2020/07/03 のログ
ご案内:「研究施設群 羽月研究所」に羽月 柊さんが現れました。
ご案内:「研究施設群 羽月研究所」に■■■■さんが現れました。
羽月 柊 >  
(前回からの続き)
http://guest-land.sakura.ne.jp/tokoyo/chat/56freeroom2/showlog.php?date=2020-07-02

柊は先に風呂から出ると裾捲りしていたのを下ろし、
裸足のままぺたぺたと部屋に戻ってソファに座る。

「……夕食、冷蔵庫にしまった方が良かったかもな。」

腕組をして天井を仰ぎ、
金龍がお風呂を楽しんでいる束の間、素に戻る。

しかし通常の人間と会話が通じないとなると、
今後今回のようなこと…それも、事故ではなく悪意と取られても仕方ないかもしれない。
最近出費がかさんでいるが、元の姿に戻らないのなら翻訳機も視野…
等と、頭の中でぐだぐだと考えていた。

■■■■ >  
「(湯に浸かる、などとくだらぬと思ったが……
  うむ、うむ……=■●に戻ったときには、取り入れるべきじゃな、これは……)」

龍が入れるサイズの風呂桶をどうする、などの巨大な問題は投げ捨てて皇は思った。
さて、いい加減あがるとするか……

「(そういえば、たおる、とやらで体を拭く、とかだったか。
 うむ、この布じゃな。おい、シュウ、出たのじゃ!)」

声を投げかけつつ、乱雑に体を拭き始めた。

羽月 柊 >  
うーむと考え込んでいたがぱっと答えは出ず、
聞こえた竜語に反応してソファから立ち上がり、着替えを持って風呂場へ。

「ああ、あがりましたか。
 しっかりと水気を落としていただけると助かります。
 貴方様用の服は流石にここには無いので、一旦私の部屋着を着ていてください。」

背中側から頭にタオルを被せ、髪を拭いてやる。
とりあえず前に回らないように気を付けつつ。

いや現状、セイルとフェリア以外別に誰も見ていないのだが。

粗方髪の水分を取り、大雑把とはいえ服が着れる程度に身体も拭けただろうと思えば、
かなりぶかぶかするであろう男性Tシャツを金龍に着せると、
布を出して腰に巻き付けてスカート状にして一先ず下半身を隠す。

「下着はまぁ……。生活委員に行って用意してもらうのが一番なんですが…。
 髪を乾かすのにドライヤーをかけますので、部屋の方へ。」

■■■■ > 「(うむむ……この、拭く、といのは、うむ、こそばゆい、のじゃ。
  むぐ、風呂はよいが、これはめんどくさい……)」

文句は言いつつも、それなりに素直にされるままになっている龍。
この辺りは信頼の証であろうか。

「(この間の布とは違うのじゃな? ふむ、これはシュウのものか。
 なるほど、大きさは確かにそれぐらいじゃな。ものは……いまのとは、やや違うようじゃな?)」

柊を上から下までしげしげと観察して考察する。
特に不快には思っていないようである。
どちらかというと好奇心のほうが強いようであり……

「(したぎ……どらいや? また、●●●の文化か?
 世の知らぬものが本当に多いのじゃ……一体、どれだけモノがあるのじゃ、貴様らは)」

やや呆れるように口にしながら、これまた素直に部屋までついていくだろう

羽月 柊 >  
「以前貴方様に着せていた布は血まみれでしたので、
 現状手持ちで肌を隠せるモノをご用意させていただきました。
 
 下着は人間の弱点部を隠す為の布です。
 個々人のモノですので、私のモノは渡せません。
 ドライヤーはその濡れた髪を乾かしますので…こちらに座っていただけますか。」

部屋の方へ戻ると、スツールを用意し、金龍を座らせる。
櫛とドライヤーでいざ髪を乾かそうと…

「音が少々慣れないかもしれませんが、我慢してください。
 髪は拭いても雫が落ちますので…。」

と、ぶおーと言う音と共にドライヤーの熱風をその髪へと。

■■■■ > 「(貴様らの工夫、というわけじゃな。
 まあ、案ぜずともよいのじゃ。
 弱点を隠す、というのであれば、したぎ、とやらは世には必要ないのじゃ。)」

なるほどと理解するが、致命的なズレが生じる。
龍は頑丈であった。

「(ん……熱風を出す魔道具……じゃ、な?
 しかし、さして熱も感じぬが……もう少し、火力を上げるべきではないのか?)」

素直に座ってドライヤーで乾かされる龍。
しかし、その尺度は何処までも龍だった。

羽月 柊 >  
「そういう訳にもいかないのですよヒメ様。
 我々と同じ人間に近い姿となった以上、隠さねば不埒な雄を呼び寄せる元です。
 そういった雌だと分かると強制的に交尾を迫る人間の雄がいます。
 
