2019/05/06 のログ
アイノ > 「……よし、いい感じだ。」

2階ほどの高さまでふわり、ふわりと浮遊すれば、少しだけ口元をゆがめる。
先日思い切り5mくらいの高さから転落したから、ちょっとだけ膝が震えるけれど。

その膝をばしん、っと自分で叩いて気持ちを入れる。

「………ボードの素材をもっと硬いものにしたら、割と戦闘にも耐えられるかな。」

自分の身体まで浮いているわけではないから、バランスを取らないとひっくり返ってしまう。
ひっくり返らないように少しだけ注意をしながら、まずは前と同じように少しずつ空中を滑り始め。

アイノ > 「どわぁっ!?」

バランスを崩して宙づりになれば、Tシャツが捲りあがってお腹まで見えてしまう。
ぷらーん、と、空中のボードに足だけを固定されて宙づりにされ、ツインテールを更に真下に垂らす謎のオブジェと化して。

「…………くっそ、ある程度の速度出してないと、これ戻れないな。
 ………どうする?」

うーん、と唸りながら、よいしょ、っと腹筋の要領で身体を持ち上げようとするが、宙づりのままなかなか回復できず。
そのうちシャツがめくれあがっていろいろ見えてしまいそうだし、悔しそうにしながら少しずつ高度を下げる。
流石に下着曝け出して空に宙づりになっていたら笑いものどころではない。

ご案内:「訓練施設」に宵町 彼岸さんが現れました。
宵町 彼岸 > いつの間に入ってきたのか、上空で四苦八苦する姿の真下に
三角座りでじっと見上げる人物がいた。
その横には2mに迫ろうというサイズの、
黒い喪服のような衣装に身を包み、仮面をつけた人形が立ち尽くしている。

「……そーらもじゆうにーとーびたーいなーぁ?」

見上げている不審人物は此方を見下ろす視線に気が付くと
にへらっと笑みを浮かべながら長い袖ごと小さく手を振った。
真横から見れば色々丸見えだろという恰好なものの
本人は気にすることなく、面白そうな表情で中空のヒトコプターを眺めている。

アイノ > 「ちぇー……」

逆立ちのような恰好で着地できれば、ふー、っと溜息を一つ。
思い通りには世の中なかなかうまくはいかない。
自分の力を更にうまく使いこなすには、もっともっと練習と具体的なイメージが必要だ。
あーもう、ブラもつけてないから全部丸出しになりそう。
なんて、必死にシャツを押さえていれば……。

「……………」

視線が合った。

「これで回ったら私吐いて死ぬぞ。」

ツッコミを冷静に入れながらも、リクエスト通りゆるゆると錐揉み回転も入れながら、お腹丸出し手で押さえた金髪ツインテールが空から降ってくる。
押さえてないと胸まで見えるこれ。

「………で、何してんの、……って、訓練しかないよな、多分。」

まだ手はつかないものの、視線が揃うくらいにまでの高さに降りてくれば、その人形と彼女を交互に見て。

宵町 彼岸 > 「えー、まわらないの?
 ブレイクダンスの要領で回ればきっと立派なコマになれると思うんだーぁ?
 飛べるかどうかは別として」

スーパー無茶振りしつつゆっくり回りながら降りてくる姿を楽しそうに眺める。
視線を外さないまま横の人形に手を伸ばしトンっと指先で突くと
とぷんという水音のような音を残して掻き消える様に人形は姿を消した。
その場に残ったのは色々丸出しの一人と色々丸見えの一人。

「なにしてんの……?うーん、何してるんだろぉ。
 何しようとしてたか君は知ってるぅ?ボク忘れちゃった」

言葉と共に目が合うと、ぬぼーっとした何処か夢見がちな表情のまま首を傾げた。
実際のところ面白そうなのがいる―。という理由で眺めてたので
それを見つける以前に自分が何をしようとしていたのかもうすっかり忘れてしまった。
まぁ思い出さなくてもなんとかなると思う。たぶん。

アイノ > 「いやいや、本当に吐くって。 さかさまになってなおかつ回転って体操選手じゃあるまいし。」

それに対していやいやいや、とツッコミを入れつつ、相手の人形が消えるのを目を細めて見やる。
何かを召喚するタイプか、なんて相手を見極めようとしながらも、……さかさまになってお腹丸出しでは格好がつかない。

