2021/03/11 のログ
■神代理央 >
「……自分の感情で判断する、か。
まるで、私が無感情な人間の様な言い草じゃないか」
立ち去る彼女を引き留める事も追う事もしない。
視線で追い掛ける事も無く、ぼんやりと紫煙を吐き出して
独り言を呟くだけ。
「……さて。見世物では無いのだぞ。
それとも、見世物小屋に行くしかない様な
身体にして欲しいかね?」
己と少女に――特に、少女に向けられていた視線には
うっすらと気付いていた。
敵意や悪意といった感情や視線には、随分と敏感になってしまったから。
分っていて、話を続けていたのは些か意地悪だっただろうか。
『裏』に居場所がなくなれば、表に来るしか無いだろう――等と。
「………いや、それは流石に都合が良すぎるだろうな。
それに――」
言葉を途中で飲み込んで。
歩きだせば慌てて脇に退く住民達を横目に、スラムから落第街へ。
警邏を兼ねた、視察の続きへ。
(今夜は、ちゃんとした寝床で寝るんだろうな。アイツは)
流石に其処まで言葉を零しては、彼女の立場も無いだろうし――
ご案内:「スラム」から神代理央さんが去りました。