 そうして襲ってくる愚かな人間を押しのけた結果、貴方様の力では殺してしまいかねない。
 そういった事故を防ぐ為にも、身につけていただきたいのです。
 どんな相手であれ、人間にとって同族殺しは良くない印象になりますからね…自衛はともかく。」

人間としての感覚が煩わしいのはよくわかる。
自分だって他人との交流がそこまで得意という訳ではないし、
許されるのであれば研究に没頭していたい質の方だ。

「火力がありすぎると人間の髪は傷んでしまうのでこれで良いのですよ。」

そう話しながら、髪を粗方乾かし、一応肩にタオルをかけておく。
艶やかな髪は綺麗になれば一層輝くのを、眩しそうに桃眼を細めた。

■■■■ > 「(…………
  ふ、む……聞いておれば、なんじゃ。
  貴様ら●●●は、度し難く愚かじゃな。)」
  

沈思しながら聞いていた皇は、開口一番で切って捨てた。

「(いや、シュウやエイジを見るに、全てが愚かではなかろうが。
  やはり、世が導くべきじゃな)」)」

うむ、と謎の決意を新たにする

羽月 柊 >  
「人間は脆く愚かな定命のモノですとも。
 しかし、蟻とて集まれば動物を骨にするように、我々は意志無き集団ではない。
 愚考ではありますが、足元を掬われませぬよう…。」

まぁ、そのうちこの島の中でも強いモノと対立するやもしれないが、とは考えつつ。
金龍の身体を清め終わると、再びソファに座る。

「さて、ここからどういたしましょうか。
 奥の子達に挨拶されますか? 
 もしくは明日以降になりますが、生活委員の所へ行って貴方様の生活基盤の話等でも。」

■■■■ > 「(クハハハ! なに、案ずるな、なのじゃ。
  世は貴様らの愚かさも愛そう!
  愛した上で、正すのじゃ。
  支配者とはそういうものじゃからな)」

楽しそうに笑う。
笑って答える。

「(と、そうじゃったな。
  確かに、ここにおる眷属たちに会うもよいのじゃ。
  だが、それと同時に、世は、この世界を知りたいのじゃ。
  此処での生活など、あとじゃあと。まずはそこからじゃ)」

そして、ひどく真面目な顔をする。

羽月 柊 >  
「……世界ですか。」

尊大に、可愛らしい子供の姿で笑う少女にいささか苦笑じみた笑いを返したが、
続いた言葉を柊が反復する。

「どうお答えしましょうか…少々悩みますね。
 基礎の基礎から語るのであれば………。
 
 この世界…地球は、昔は地上をほぼ人間のみが征していたと聞きます。
 本来は貴方様のような龍などは御伽噺の世界の出来事でした。

 貴方様を攻撃した、このような鉄の塊で出来た武器で戦い、科学が真理を明かす。 
 我々のような魔法を扱うモノはその技術を隠匿し、日陰に隠れ、裏より世界を支えるだけの存在でした。

 ――後に我々人間にとっての節目、《大変容》と呼ばれる、その事態が起きるまでは。」

ソファから立ち上がり、部屋に備え付けてあるテレビへと歩を進める。
電源を入れ、操作をしてデータを呼び出してくる。

「《大変容》とは、貴方様がこちらに来た時と同じように、
 世界各地に門が現れ、同時に異世界よりの望む・望まずに限らず数多の異邦のモノが現れ、
 人々の間では"異能"と呼ばれる特異な能力を持つモノ達が出現しはじめました。

 天地は荒れ、異邦人とは疎通も出来ず、
 かつて神話・御伽噺とされていた事象が再現され、
 私のように何の特殊な力も持たぬ人間が、多く地上から天へ召されたと聞きます。」

言葉よりも映像の方が伝わりやすいだろうと、
テレビに映し出されたのは、大変容直後の再現映像だった。
インターネットで検索すれば、こういうのは大概出てくるモノだ。

「…私はこの時代より後に生まれたモノですが、
 歴史を紐解くと、そこから我々人間は異邦人と共存を始め、
 様々な戦、葛藤、摩擦、あるいは事故を繰り返しながら、
 現在のように時折開く門よりこの世界に流れ着く異邦人への対応も決まって来ました。」

