2019/05/04 のログ
アイノ > 「………痛い目の一つでも見るんだな!!」

両腕を振れば、トランプの暴風が彼女の周囲から、ごう、っと男にまで迫って飛ぶ。
果物がすっぱり切れるようなトランプを、ショットガンのように投げつけ、一発で終わらせようとする。

割と彼女は真面目に練習をしていたのだ。
弾丸も入っていない状態となれば、カチン、とも来る。

ただ、相手が発砲する気があるならば、ガードも固めなければいけない。
更にふわりふわりとボードが浮き上がって、狙いを定めにくくするように。

佐藤重斗 > 「ちょっとタンマァァァァ!」

もし当たっても大丈夫な様にゴム弾をリロードする。
それと並行して体を横に投げ出して転がる。
相手から見たら無様なことこの上ないが、背に腹は代えられない。

何発か体にくらったが、まだ許容範囲だ。
…風紀委員の制服で助かった。この防御力がなかったら終わってた。
風紀委員会様様だ。

ワルサーの撃鉄を上げ、少女に向けて今度こそ発砲する――!

アイノ > 「ふん、………当たったか。」

空中で小さく笑いながら、身を屈めてカードの嵐から身を隠す相手を悠然と見下ろす。
厚手の衣服を身に着けているのか、まだ抵抗をする気らしい。

「………へ、当てられるかい!」

カードを狙いを定める相手にぶつけるように大雑把にコントロールしながら、空中ですすす、っと横に移動する。
本来なら、もっとすばやく移動して、空を飛び回ってやりたいのだが、流石にそれは無理。

相手が素人であると踏んで、なんとか横移動でかわそうと試みる。

佐藤重斗 > パン!!

拳銃の発砲音が響き渡る。
使った銃弾は拳銃用。50口径はゴム弾でも危ないからな。
しかしそんな気遣いも何のその。
銃弾は少女の横を通り過ぎていった。

「チッ…!」

当たらなかったことに舌打ちする。切り替えろ。
リロードをしつつ前へ。

飛んでくるトランプの隙間を縫う様に走り抜ける。
何とか飛んでいる真下に潜り込みたい。

アイノ > 「私の下は安全だと思ったかい。」

突っ込んでくる相手に、フゥン、と笑う。
本気で全部をさらけ出すわけにもいかない。
ただ、素直にやられるわけにもいかない。 どっちもこなさなきゃいけないのが天才のつらいとこだ。

「……残念だけど、台風の目みたいな優しさはこの私には無くてね!」

安全かと思われたその場所も、カードが舞い込み。
回転するカードが布をあっさりと引き裂き、地面を削り。

真下にいる相手に、容赦のない用に見えて、わりと容赦のある攻撃を続ける。

佐藤重斗 > ああ、良かった。
相手は俺が安全のために真下に来たと思っているらしい。
なら、予想外だろ…!

ポケットから大量に弾薬を取り出し、少女に投げる。
それなりの速さで飛んでいくが避けるのは容易だろう。

周りから飛んでくるトランプをくらいながらも出来るだけ我慢する。
これ、手加減してくれてるんだろうなぁ。情けないなぁ。
でもあと一手。あと一手で一矢報いてやんよ…!
先輩の意地、見せてやる。

アイノ > 「埒があかねえ。」

ボードの上で腕を組んで、少しだけしかめっつら。
これ以上はルール的にまずいし、かといって相手が諦めないものだから終わる気配がない。

「……ったく、余計な真似を……」

なにかを投げて来るのは見えるから、また横にするすると移動して避ける。
ああもう、早くスムーズに空を飛べるようになりたいもんだ!

「ギブアップして隣の部屋に行くなら終わらせるけどー?」

なんて、ひょい、と頭を覗かせて口にしよう。
ケヒヒ、と悪の笑みがつい出てしまう。 癖だなこれ。

佐藤重斗 > 少女の言葉に不敵に笑い、魔術を使う。
俺の使える魔術は発火ただ一つのみ。
発火は対象を燃やす魔術だが、俺に出せるのは火花のみ。
でもな、後輩。応用はいくらでもできるんだよ…!

「 Fire!」

少女が避けた大量の弾薬。その火薬を発火させる。
銃弾とは火薬を爆発させ弾を発射するものだ。
つまり火薬を発火させれば、威力は大幅に減少するとはいえ、
銃弾が、四方八方に飛び散る――――!!

アイノ > 「っと、ぉっ!?」

爆竹が弾けるような音とともに銃弾が飛び散って。
投げただけの弾薬が四方八方に散れば、空中で身を捻り、ボードで受け止め。

『ボード』を浮かせていただけの少女の体は空中で投げ出されて、2階ほどの高さから地面にバウンドして、転がって。
そのまま跳ね起きて身構える。

「………バカかよ、私じゃなかったら下手すりゃ死んでるぞ。」

左の腕とお腹が熱い。銃弾が当たったかかすめたか。右手でお腹は押さえておく。
銃弾の当たった箇所は熱いし、落下したせいか全身は痛い。だからもう一度唇の端を持ち上げて笑ってやる。
顔だけは庇った。美少女だしな。

「どっちかといえば好きな戦法だけど、……自分が安全な場所からやるもんだ、そゆの。」

肩をすくめる。……こんなもんだろ、なんて勝手に中断を申し入れて。

佐藤重斗 > 「そっすね…。」

少女のごもっともな意見に頷く。
飛び散った銃弾が身体に命中し、意識を保ってるだけでつらい。
倒れそうなところを根性で繋ぐ。

…ていうか投げたのゴム弾のつもりだったんだけど?
俺、実弾投げてたの?

あっぶねぇなぁぁぁ!
美少女に何かあったらどうすんだ、お前!
切腹ものだぞ、お前!

一先ずは目の前の少女を治療しなければ。
美少女はこの世の宝なのだ。

「とりあえず治療してやるよ、後輩。
痛かったろ?ごめんな。」

優しい笑顔を浮かべ、何でもないように歩きながら。

アイノ > 「いいよ、別に。
 治療は自分でなんとかなるし、喧嘩を売ったのはこっちだろ、先輩。」

ヒヒ、とまーた悪そうに笑いながら肩を竦めて。
治療を受け入れる気はないのか、背中を向ける。

「いいんだよ、勝ったにしろ負けたにしろ。
 ここは訓練をする場所だろ。
 天才かつ美少女と密室でスポーツができたんだから、それだけで満足しとけよ、先輩。」

んべ、と舌を見せて、軽くウィンクして。

「ただ、訓練で謝るのは正直、デリカシーねーぞ。」

ズバリとそれだけ相手に投げておく。
あとで片付けるわ、なんて言いながら扉を開いて。

佐藤重斗 > 天才…か。
非才で非力、凡人を極めている自分とは真逆な存在だ。
凡人の俺と、天才な彼女。
何とも奇妙な模擬戦もあったもんだ…。

「じゃあな!天才!
次は手加減させねぇぞ!」

異能はなく、魔術も落ちこぼれ、特殊能力なんて以ての外。
そんな凡才でも戦っていこうと。

そんなことを思いながら天才美少女の背中に声をかける。

ご案内:「演習施設」からアイノさんが去りました。
ご案内:「演習施設」から佐藤重斗さんが去りました。