2019/03/08 のログ
柊真白 >  
神代理央。

(触れられる前にいつの間にか持っていたナイフの切っ先を喋っている口へ突っ込む。
 突っ込む、とは言っても舌を切るほど深く突っ込んだわけではない。)

それ以上言うなら、その舌は不要とみなす。
よく考えてしゃべるように。

(だって今から切り落とすかどうかが決まるのだから。)

神代理央 > 舌先に感じる冷たい感触。
物騒な事をするものだ、と思いながらも軽く両手を上げてひらひらと手を振った。

「分かった分かった。揶揄い過ぎた事は謝ろう。それに、別に幼児体型だろうが胸が無かろうが気にする事はあるまい。人それぞれなのだから」

告げた言葉は、悪意無も揶揄いも無い本心であるのだが、言葉選びのセンスは無かった。
とはいえ、自分自身も体格に恵まれている訳では無いので、揶揄い過ぎたのは悪かったとは素直に思ってはいるのだが。

柊真白 >  
(とりあえず謝罪はされたのでナイフは引っ込める。
 けれど彼が口にした言葉までは聞き逃せるものではなかったから。)

――ふんっ。

(右足を振り上げる。
 狙いは彼の脚の間。
 全力ではないが、当たれば崩れ落ちる程度には力を込めて。)

神代理央 > 引っ込められたナイフの感触に息をついた瞬間、振り上げられる彼女の右足。
咄嗟に手で庇って直撃は免れたものの、痛いものは痛い。流石に魔力による肉体強化も間に合わなかった。
崩れ落ちるとまではいかないものの、片膝をつく形になり、痛みに耐えながら彼女を見上げる。

「……体型は気にせずとも、暴力を振るう女性は嫌われると思うがな。それとも、御返しにまた服を剥ぎ取られるのが御望みか?」

表情を顰めつつ、眼前いっぱいに映る白と蒼のコントラストに言葉を吐き出した。

柊真白 >  
人の気にし――心のスペースに土足で入り込んだ挙句そのままカーペットの上でタップダンスを踊るような男よりはマシだと思う。

(別に気にしてはいない。
 決して気にしてはいないが、人の心を踏みにじるような行いは恥じるべきだ。
 気にしてはいない。)

その上で内側だけじゃなくて外側まで荒らそうというのは、人としてどうかと思う。

(重ねて言うが、気にしてはいない。
 汚物を見るような目で片膝をつく彼を見下ろす。)

神代理央 > 「…お前がそこまで気にしているとは思わなかった。何というか…うむ。すまなかったな」

彼女がそこまで自分の体型を気にしているとはついぞ思わなかった。
そういう年頃の少女の様な所もあるのだな、と珍しい物を見たと言いたげな視線を向ける。表情は、未だ痛みに耐えて僅かに顰められていたが。

「先に手を出したのは貴様なのだから、何を言われても文句はあるまい。やれやれ、暴力的な女子が増えた事に、一風紀委員として憂慮するばかりだ」

ゆっくりと立ち上がって軽く服の埃を叩けば、此方に酷い視線を向ける少女に僅かに肩を竦める。

「…まあ、言い過ぎた事は素直に謝罪しよう。私とて、自分の体型を揶揄われるのは良い気分ではない。以後、程々に控えよう」

柊真白 >  
気にしてない。
決して気にしてないけど、女性に言う言葉ではない。

(気にしていないということはちゃんと伝えておく。)

手を出されるようなことを言った方も悪い。
それに今更だし、君が言うことでもない。

(お互いにそれを言うには色々とやらかし過ぎているのだから。
 彼が立ち上がったころには、すでにいつもの無表情な視線に戻っている。)

次から気を付けるように。
気にして――はないけど、だからと言ってああいう言い方をしていいものでもない。

(気にしてはいない。)

神代理央 > 許してもらえたかはさておき、取り合えずの怒りは収まった様子。
しかし――

「……別に、気にしている事自体は隠さなくても良いと思うが。可愛げがあって良いじゃないか」

暫し彼女を見つめ、告げられた言葉を反芻。
結局気にしてるんだよな、という結論に達した。
気にしている事そのものを揶揄うつもりもなく、寧ろそこまで頑なに否定しなくても良いのにと思いながら、言葉を投げかけた。

柊真白 >  
気にしてない。

(尚も意地を張る。
 だってやっぱり女性としてぺたんとしてるのはなんか辛いし別に大きい方が正義というわけではないのはわかっているけれどあるはずのものがないのは財布にお札が入っていないみたいな言いようのない不安感に襲われるし自身の恋人もきっとないよりはある方が好きなんだろうなって思うしそのくせ下の方は結構大きくてますます幼児体系みたいだし何よりそれを諦めて受け入れてしまったらきっとそれは負けというかそうこれは自身の尊厳を守るための戦いなのだ。)

