2021/12/19 のログ
ご案内:「スラム」にダスクスレイさんが現れました。
ダスクスレイ >  
くっ……最近は風紀の抵抗も激しいか。
盗みに成功こそしたものの、苛烈な風紀の反撃を受けて逃走だ。
おのれ風紀委員、生意気な……

貴様らに受けた屈辱は貴様らに関係のない人間が死ぬことで贖われることが理解できんのか。

辛うじて盗み出せた札束を二つ、ポケットに捩じ込んで。
歩き出していく。
ここはスラムか。次元操作能力者の女と相対した場所と奇しくも同じだ。

ダスクスレイ >  
思えば。
この島の人間は想像の埒外の攻撃をしてくる。

獣を超え、音を超え、神速に人の身で至った芥子風菖蒲。
球形に抉る斬撃を放つ魔性の剣、八ツ墓千獄。
マグナム弾を自在に操り、独自のコンバットシステムを構築した紅龍。
意外性という一点を凄まじい判断力で支えるガスマスクの男。
そして、獣じみた動きを人間の理性で繰り出す次元操作能力者の女。

全く。
面白い。
この島の人間は。

戦うに値する面白さだ。

夜空を仰いで鞘の柄頭を指先でトントンと叩く。

ダスクスレイ >  
周囲の人間の気配はある。
だが静まり返っている。
私を恐れているのか?

それでいい。

弱者はこのダスクスレイを恐怖しろ。
お前らに残された可能性はそう多くはない。
私の恐怖の伝説を語り継ぐか、私に殺されるかだ。

隠れている場所を暴いて斬って回ってもいいが。
石を転がして裏の虫を踏み潰す風情があって快いものではないな。

ご案内:「スラム」に伊都波 凛霞さんが現れました。
伊都波 凛霞 >  
──その足音は、"不自然な程"に貴方に向けてまっすぐに歩いてきた

まるで逃走した経路を丁寧になぞるように
的確に、完璧に、"追って"きた

やがて男が視認できる距離まで近づけば足音は止まり…

「斬奪怪盗、ダスクスレイ」

「風紀委員刑事課です。大人しく投降するなら荒っぽいことはせずに済みます」

淡々と投げかけられる声は凛と透き通り、決して大声でないにも関わらず、その耳にすんなりと届くだろう

ダスクスレイ >  
はぁ、と大仰に溜息を吐いて見せた。
演劇のような立ち振舞で振り返り。
相手を見て女性と見るや胸に手を当てて一礼した。

「ごきげんよう、風紀委員のレディ」
「それで大人しく投降しないと言ったら」

ショータイムだ。

「私の演出する惨劇の舞台に上がってくれるのかね」

艶のある長い髪。
整った顔立ちに深い色をした瞳。

美しい。今日という夜に贄の羊にしてくれよう。

伊都波 凛霞 >  
これまでの幾度かの、風紀委員と彼との交戦
ある程度の事前情報を得た上で、白羽の矢が立った

こと"追跡"に関して言えば比類なき適正を持つ異能者であり、おまけに白刃戦の心得も十分にある自分に

「…舞台は、最近降りたばっかりだから──」

予測される、彼の逃走経路
その全てではないだろうが、他の風紀委員と連携を取り、配置に向かってもらっている
突発ゆえ準備は不十分、そして落第街は広く、スラムは複雑な作りをしている
それでも逃したなら、追うことは困難……現場の特異性も含め、彼を追うリスクを更に上げて報告することになる

「──ご遠慮します。特に、惨劇よりは捕物帖のほうが好みなもので」

一歩、歩み寄る
その手は無手に見える
しかし多少なり勘が鋭ければ、その身に得物を帯びていることは、雰囲気で伝わるか

ダスクスレイ >  
「そうご遠慮なさらず、レディ」
「血化粧を───プレゼントいたしましょう」

ゆっくりと。薄明かりに翳すように鞘走る。
そして相手は無手だが、異能者のように自分の得意な距離を測る様子がない。
魔術師ならば無詠唱・見える位置のルーンタトゥーなし・触媒見えずの状況で近づいては来ない。

