2019/02/26 のログ
ご案内:「黄泉の穴」に白鈴秋さんが現れました。
白鈴秋 >  黄泉の穴。
 昔新世魔術師会などというアホな組織が何かをやらかしたらしい場所。同じように魔術や異能を道具にしている自身から言わせて貰えばカオス―自身の家の教えでは魔術や異能の管理を失敗してしまうことにより発生する不利益や暴走の事―の想定すらせず、抑えきれず破滅するなど3流も良い所だとすら思う。
 さて、それはそうなのだが……そういった組織やこの場所には非常に興味がある。
 一つ目はその膨大なまでのアーティファクトや魔術書は自身の力になる。後者はともかく前者に関してはいってしまえば自身が作っているものに他ならない。もっとも明らかにレベルはここに落ちている物の方が上だが。
 そしてもう一つはその組織の握っていた情報である。そういった魔術を前面に押し出す違反組織だ。探している組織に近い情報を握っている可能性がある。
 そう思い足を運ぶ。
 既に穴の内部まで進入している。彼が歩いてきた道中には多数の怪異の躯が並び彼が着込む特殊部隊のような服もまた様々な要因で汚れている。
 そして当の本人は……凄まじく不機嫌そうだ。

「何もみつからねぇじゃねぇか」

 怪異ばかりに襲われ肝心の情報は何も出ず、それでも足を止めるわけにもいかず奥へ奥へ。
 
「……他の場所から進入するべきだったか。間違えたな」

白鈴秋 > 「あ?」

 おそらくは何かの建物があったであろう残骸。その中にいくつかの小さな箱が落ちている。
 異能で作り出した糸を伸ばし、それをひとつ取る。そして決して手には取らず器用に糸を使いその箱を調べる。ほんの少しマナを流し、そうしてやっと手に取る。
 だが、それから頷く。

「……なるほどな」

 箱の外にあるボタンをカチッと押すと蓋の上が開き先ほど自身が流したマナが流れ出す。
 そうするとその箱は開きっぱなし。もう閉じる事は無かった。

「受けたマナを収め、それを打ち出す道具というわけか」

 もうひとつ、違う箱を手に取ると今度は炎の魔術を発動。即座にそれは吸収される。そしてボタンを押すと。ゴウッという音と共に火が拭き出す。

「攻撃、というより防御に使えるか……触れたマナを問答無用で全て吸収するのは便利だ」

 残りの落ちていた箱。4つを回収する。とりあえず最低限今回の収入はこれだけだ。
 はぁと溜息を吐き出すと外へと出るための道を辿る。もし風紀の警備に引っかかると面倒だが、それ以上に収穫はある。少なくとも今手に入れた箱はまだ自分では作れない、そこばかりは新世魔術師会の技術に完敗だ。

「むかつく話だな」

 少し自分が負けたような気がして。少し腹が立つが、今は仕方が無い。いつか追い抜けば良い。
 彼はそのまま帰路に着く。危なかったときはあったが、風紀に見つかる事は無かったそうだ。

ご案内:「黄泉の穴」から白鈴秋さんが去りました。