気に、してない。

(決して気にしているからではない。)

神代理央 > 「………気にしてるじゃないか。寧ろ、気にし過ぎだ。まあ、女性の悩みというならば此方も悩むなとは言い切れぬが…」

気にしていない、と連呼されれば、何をそこまでと言わんばかりに軽く溜息を一つ。
自身も身長や体型については気にしている方だが、彼女の方は深刻そうに見える。とはいえ、そういうのが好きな男性もいるのだろうし、悩む事は無いとは思うのだが。

「そういうのが好きな男性もいるだろうし、人の好みも千差万別。お前ほどの力の持ち主が、その様な事で気を病む事もあるまい」

異能や魔術。個人の能力主義全開な己から見れば、彼女の悩みなどその実力の前には些細なものに思えるのだが。
寧ろ、何が不満なんだろうかと言わんばかりに首を傾げる。

柊真白 >  
君だって、例えば好きな女の子とか付き合ってる彼女とかに小さいって言われたら落ち込むでしょう。

(ナニがとは言わないが。)

それとこれとは話が別。
私の体は私の力ではどうにもならないし、自分の力でどうにもならないから悩む。
だからそれに関しては力があるのに、じゃなくて、力がないから、なの。

(自分の力でどうにか出来るようなことであれば悩む前にどうにかしてしまう。
 スラムから出たいのに出られない二級学生と同じような話だ。)

あと別に気にしてない。

神代理央 > 「……別に気にしないが。貴様とて、その様な事を言う様な男はパートナーには選ばぬだろう?」

是は、微妙に食い違いのある答え。
人を好きになった事が無ければ、仮定の恋人に何を言われたと仮定しても痛くも痒くもない。
彼女は、そういう気遣いの出来る男を選んでいるのだろうな、と思う程度。

「ふむ……?そんなものなのか。ふーむ…。能力や実力の前には外見など些細な事だと思うのだがな。そもそも、貴様は十分に整っているのだし」

今日一番の疑問符を頭に浮かべながら、それでも彼女の気持ちを理解しようと天井を見上げる。余り効果は無いが。

「……嘘は良くないと思うぞ。ぼそっと言えば流されると思うなよ?」

そこは、ちゃんと拾っておく。

柊真白 >  
尊厳の話。
別に私の恋人が実際に私のことをどう思ってるかじゃなくて、そう思われてたら、って話。

(相手がどう思っているか、ではなく、自分がどう思われているのかという話だ。
 他人の考えはわからないのだから、どうしてもそういう事を思う時もある。
 気にしてないけど。)

じゃあ能力とか実力とかと置き換えればいい。
君が仮に何の能力も持ってなかったら、って。

(その辺は価値観の違いというところだろう。
 自分にとっては大事なことだが、彼にとってはそうでもないというだけの話。
 だからこそ悩むのだが。)

嘘なんてついてない。

(いや悩んでないけど。)

神代理央 > 「ああ、成程。確かに、尊厳を傷つけられるのは私も好かないな。確かに、それは気分が落ち込むだろう」

彼女の言葉に得心したと言ったような表情を浮かべて頷く。
尊厳という言葉の例えが自分にしっくりきたのもあったのかもしれない。

「何の能力も持っていなかったら、勉学でも体力でも努力を――ああ、成程。それで努力してもどうにもならない事を悩む訳か。成程、理解した」

おお、と言わんばかりの表情を浮かべると、うんうんと小さく頷いた。

「だからこそ悩み、気に病む訳だな。成程、それなら理解出来る。気にするな、というのも酷であったな」

嘘なんてついていない、という彼女の言葉をスルーしつつ、しみじみと頷いた。

柊真白 >  
実際に傷付けられたわけじゃなくても、傷付けられるかもしれないだけで人って簡単に落ち込むから。

(悪気があっての言葉、というわけではなく。
 そういうことがあるかもしれない、というだけで気分は簡単に沈んでしまう。
 もちろん下向きだけじゃなく、上向きにも。)

君はもう少し相手の気持ちになって考えると言うことを覚えるといい。
そういう能力がないわけじゃないんだから、そうすればきっといい男になるよ。

(納得さえすればこうやって理解できるのだから。
 見た目は完全にこちらが年下だが、大人の余裕を醸し出して見せる。)

だから私が気にしてないと言うこともそろそろ理解するべき。

(嘘はついていないし気にしてもいない。)