つまり。
武術を修めた上で何かしらの武器を持っている。

ならば。
私は閃刀『虚空』で正眼の構えを取った。

「おっと、近づくのはご注意を」
「この虚空、引かなければ斬れないナマクラとは違うので」

刀は。鋭利な刃を持ち、相手の体に当てて引くことで斬るものと。
金属の棒としての剛性を活かし、圧し斬るタイプのものに分けられる。

だが虚空はそのどれとも違う。
触れれば万物両断、振るえば世界を斬る。
間合いを慎重に取るこの構え、攻めるに難いぞ。どうする、女。

伊都波 凛霞 >  
一歩近づけば抜刀し構えを見せる
踏み込んだにも関わらず、構え動かないのはある種の警戒をしていることの証明
つまり、刃に溺れきって力押しをしてくるようなタイプじゃない
冷静に…こちらを見ている

踏み込んだのは一歩
近づくなという言葉も、ただの脅しではないのだろう
足を止め、正眼に構えられたその刃に視線を向けて…

「…キレイな業物」

「人ばかりの血に濡れるのが業とはいえ…それを許したら秩序は保てない」

彼がこれまで交戦してきたタイプは魔術師か、あるいは戦闘に特化した異能者か、そして腕の立つ武芸者か…
その中には、きっと、おそらく──

「舞台も、血化粧も───お見せできません、よ」

キン───

ごく小さな、金属の擦れる音
それと共に身を翻した少女の服の袖から飛び出し、放物線を描いたのは鈍色の小さな筒
"S56スタン・グレネード"、フラッシュバンとも呼ばれる閃光音響爆弾だった

宙空に放られたそれは数瞬後に爆音と共に凄まじい光を放ち、人間を本能的に縮こまらせる──
そんな、現代兵器

───きっと、おそらく
この少女ほど『なんでもやる』風紀委員は、いないかもしれない

ダスクスレイ >  
触れれば指が落ちるレベルの妖刀を突きつけられて。
声が上擦る様子がない。
相当、荒事に慣れている。

面白い。その顔を鮮血と恐怖に染め上げるも一興。

「秩序なんて守る価値のないものだ」
「この私が両断してくれよう」

その時、出てきたのは銀の筒。
咄嗟に後方に勢いよく跳ぶも。

爆音。
閃光。
この距離にして160デシベル、光量にして100万カンデラと言ったところか。
……風紀委員め、良い装備をしている。
八ツ墓千獄と戦った時にあの場にいた男も悪くないタイミングで放るが。

この女は虚を突くのが上手い。

蹲り、それでも見える範囲で女の方角に切っ先を向ける。

「─────ッ!!」

自分は『巫山戯た真似をッ!!』と叫んだはずだが。
声が自分に聞こえない。
耳をやられたか。
視界も不明瞭、失調までいかないのは運が良かったな。

この女。
爪先から寸刻みに切り刻んでくれる。

伊都波 凛霞 >  
この島の犯罪者は───

魔術や、異能を最大限に警戒する
『知り得ない攻撃』が来る可能性が非常に高いからだ
故に、いくらでも異能や魔術で代用の効く、こういった現代兵器への警戒が薄いことが往々に在る
それでもとっさに距離をとったのは、見事

少女はと言えば、しっかり炸裂の瞬間に眼を閉じ耳を塞いで口を開けて、対策済み
相手側の受けた効果は薄らいだにしても、神経に受けた影響は即時回復する類のものじゃない
そしてその効果の程を見れば、──対象が"人間"からそこまで逸脱していない者であることも確信できる

巫山戯るなと喚く男に向け、良好でない視界と無音の世界を少女は駆ける

地を蹴り、壁を蹴って
多角的に、男の視界に影を残しながら、逃げるように

男の持つある種超人的な身体能力、その一部を先立って奪うことで、有利を得る

まず狙うは…その刃
それを奪う、あるいは、落とさせる狙い

「───ふっ!!」

その足刀は的確に、無音の反響と共に男の真上まで移動していた少女と共に、
切っ先を向けたその腕に向けて、全体重+落下速度+加速度を乗せて振り下ろされる!

