2020/07/17 のログ
■スピネル > <…吸血鬼か?>
突如として、低い声がスピネルの耳に届く。
「いかにも! 我は高貴なヴァンパイアのスピネルである!
お主らこそ何者だ。」
スピネルは単身であることも恐れず、周囲を取り囲んでいる気配に応える。
周囲を取り巻いている霧のようなモノが晴れると、いつからそこに居たのか。
ボロボロの鎧を纏った侍の亡霊たちが姿を現す。
「ほう、この国の戦闘員だな。
いつごろの姿か知らんがわざわざ我の前に姿を現すとは面白い。」
■スピネル > スピネルを取り囲むボロボロの侍たちは数名程。
胴巻きを装着し、手には刃零れた刀や槍、弓を携えている。
スピネルが動くよりも先に矢が飛来し、スピネルの左脇腹に突き刺さる。
「くぅぅぅ、やるではないか。
それでこそ戦闘と言う者よ。」
口から血を吐き出し、痛みで身をかがめる。
侍たちはソレと掛け声をあげるとスピネルを仕留めるべく一斉に襲い掛かった。
■スピネル > 侍たちの刃が、穂先がスピネルを切り裂かんとした瞬間。
彼らは突如として足元から出現した炎に焼かれ、のたうち回る。
「調子に乗るでないぞ、人間どもよ。
高貴な我の身体に傷を負わせたことは見事だ。
だが、そんな動きでは我には届かん。
さあ、断末魔を聞かせるがよい。」
サムライたちは耳を劈く様な叫び声をあげ、驚くべきことに死体を残さず消滅してしまう。
「なんと! 予想はしていたが生身の人間ではなかったのか。」
矢が突き刺さったままの脇腹を抑えているスピネル。
いつもよりも顔色が薄くなっているが。
「多少脅威ではあったが、この程度では能力が進化する程でもないようだな。
何か他の要因があるのだろうか。」
■スピネル > 「しかし、我としたことがこの程度で痛みを感じるとはな。
やはり相当身体がなまっているようだ。」
背中に大きなコウモリの翼を生やすと、バサバサと高度を上げていく。
これ以上この場に留まることは危険だと判断。
「確かにここは危険な場所の様だ。
だがいづれ我が支配してやろう。
楽しみに待っているがよい。」
不敵な笑みを浮かべると、スピネルは飛翔する。
ご案内:「黄泉の穴」からスピネルさんが去りました。