2022/06/07 のログ
ご案内:「黄泉の穴」にF.U.R.Yさんが現れました。
F.U.R.Y > 魑魅魍魎住まう穴の縁。
壁面に穴をあけながら、よじ登ってくる存在が一つ。


『魔』―――
荒ぶる悪獣、怨霊、異界の者共が這い寄る中から。
それらを蹴散らし、登り上がる男が一人。

その者、人の姿見を持ちながら。
その半身、否……左腕のみが異形なる『魔』と成り代わり…

襲い来る畜生共を、殴り、千切り、はたまた、食らいながら。
長き時からこの地へ”舞い戻る”。

F.U.R.Y > 「……ッDAAAAらあああああああ!!!」
F.U.R.Y > 獣が如き叫びと共に、穴から這い上がり地上に戻ってきた男は、息を切らしながら体についた魔物の腕やら触手やらを引き千切り。
見るからに食すのに適さなそうなそれらをもしゃりと食らいながら、どしりと座り込む。

「っカァー………クソが、不味ィじゃねえか」

ごくんと飲み干しながら、残った骨をぽいと捨て。
そうしてふぅ、と息を吐く。

F.U.R.Y > 穴に降りてからどれくらいか。
落第街……それもスラムと呼ばれる土地に縄張りを持つ男は、ここしばらくこの穴に身を落としていた。

落とされた、という訳ではない。
自主的に、ちょっとした野暮用でというものだ。

とはいえここまで長く戻らないつもりはなかったが………穴の底の機嫌に付き合わされ、魍魎の相手をずいぶんさせられた。


どれだけの時間穴の中にいたかは全く分からない。
穴の底は日の光が届かなくなる事も、少なくはないからだ。
そして男も、どれだけの日時が過ぎたか等を小難しく考える気は、さらさらなかった。




左腕の力の使い方。
いや、使い方と言うのは少々間違いか。
もっと強く、煮えたぎるこの腕を振るう事が出来る方法の模索。

それにはこの穴ぼこのような、何が起きるかも分からぬ魔境に飛び込むのが一番であった。


そして、実際にその成果は……確かにあった。

「……っくハハ……ッハーハハハハハ!!!
 大分頭がスッキリするようになったモンだ、ァー……」

そう言いながらぱたんと、久々の土の大地に仰向けに倒れこみ。

F.U.R.Y > 「眠ィ」

そして男は、そのままいびきをかいて眠りこけた。
まるで秩序や社会性を感じられない、獣のように自由に。

(後入り自由)

ご案内:「黄泉の穴」からF.U.R.Yさんが去りました。