■■■■ >  
「(そうじゃろうな。世のようなモノがおれば、●●●が地上を制するなど、無理なのじゃ。
それに、《大変容》……)」

子どもような、大人のような顔つき。
興味深げにTVをみつめ……

「(それにしても、なんじゃこれは。遠見の水晶とも違うようなのじゃ。なかなかに興味深……いや、いかんのじゃ。まずは、今の話じゃな)」

一気に子ども化した。

「(……イノウ、イホージン。
 なるほど、埒外の存在が現れたわけじゃな。
 存外、歪んだ世界を正すための世界防衛機能かもしれぬのじゃ。
 まあ、それはいずれわかるじゃろう。
 それより……イホージンへの対応、じゃな。
 貴様らは、どうすることにしたのじゃ?)」

羽月 柊 >  
「貴方様には窮屈でしょうが、法を制定しました。
 異能を扱う為の法、そうした機関。
 我々魔法を扱う人間は日陰より日向へ、裏より表のモノとなり、
 力の扱い方を広め、力の均衡を図りました」

テレビの説明は後で良いだろうと、そのまま映像を流している。

「共存を訴え、以前貴方様にもお伝えしたように、
 貴方様と同等、もしくはそれ以上の存在も安易に矛を振るわぬように。
 力と力で牽制しあい、我々は今こうして…仮初の平和を享受しています。」

もちろん全てが万事上手く行くとは限りませんが、と付け加えつつ。

「そしてここは常世島。
 その埒外のモノと共存し、共に歩むための学び舎である常世学園と、
 それを取り巻く学園を中心とした生活環境のある小さな島です。

 世界の話としては、これが基礎でありますでしょうか。

 ただ、私の話の全てが正しい訳でもないとは思います。
 これは羽月 柊という、一人の人間の雄が持つ知識でしかありませんので。」

■■■■ >  
「(法、か。
  今までの話から考えるに、随分と細かそうじゃな。
  せせこましい●●●らしい話じゃが……
  そこは、やむないこととも言えるのじゃ)」

ふむ、と考える。
脆弱な種が、世界を統べるともなれば細かい縛りがいるのは必定であろう。


「(よい。真偽や、認識のズレなぞはいずれわかるのじゃ。
  概ね合っていれば十分なのじゃ。
  それに、これだけ細ければ必然でもあるのじゃ。)」

相手の労をねぎらい……少し、考える。

「(と、なれば。世みずからの眼で見る必要があるのじゃ。
  それはこれからであろうが。
  まずは、シュウ。だいぶ世話になったのじゃ。
  褒美をとらす。何を望むのじゃ?)」

羽月 柊 >  
「褒美……ですか。
 特に考えておりませんでしたね…。

 ……落ちた鱗の一つでもあれば、貴方様の眷属を養う源にも出来ますが。
 少々お耳に入れるには嫌な話ではありますが、
 脱皮の落鱗や生え変わりの角、検査の時に取った血等を学園等に売って、
 そのお金で餌代や、新たな親のいない眷属の子を買ったりしているのですよ。」

褒美と聞かれてきょとんとした様子の柊であった。
相手は唯我独尊のような龍であると考えていたせいか、もたらされる恩恵を考えていなかった。
いやはや失礼な話ではあるが。

金龍ほどのモノの素材があれば、売り捌けば今後の資金としてはかなりのモノになる。
それこそ、おまけに竜語の翻訳機をつけても良いほどに。

■■■■ >  
「(何も考えておらぬ、とは無欲なことじゃな!
  世の威光ゆえに、ただ伏して従っただけかもしれぬが……まあどちらでもよいのじゃ。
  能あるもの、働くものには恩賞を下す。
  これは当然なのじゃ)」

きょとん、とした様子に呵々大笑する龍。
為政者たるもの、褒美を惜しんではならない。
特に、優秀なものであるならば。

「(ほう、鱗とな。考えたこともなかったのじゃが……そうか。
  そのようなもの程度でも、●●●には価値があるのじゃな。
  安いものじゃ。)」

龍鱗、龍水、龍黄……
いずれも龍自身にとっては当たり前で大したものではなくとも、人間には無限の価値があるものだ。
……正体を知らないほうがいいこともあるが。

「(よい。その程度、構わぬのじゃ。
  確か、何処かに……うむ)」

突然、中空をいじりだしたかと思えば、
何処かから、輝くばかりの薄い板を取り出す。
よく見ずともわかるであろう。
まさしく、金色に光る龍鱗であった。
ソレを目の前に差し出して……

「(褒美と入った。じゃが。
  貴様の話に時折上る、嫌な話。それを詳しく聞かせるのじゃ。
  貴様のやっていること、含めじゃ。
  案ずるな。貴様が何を言おうが手討ちなどはせぬのじゃ)」