ダスクスレイ >  
多角的に距離を詰めてくる。
コンバットシステムは優秀。
強い、だがそれ以上に賢い!!

「こ………ッ!!」

この女ッ!! と激昂して叫んでいた。
まだ聴力は回復していない。
視力も弱い中、相手の動きを追いきれない。

腕を蹴られ、閃刀『虚空』があらぬ方向に飛ぶ。
枯れた木を絶ち、地面に根本まで刺さり鍔の部分で止まった。

「……れ………!!」

私は。僕は。追い詰められている。
相手は強い。戦い慣れている。
相当、僕の対策のためのシミュレーションを重ねていたのだろう。

武器もなく、視力も聴力も回復してきているものの、弱い。
その場に蹲ったまま、項垂れた。

伊都波 凛霞 >  
「───!?」

一瞬、眼を疑った
蹴り落とさせた刃が飛び、地に突き刺さる
それだけなら兎も角…その刺さり方は
まるで地面を豆腐かなにかのように、その刃の根本までも沈み込む

刃の切れ味、などというレベルの話で済むものじゃない───

「(もしかして…)」

刃を失った男の側にすっと着地しながら、視線を向ける

──あの刃こそが、この、ダスクスレイという男の

「…そろそろ聞こえるようになったかな」

袖口からするりと滑り落ちたトンファーを片手に、蹲る男を見下ろして

「観念して、大人しくする…?」

直感が正しければ、その手にあの刃を握らせなければ…あるいは

ダスクスレイ >  
「……聞こえるとも」

項垂れたままだった僕は。
いや、違う。
私は───仮面の向こうで獰猛に笑い。

「ようやく回復したところだ」

手を伸ばすと、中空を単体で飛来する虚空。
そのまま女に向けて虚空は飛翔。

実戦でやったのは初めてだ。
手元に寄せるまではあの次元能力者のギザ歯女風紀も報告書に書いただろうが。
今の私は思念で虚空を操作できるのだよ!!

よくも私をここまで虚仮に!!
串刺しにしてくれるッ!!

伊都波 凛霞 >  
「っ!!」

地面からその刃が引き抜ける音で、ギリギリ反応は間に合った
飛来する殺意に向け、身を躱しながらトンファーを震えば、衝突の感触すらなく切断されたチタン製の棍が宙に舞う

事前に見た報告書から男と刃との導線に身を置いていないにも関わらず──

「…すんなりとお縄、ってわけにはいかないみたいね」

制服の袖が中程でぱっくりと斬り裂かれ、覗く肌に朱の線が走っていた
事前情報がなかったら、反応できていなかったらと考えると、ゾッとする

殺意を剥き出しにする男に対し、後ろ飛びに距離を取り呼吸を落ち着ける
──大丈夫、殺意の籠もった攻撃なら、落ち着いていれば物の数じゃない

ダスクスレイ >  
「女、お前はよく戦った」
「褒美にこのダスクスレイの奥義を見せてやろう」

二本の足で立ち、右手を前に突き出すと手の中に虚空は収まる。
思念コントロールで甚振るよりも。

手ずから斬り殺してくれる。

「私は今からお前を斬る、連撃だ」
「何の小細工もない、斬撃が飛ぶこともない」
「建造物を斬ってお前に倒すこともない………」

それでも。奥義は─────

「いくぞ」

絶対に覆せない!!

私の奥義は至ってシンプル。
神速八連斬り。

名を─────八連流星。

袈裟懸けが。掬い斬りが。斬り上げが。斬り下ろしが。
私の剣腕と虚空の切れ味が。全てを断つ。