2020/07/24 のログ
ご案内:「研究施設群 羽月研究所」に羽月 柊さんが現れました。
羽月 柊 >  
どんなことがあったとしても、日常は巡る。
ましてや守っているモノ、抱えているモノがあればあるほど、
一つの物事だけに終始していられない。

――そのはずだ。


自宅に戻ってくると、小竜たちがいる鏡に触れる前に、盛大に息を吐き出した。

「……俺らしくない。」

ここ数日の自分の行動を思い出しては、そう呟く。


肩から力を抜くと同時に、白衣がポケットの重さで振られた。
……結局、そのまま持ってきてしまったデバイスである。

羽月 柊 >  
死体の入った魔具すらもそのまま持って帰って来てしまった。
証拠隠滅をする犯罪者の気分にでもなりそうである。

 これらを届ければ、もう後は観客で居ようと思っていた。

それがどうだ、予想は見事に裏切られ、
自分は未だ舞台の上に立っている。

まだ銃を突き付けられて、
『これ以上は他言無用だ』とでも言われた方がマシだったのかもしれない。


――帰る途中で何故放りだして来なかった?

そう自分に問うても、答えなんか出やしなかった。

羽月 柊 >  
今までは細事だった。

ヒトが死のうと、苦しみに足掻こうと、他人事だったはずだ。

以前ヨキに言ったように、割り切って雑音だと、
今までの自分ならそう言っていたはずだ。

何故それを、"対話"してまで、止めようとしたんだ。

何故理由を、"対話"して聞こうと思ったんだ。


ああ、嗚呼、全くもって、"羽月 柊"らしくない。

全くもって、大人らしくない。
まるで駄々をこねる子供じゃないか、自分は。

羽月 柊 >  
しかしいくら考えても独りでは答えが出なかった。
これまでの事象には全て、いままで避けて来た"他人"が関わっているせいだ。

首を振り、扉となっている鏡を通って研究所の奥へと入る。

「ただいま。」



今はただ、日常に帰ろう。

そこからはもう大忙しだ。

普段従事していること以外の行動を挟んだモノだから、
数時間は給餌やなんやらで忙殺である。

そうして、一日は過ぎていく。

羽月 柊 >  
 
 
 綻びは、徐々に、しかし……確実に。
 
 
 

ご案内:「研究施設群 羽月研究所」から羽月 柊さんが去りました。