2020/06/23 のログ
ご案内:「黄泉の穴」にモノ・クロさんが現れました。
ご案内:「黄泉の穴」からモノ・クロさんが去りました。
ご案内:「黄泉の穴」にモノ・クロさんが現れました。
モノ・クロ > 「うーん…」
つまらない。
ここに居る有象無象は肉体的には強いのにメンタルが弱すぎる。
ちょっと触っただけで穴に飛び込んでいってしまう。

退屈だ。

ご案内:「黄泉の穴」に霜月 水都さんが現れました。
霜月 水都 > 「やっばー……」

そうやって退屈しているところに、困ったような顔で現れる青年一人。背中には身の丈ほどはあろうかという大太刀を背負っている。
そんな、ある種の威圧感のある姿に反し、うーんと首を傾げながら周囲を見渡している。

「どこだっけここー……困ったなあ」

軽い散歩のつもりだった。
軽く散歩して帰るつもりが、なんとなく歩き続けた結果、こんなところについてしまったのだ。

モノ・クロ > 「ん?」
声がする。人の声だ。
声のする方を見る。

霜月 水都 > 「んあ?誰かいるのかー?」

そうつぶやきながら、声のする方に駆け寄って行き。

「っ!  ……っとすみません。えっと、ここ、どこだかわかります?」

一瞬その異様に息を呑むも、努めて冷静に問いかける。
いや、これ討伐対象っていうかむしろやばすぎて逃げた方がいい案件な気はするけど、今ここで道聞けそうなのこの人くらいだし。
ワンチャン、いい人かもしんないし。

モノ・クロ > 「さぁ、知らないね。私も適当に練り歩いてここに居るだけだし」
そう言って、見つめる。話をして、引き留めようとする。
足の先から呪紋を地面に這わせ、呪うために。

「こんなところに何用?」

とはいっても、見てしまう以上呪いは掛けてしまうのだが。

『見られている』

霜月 水都 > ダメそうオブダメそう。
いやだって、目端で捉えているが、なんか紋様伸ばしてきてるし。
なんなら、見られた瞬間からのこの異様な『見られている』感はなんだ。
とても、ダメそう。

「あーいや、単なる迷子なんで、わかんねーんなら帰るんだけど」

言いつつ後退り……しながら、背中に背負っていた大太刀を、左腰に滑らせる。

「ダメ?」

モノ・クロ > 「はて、帰る道がわかるなら聞く必要はなかったんじゃないかな?」
警戒されている。後ずさりしてるし、太刀もいつでも使えるようにしている。

逃げられたら追えないんだよな―、と漫然と思いつつ。

「なんだったら街の方向ぐらいだったら案内するぞ?」

話を続ける。囲うように、呪紋をゆっくり、這わせながら。

霜月 水都 > 「いやまあそうなんだけど、ぶっちゃけここで素直に道聞きながら呪われるよか、当てもなく逃げた方がマシかなって」

言いながら、そっと鯉口を切る。
その言葉が本当なら、力添え願いたいところではあるのだが……。

「だって、普通友好的な人って紋様で俺囲まないでしょ」

言いながら、迷わず『大太刀で居合を放つ』。

――目の前の存在が知っているかは不明だが、大太刀は、居合には向かない。
なぜかというと、当然長いからだ。居合刀なんてのはむしろ短めの造りが多い。
故に、大太刀で『抜く』。
『大太刀故に抜き打ちはないだろう』という無意識の油断につけ込み、体全体での鞘引きで大太刀での抜きを実現して奇襲で斬る。
狙いは胸部。
どのように身を引くにしても、若干残りがちな部位を斬り払わんと大太刀を振るう。

――霜月流大太刀術、居合『朝露』

モノ・クロ > 「お」
あんな長物をあの速度で抜くとは。まぁ、『そうしてくれるならありがたい。』
避けもせず、下がりもせず、バッサリと。大きく胸が斬り裂かれる。

「っ」
激痛が走る。肋骨も容易く断ち斬られ、内臓もいくつかやられた。
ごぽり、と。抑えきれない吐き気と共に血が口から漏れ出る。
それら全ての感覚を、『傷つけてくれた代償』として相手に返す。

『見られている』
『斬られて胸が痛い』
『血が抜けて寒い、目眩がする』
『中身を斬られて堪えきれない程痛い』
『吐き気がする』
『気持ち良い』

霜月 水都 > 「があっ!?」

避けない。
その時点で嫌な予感はした。
想定されるのは2パターン。
1つ、受けるまでもないパターン。鎖帷子のようなものを着込んでいれば、攻撃を避けずともその防御力で受けてゴリ押すことが出来る。
もう1つ。攻撃を受けた方が都合がいい場合。
呪詛系の怪異に多いのだが、攻撃を受けた場合に誘発する能力を持っていたりするパターン。
前者であればまだよかったのだが……。

「(やっべ……痛み返し系かよ……!)」

激痛に悪寒、命が零れ出ていく感覚。
自分が斬ったのに、自分も斬られた感覚、ダメージ。

「がっ……ぜぇっ、ぜぇっ……!」

深刻なダメージによろめきながら、少しずつ距離を取る。
――取りながら、自己診断をする。

「(感覚的には死にそうだけど……多分これはショック死以外じゃ死なないな。多分)」

なぜなら『思考がまともにできている』から。
失血の感覚はあるが、失血に伴う機能低下自体が発生していない。
おそらくは幻痛として相手に受けたダメージを反映させるタイプ……だと、思う。
その場合、問題は。

「(ダメージ自体は、向こうには残ってるか……?)」

周囲の紋様を警戒しつつ相手の様子を見やる。

モノ・クロ > 「……アー…」
ぼとぼとと血を垂れ流しながら、呪紋を動かして傷を塞ぎ、止血していく。
「ったく、人間の身体は脆くていけねぇな」
治癒に集中しているせいか、他の呪紋の動きがない。
動くこともなく、じっと、呪紋を身体に這わせている。

今なら逃げられるだろう。