2021/10/06 のログ
ご案内:「スラム」に伊都波 凛霞さんが現れました。
■伊都波 凛霞 >
バキィ!!
かなり派手な音が夜のスラムに響き、続いて人の倒れる音が続く
「少しは話くらい聞いてよ!…もう」
男を蹴り飛ばしたのであろう少女は脚を降ろしつつ、溜息を吐いていた
必要戦闘面も含めた前線への復帰
ようやく他の委員の負担軽減となり、安堵
……とはならないのがこの落第街方面の警邏である
黒い外套?そんなの怪しいの被っていません
経緯はこうである
灯りのない通りに立ち尽くす怪しい男性に声をかける
こちらを見ると同時に襲いかかってくる
カウンター
以上、3行
「…風紀委員を嫌ってるだけなのか何かやましいことがあったのか…」
何もわからない
昏倒し目を回している男性をとりあえず通りのすみっこまで引っ張って移動させておく
ご案内:「スラム」に黛 薫さんが現れました。
■黛 薫 >
基本的に、落第街は平穏とは無縁である。
さりとて平和が無い訳ではない。疲弊による停滞、
怠惰による不毛、諦観による空虚は暴力に怯える
弱者にとっては平和と表現して差し支えない物だ。
誰しもが諍い、暴力を求めているとは限らない。
(んでも、巻き込まれないために知っとかなきゃ
なんねーってのは、ヤなもんだよな……)
喧嘩、戦闘と呼ぶにはあまりに短い打撃音。
何が起きたか、情報の持ち逃げだけ出来れば最善。
見て見ぬフリをして後から聞くのが次善だろうか。
普段ならもう少し慎重になれたはずのところ、
薬物による禁断症状で痛む頭が判断を鈍らせた。
聞き耳を立てれば良かったのに、様子見に顔を
出してしまった。
(……げ、風紀)
通行人を装い、何食わぬ顔で離れようとする。
下手に目立たなければスルー出来るかも、と
一縷の望みを託してみる。
……明らかに未成年の風貌で、煙草さえ咥えて
いなければ通行人と見逃されたかもしれない。
■伊都波 凛霞 >
とりあえず通行人の邪魔にならない位置に移動させ、
蹴り上げが深く入ったとはいえ一時的な脳震盪だろうと判断
程なくして目覚めるはずである
「まったく… …うん?」
路地の曲がり角付近に視線を向けると、人影が見える
夜なのでかなり暗いが、生憎と夜目の効くほうで……
「キミ、こんな時間にこの辺出歩くと危ないよ」
歩み近寄りながら、そんなことを言う
口元の咥え煙草に気づいていないわけではなかったが
この辺りは異邦人街も近く、異なる文化の持ち主も多い
そのため、何者かがわかるまでは一概に違反学生であるとアタリをつけることができなかった
■黛 薫 >
詰問されるかと覚悟していたため、風紀委員の
第一声が安全を促す警告だったことにやや驚く。
(……いぁ、職務的にはそれが普通、なのか?)
たまたま出会った相手が穏健派だったのか。
或いは自分が勝手に色眼鏡で見ていたのか。
黙って立ち去ろうとしたことが急に恥ずかしく
感じられて、胸が痛む。
「……ごめんなさい」
咄嗟に謝ったは良いが、何に対して謝ったのか
自分で理解するのに少しだけ時間がかかった。
「あの、あーし、帰り道……あんま遠くないし、
この辺、風紀の巡回もあるから、あんま危なく
なぃと……思って……」
■伊都波 凛霞 >
ごめんなさい、と素直な言葉が返ってくると、にこりと笑って
「巡回はしてるけど、常に見張っているわけじゃないからさ」
そういった時にトラブルに巻き込まれたりすることもよくあるのだ
なのでスラムに住む二級学生といえど、危険な目にあってほしくないこの風紀委員は必ずこう促すのだった
「それに、一部のこわーい、風紀委員さんだと問答無用で取締に来るからね。注意しなきゃ」
微笑みながらそう言葉をかける様子は、穏健派かどうかは兎も角として敵意の感じられない態度である
■黛 薫 >
「それは……はい……」
一部の怖い風紀委員、心当たりはある。
心当たりがあるだけに怖い風紀委員のスタンスも、
目の前にいる風紀委員の行動も理解出来るようで、
逆に知っているから余計に分からない気もする。
敵意も悪意もない笑顔は、勝手に警戒していた
身空からすると、詰問されるより心が痛かった。
無性に居心地が悪くなり、煙草の火を手の甲に
押し付けて消した。
「あっちで寝てるヒト、何かやらかしたんすか」
一応諍いの内容を知っておくのが目的だったので
それとなく探りを入れてみる。それだけのことも
後ろめたく思えてしまった。
■伊都波 凛霞 >
「いやー…暗がりにいたから声かけたらいきなり殴りかかられちゃって」
苦笑しながらそう答える
そこからカウンターの蹴りが決まり、KOという流れであった
本当のことなのでそれ以上でも以下にも言いようがなかった
「!? っちょ、何してるの!?」
むしろ、煙草を手の甲に押し付けるその様子に驚いたような反応を見せる
反射的にその手を掴んでしまおうとするくらいには、慌てた様子だった
■黛 薫 >
「あー……偶にいるんすよね、そーゆーヤツ。
いっそホントに無差別なら勝手にくたばって
くれますけぉ、意外と相手選んでやがるのな。
多分アイツもあーたが女子だったから……」
苦々しげに呟く様子から察するに、彼女もまた
似たような相手に遭遇した経験があるのだろう。
「って、ぃ、何、え?待って、あーし何も……」
手を掴まれ、咄嗟に漏れたのは保身と自己弁護。
心内にやましいことがあり、かつ煙草の火を手で
消すことに違和感を感じていないから出た言葉。
掴まれた手の甲にはいくつも火膨れの痕がある。
雑に貼られた絆創膏が複数、手首には血の滲む包帯。
火傷に抵抗がなくなるほど常習的に繰り返された
自傷の痕がありありと残っている。
■伊都波 凛霞 >
「ちょっとまってて、応急手当用のキットがあるから」
凛霞はそう言うと腰のポーチから携帯サイズの救急セットを取り出す
…少女の手の甲には古いものから数えればそれこそ夥しい痕が残されていた
「……いつもこんなことしてるの?」
痛ましい表情
聞かないほうが良いのかもしれないと思いつつ
「手当してもいい?」とも一応問いながら…