神代理央 > 「そういうものか…いや、そういうものなのだろうな。人の気持ちなど、脆弱なものだ」

基本的に攻撃的な発言の多い自分は、さぞ人を傷つけている事だろう。元来の性格故か、はたまた教育によるものか。治すべきかなあ、と考えていたが――

「難しい話だ。他者の気持ちを慮るなど、力で捻じ伏せるより難しい。…だが、まあ。努力はしよう」

自分より小さな少女に投げかけられる言葉に、何時もなら「お前に言われたくはない」云々の言葉が出てしまっていたかもしれない。
その言葉を噤んだのは、彼女による教育の賜物なのかもしれない。尤も、彼女に向ける目線は若干生暖かいものではあったが。

「………此処迄話をしておきながら気にしていないというのは相当無理が無いか。寧ろ、素直に認めた方が楽になれるぞ。自分に正直になったらどうだ」

しかし此処は流さないし譲らない。

柊真白 >  
たぶん君にもそういうところがあるかもしれない。
もしそれで悩んだら、遠慮なくおばあちゃんに相談なさい。

(ぽん、と彼の胸板を右手の甲で軽く叩いておく。
 おばあちゃんの知恵袋は結構頼りになるのだから。)

君――に限った話ではないけれど。
まだ若いんだから。
見識を広めるのも大事だよ。

(そんな説教臭いことを話しつつ、荷物のそばにしゃがみこんで帰る準備を。
 ちょっと話過ぎて時間を使ってしまった。
 担当教師に報告に行かなければならないし、彼も警備の続きがあるだろう。)

大人には無理をしてでも建前で話さないといけないときがあるの。
だから、気にしてない。

(荷物をまとめて立ち上がる。)

神代理央 > 「…随分と若いおばあちゃんもいたものだ。貴様に俺が頼っては、主に見栄えが宜しくないのだがね」

実際、眼前の少女は頼りにはなるだろう。
問題は、この少女に己が頼っている様は、はた目から見れば幼い少女に頼る少年という図になってしまう事なのだが。

「心しておこう。おばあちゃんからのお説教を受けたくはないからな」

他者、というよりも己が持つ力への拘りが他者への共感を妨げているのかも知れない。難しい問題だな、と小さく溜息を吐き出しつつ、荷物をまとめ始めた彼女に合わせて此方も見回りのスケジュールを確認。

「……全く。そういうところは子供っぽいんだな。仕方ない。そういう事にしておいてやろう」

僅かに苦笑いを浮かべ、根負けしたという様に肩を竦めた。
そのまま部屋の出口まで足を進めれば、扉を開けて彼女の退室を促しつつ――

「…長々と捕まえてしまってすまなかったな。それに、無礼な事を色々と言った事も詫びよう。機会があれば、カフェで御馳走くらいはしてやっても良い」

別れる直前に彼女に告げたのは、一応謝罪の体を成してはいるがやっぱり高慢な言葉遣い。
とはいえ、それなりに悪いと思ってはいるのか甘いものを御馳走しようと言ってみたり。高慢な態度だけれども。

柊真白 >  
別に誰にみられるでもなし。
見た目だけなら似たような歳でしょ。

(一応自分の方が学年的には先輩だし、そこまで変というわけではなさそうではあるが。
 きっとそれも尊厳という奴だろう。)

よろしい。
子供は素直が一番。

(彼の後に続いて出口まで歩く。
 さりげなく扉を開けるような所作を見ていれば、やはりいいところのお坊ちゃんといった感じだ。)

そうしておいて。
――私も色々言い過ぎた。
気にしなくていいけど、君が気にするなら奢られてあげよう。

(彼が尊大な態度なのはいつものことだ。
 だからこちらもそれに合わせてちょっと高慢に返事。)

それじゃあ、お仕事頑張って。

(ひらりと手を振り、施設を後に。
 とりあえず、これで今年最後のテストもようやく終了である――)

神代理央 > 「…下らぬ男の矜持だ。それこそ、気にする事では無いのかも知れないがな」

先程迄自分が連呼していた言葉がブーメランの様に帰ってきてしまった。

「…余り子ども扱いされるのは、何というか…」

慣れていない、とは口に出せなかった。
口に出したら負けな気がするし。

「是非奢られてくれ。甘味なら、良い場所を知っている。
……ああ、有難う。それじゃあ、気を付けて帰れよ。柊」

手を振る彼女を見送って、自分は施設の次の部屋へ。
後に、施設の職員から随分と長い見回りだったねと不思議そうに尋ねられる事になり、胡麻化すのに幾分苦労したとか。

ご案内:「演習施設」から神代理央さんが去りました。
ご案内:「演習施設」から柊真白さんが去りました。