域。
廃墟と化した雑居ビルが聳え立ち、違反組織の拠点と化していたり怪異の巣となっている様な歓楽街の名残を残す大通り。

僅かなインフラと、劣悪な環境で過ごす住民。
彼等の眠りを妨げたのは、不快なサイレンを鳴らしながら避難勧告を告げるドローンの群れ。
無機質に、機械的に。『此の区域は間もなく風紀委員会の作戦エリアとなる為、避難する様に』と、機械仕掛けの九官鳥の如くがなり立てていた。

「………今回は、避難勧告を余り長くは取れぬな。鬼ごっこは余り趣味では無いのだが…」

がなり立てるドローン群の区域から少し離れたスラムの一角。
其処には"何時もの様に"無数の異形を従え、端末からドローンの映像を確認する少年の姿があった。

今回は、落第街での検挙活動で取り逃がした違反組織のリーダー及び幹部クラスの"殲滅"が目標となる。
端末の地図に示された作戦範囲の円が随分と大きい事に溜息を吐き出しながら、甘ったるい紫煙をぷかぷかと吐き出す。