2020/07/04 のログ
傀儡女の柰 > 「良いねェ……あちきにぶちこむつもりなんだネ。
 あちきを殺したイ、って。くらァい気持ちに包まれテ……。
 愛おしくてたまらないヨ」

殺意を顕に、ただ『殺す為だけの』動作で迫る黒き影に、
少女は称賛の声をあげる。それは、聞けば底無しの嬌声であった。

「でも、でもネ、お兄さン。
 これは前戯《アソビ》なんだヨ。そう熱り立たせた拳《モノ》を
 さっさとぶちこもうってのハ、チョイト、気が早すぎないかイ?」

くつくつと笑いながら、少女は身を躱す。
くるりと踊るように小さく回転しながら。
そうして怪異と化した男を見て、にこりと笑うのだ。

「……お兄さン、初心だねェ。嫌いじゃないヨ」

桃色の鬼は、その拳へ返すように琵琶を弾く。

「秘曲刃式――『流閃』」

少女の琵琶から、虹色の靄が立ち上る。
それは刃の形と成り――男の腕を切断せんと、迫る。

持流 童男 > 「・・・・」

虹色の靄の刃を無駄のない動作で拳で避けた、かすかに拳が切れたが、大きく距離を取る。

(やめろ!!!!!!!)

と意思の力で、体を鈍らせるが、「殺意」は止まらない。凍てつく赤い目が鬼の怪異を射抜く。

傀儡女の柰 > 「お兄さン……」

ほう、と熱い吐息を漏らす鬼の顔は、どこまでも愉快そうである。

「童貞《コロシハハジメテ》って訳じゃアないだろウ? 
 さっきはあんなに、乱れてたじゃアないカ……。
 何をそんなに臆しているんだイ?
 必死に拳振っちゃってサ、可愛いけどもネ。
 そんな迷いのある攻めであちきを満足させるなんて、
 到底無理だヨ」

切れた拳を見れば、鬼は笑う。やるじゃないカ、などと呟き。
そうして、目を閉じて琵琶を弾く。
澄んだ琵琶の音が、黄泉の穴に鳴り響く。

「ほうレ、『流閃』」

ベン。ベベン。
弾かれたのは、三度。

左右、そして空へと放物線を描いた虹の軌跡が、
男へと迫る。その一つ一つが、肉を抉り骨を断つ
暴虐の斬撃だ。

「そんなんじゃア、すぐに果てちまうヨ? ……お兄さン」

持流 童男 > 「・・・・・・」
うつむきつつ。

(確かに某は、殺しは初めてでない。いくつもの悪を、倒してきた。だがしかし、それでも!足掻かなければいけぬのだ!!足掻くが!がエグい技出してきたな!?)

と思い、あがきながらも、虹の暴虐の3つの斬撃がドラクロに襲いかかる。
だがしかし、

『『殺意」(思い)は止まらない。』

ゆったりとした無駄のない動作で、体から闇が広がり

思い重低音とともに重苦しい怨嗟と殺意に満ちた音が流れる。

虹の軌跡をした斬撃が、闇から出てきた怨嗟の闇にから伸びた者たちを切り裂くが、そこにドラクロはおらず、次の瞬間、的確な位置にいた。
無言のまま佇んでいるが殺意が漏れている。

持流 童男 > だがしかし、かすったのか、脇腹から血が出ている。
傀儡女の柰 > 「それでこそ、それでこそだよォ、お兄さン!
 素晴らしイ、最高ダ、濡れちまうほどの――」

どす黒い闇に包まれた男を見て、少女は歓喜する。
乱れた衣をそのままに。
頬を紅に染めて。
男の闇を、全て受け入れる姿勢で。

「――『悪《オモイ》』だよォ?」

琵琶は鳴らさない。
少女はただ、受け入れるだけだ。
目の前の男を。
恍惚とした表情で。
妖艶な笑みで。
色気のある声色で。

止まらぬ男に両手を、身を捧げるように広げて見せた。

持流 童男 > 「(これ以上はまずい・・!!とまれええええええええええ!!!!)」

拳を振り上げ、そして、少女に対して「悪『オモイ』」を叩きつけようとした、
その時、(思い出して・・・あなたの最初に助けた(魔法少女)」への推しへの愛(思い)を、)


脳内に「救った世界の推しの声が響いた」その時、持流を包んでいた、闇がようやく晴れていき、

そして、『怪物』は『英雄』となる

ベルトから
重低音と、勇ましい曲が流れ、闇が光になり、輝きが持流を包む

その直後に、勇ましい声で、

『RISE UP ヒーロー!!!』 『シャイニング ヒーロー!』『サンライトヒーロー!!』「ライトニングヒーロー!」

ヴァアアアアアアジンンッ!!!!!!!イズ・ザ!!!ヒーロー!!!!

「輝きの英雄:ヘラクレスぅ!!!!!! イェイ!!サイッコー!!!」

そして温かい輝きから晴れると同時に、中から、角と赤いマント、そして筋骨隆々の見るものに勇気を与えるかも知れない勇ましい姿の異形が立っていた。

そして大きく距離を取った。
「少なくとも某は、まだ、「悪」に飲まれるわけにはいかぬのでござる。だからここは引かせてもらうでござるよ!」
肩を上下させながら、退こうとする

傀儡女の柰 > 「ありゃア、連れない童貞《えいゆう》だねェ。
 せっかくなら最後までヤっておくれヨ。
 欲望のままニ、あちきを貪っておくれヨォ」

男を誑かすような、やけに大人びた悪戯っぽい笑みを浮かべる鬼。

「あちきは柰。傀儡女の、柰――」

琵琶を軽やかに撫でる。今度は、敵意も何もない、ただの音色だ。
そうした後に、首を傾げた鬼は、微笑みかける。

「お兄さンが堕ちた時ハ、
 あちきがお兄さンをゆゥっくり、食べさせてもらうから、ネ?
 骨の髄まで、じィっくり、味わって……咀嚼して……口の中で、
 弄んで――」

少女の姿をした悪鬼は、細腕で自らの華奢な身体を抱きしめて見せる。
赤く染まった頬に、上下する肩。まるで、発情した獣のような、その姿。
それは伝承に語られた、鬼の姿。


「――お兄さンの悪《オモイ》ごと、喰らってあげるから、ネ?」

艶めかしい舌を、ちろりと唇から覗かせて。
右から左へ、見せつけるように下唇を撫でて見せる少女。
そうしてにやり、と口端を吊り上げれば。
少女の姿は次第に、幻のように消えていく――。

持流 童男 > 「ふぅ・・・退いてくれたでござるか・・・」

と言いつつ変身解除しつつ、禍々しい賽子とダイスさんが喧嘩してる声を聞いて少し笑いながらも

「厄介な人に目をつけられたでござるな・・・まぁ!某の素顔を見る前に幻で消えたので大丈夫でござろう。名前もわからないでござろうし。」

と慢心創痍になりながらも慢心しつつフラグを立てて。

帰るでござるか。と言いつつ、バイクにノリながらも黄泉の穴を後にする。

持流 童男 > なにか悪寒がしたが、気のせいだろう。多分
ご案内:「黄泉の穴」から傀儡女の柰さんが去りました。
ご案内:「黄泉の穴」から持流 童男さんが去りました。