2019/03/10 のログ
白鈴秋 >  そう聞いて少し首を傾げる。論文の内容を聞く限りでは強者になる為ではなく弱者のレベルを引き上げる為だと思い込んでいた。
 そうして100人が100人魔術学を学べる環境にして発展をさせるものだと。
 だが改めての解説を聞けば、目を見開く。
 学ぼうとする者が努力をしそれを昇華できる環境。それが出来てしまえば確かに話は別だろう。
 もしそっちが先にしっかりと出来てしまえば小規模では起きるかもしれないが自身が危惧しているレベル。即ち魔術師が虐殺される魔女狩り、引いては戦争のような可能性はかなり低くなる。
 そしてコクリと頷いた。

「……たしかに、その通りです。もしその段階まで達してしまえばもう魔術学は完成、もしくはそれに匹敵するほどの発展した状態であるといえます。それに、先生の仰る意欲ある者が学び昇華できる、その過程がしっかりと踏まれれば1番最悪の悲劇は回避できることと思います……あまり褒められた言い方ではありませんが。少数の犠牲はどんな分野であれ起こってしまいますからそれは先生同様否定はできませんが」

 電池という例えを改めて考える。そうするとスッと綺麗に色々な話が収まった気分になる。自身以上に壇上の教師はその先をさらに見据えていたのであった。
 犠牲はどんな分野であれおきてしまう。それをある意味でまとめとして質問を終える。
 先ほどまでの少し自信の無さそうな表情などから一転し、元の表情へと戻す。

「改めて、本当に良い意見をいただきました。ありがとうございます、私の質問は以上になります。長くの間場をお借りしてしまったこと申し訳なく思います」

 壇上の教師を含め、周りの発表会を聞きに来た人物達に向けた謝罪を述べ、本当の意味で質問を終えた。
 

獅南蒼ニ > 貴方の表情の変化に関わりなく,澱むことなく淡々と,獅南は語っただろう。
……これでも普段よりは,よほど緩急の変化がある。
全てを語り終えてから,まっすぐに貴方を見れば…貴方は,静かに頷いた。

実を言えば,貴方の出自や,その過去を,この白衣の魔術学者は知らなかった。
だが,今日の一件で,貴方を将来有望な男だと感じたに違いない。

「…退屈な時間繋ぎの発表だと思っていたが,私も楽しませてもらった。
 私は魔術学部棟第三研究室に居る…必要があれば,いつでも訪ねてくるといい。」

貴方の質問が終われば,時計を気にしていた司会役の男が質問を切り上げ,拍手を求める。
獅南は一礼をした後に演台を降り,表情を変えることなく退場する。


部屋をでる直前,最後にまた貴方の方へ視線を向けて…小さく頷いた。

白鈴秋 > 「第3研究室」

 言われた言葉をもう一度繰り返す。自身も正直くだらないとすら思っていた。ここで聞く発表などどうせどこかで見たような内容だろうと。
 だがいざ蓋を開けばこんなに良い教師と出会えた。もう一度繰り返したその場所を忘れないようにしよう。2年に上がった後世話になる場所だ。
 拍手を求められ拍手に答える。先生が小さく頷くと。

「……」

 こちらも返す。いつかお邪魔します。そんな視線を込めているだろう。
 先生と入れ替わりで違う人物が壇上に上がるが……内容はまぁありきたりといわざるおえない内容だった事だろう。

ご案内:「魔術学会第三分科会」から獅南蒼ニさんが去りました。
ご案内:「魔術学会第三分科会」から白鈴秋さんが去りました。