よ、っと両手を地面につければ、ずきん、と怪我をした左腕が痛むけれど。
それはそれで無理やり我慢して、がたん、っと身体の上下をひっくり返し、地面にボードで着地し。

「……いや分かるわけないだろ!?
 ……………ここは訓練施設だけど、まあ、覚えてねーってことは散歩か何かか。

 …えーっと、私はアイノ。アイノ・ヴィーマ。
 ついこの間やってきたばかりの新入りだけど。 先輩だろ?」

恥ずかしいかっこを見られたのだから、猫を被らずにいつもの口調で尋ねてみる。

宵町 彼岸 > 「成せばなるって偉い人が言ってたよぉ?
 偉い人は適当なこと言うのが大好きだから仕方ないよねぇ。」

独りで言って一人で納得。
完全に傍から見るとヤバイ人。
そんななりでも相手が地面に腕をついた際に僅かに目を細め首を傾げる。

「……まいっかぁ」

それもつかの間、またふわーっとした雰囲気に戻ると
思わずといった風に突っ込まれた言葉に逆側にかくんと首を傾げる。
どうにも真っすぐ首が据わる事がなかなか無い。

「せんぱい…せんぱい?
 うーん、たぶん……。
 散歩とかそういう感じだと思ぅ―……」

たっぷり数秒固まった後物凄くふわっとした答えを返す。
自分の名前なんだっけ……となるのは最早お約束。

「んーと、とにかく、あーのちゃん、でいーのかなぁ。よろしくねぇ
 ボク直ぐ人の顔忘れちゃうから顔見てもわからないかもだけど……
 その時はごめんねぇ」

間延びした声で謝りつつ手を差し出す。
といってもその手はオーバーサイズのパーカーの袖に包まれていて
掴みにくいことこの上ないだろうけれど。

アイノ > 「いや先輩だろ!?
 何、いや、ちょっと待って。 あーのでいいけど。」

頭痛がしてくる。
自分の額を指で押さえながら、相手の答えにうううむ、ううむ、と唸って。

「別にいーよ、でも私みたいな美少女の顔、見忘れるもんかねふつー。」

ただ、相手の言葉にはやはり圧倒的自信で言葉を返す。
この言葉が届くかどうかは別にして。

「………散歩かどーかもわかんねーし、先輩かどうかもわかんねーと。
 この島は広いな。広すぎるな。」

自分の認識の外を突いてくる人が多い気がする。
頭を抱えてふー、っと溜息をつきながら、今だ名を知らぬ先輩らしき相手に、頭をかいて。

「ええい、畜生。 ………帰り道とか自分の家とかは分かるのかよ。」

どうしても放っておいて帰れなくなって、そんな甘い自分に悪態をつきながら顔を上げる。
いざとなったら自分が連れて帰らねばならないかもしれない。
だぼだぼの衣服ごしに手を握ろうとして。

宵町 彼岸 > 「うん、先輩ってことで多分オッケーだよぉ。
 多分だけど!」

謎の自信で言い切りつつ笑みを浮かべる。
実際のところ後輩ではないのだから多分大丈夫といっておこう位の緩い理由。

「んー、人の顔って醜美が分からないんだよボク
 センスが無いのかもぉ。あははー」

美少女なのは否定しないが美少女って何だっけという根本的疑問が発生していた。
いや、確かにこうしてみる整った顔だとは思うのだけれど。

「まーほら、ボクの事なんかどーでもいいと思うの。
 だいじょーぶそのうち誰かが連れてってくれるからぁ」

……実を言うと住所も怪しい。
彼女は知らないが風紀委員の中ではもはや
保護対象としてお約束になっているため
風紀委員は彼女を見つけるととりあえず連れて帰る事になっている。

「……腕痛いの?」

手をつなぎ、緩く振った後首を傾げると
そのままとても弱い力で引き寄せようとして。

アイノ > 「多分かよ。」

この時間だけでもう一日分ツッコミを入れてる気がする。
しかも美少女だ、っていつも通りいってみたのに、それまでするりと避けられて思わずズッコケそうになる。

「わかるだろ!? いやそこはわかったとかせめてツッコミ入れるとこだろ!」

いやまあこのツッコミも宙に浮いて消えるのだろうけれど。
はーー、っと溜息をつきながら、ツインテールの頭をがしがしとかいて。

「……とりあえず学生課にでも連れてけばわかるだろ。
 偶然私もこの後用事があるから、道もあやふやだろうし、一緒に行ってやる。」

用事は無いが、そこはそれ。
心配だから一緒に行くなんて恥ずかしくて言えないし、一緒に行ってあげる、なんて押しつけがましいことも言いたくない。
テンプレみたいな言葉になっちゃったけど、どうせそういうのは分からんだろ、なんて思いつつ。


「………いいや?」

引き寄せるその手を僅かに離す。
戦闘においては子供じゃない。 己の状況をできるだけ相手に悟られない様には動いているし、どんなに調子が悪くても態度も姿勢も変えない。

確かに、あの間の抜けた空間で気が緩んでいたこともあるが、一瞬のことで見抜かれ、僅かに警戒の色を見せる。

宵町 彼岸 > 「ほら、この世界で確かな事なんて何一つないっていうじゃなぃ?」

ケラケラとツッコミに対して笑い声を響かせる。
なんと言うかこの子は表情がころころ変わって面白い。

「わかったー。こんどからそうするねぇ」

今度が来るかどうかはともかく。
困ったような眼前の相手とは対照的に
此方は全く困ったような様子を見せず、朗らかに笑っている。
多分何を言われても楽しいのだろう。

「そっかー」

いいやという言葉にはあっさりと納得を返す。
別段真実には拘って言う無いというのもあり、
相手が違うというならそうなのだろうと一人で納得。
それに、今のこの躰では引き留める事などできないわけで。
……先程の力が今出せるほぼ限界だと知れば驚かれるかもしれないが。

「ふふー、やさしーねぇ。
 一緒に行ってくれるの?ありがとぉ」

そのまま相手の警戒には一切気が付いていないような
蕩けるような笑顔を浮かべてみたりして。

アイノ > 「それで纏めんなよ! 私の美醜をあやふやで終わらせんなよ!」

空を切ることは分かっているツッコミを入れながら、ぜーぜーと吐息を荒げて。
どうしても口が出てしまう。
すっかり美少女の顔ではなくなっている、くそう。
相手がころころと笑っているのを見れば、溜息をついて肩を落とし。

相手が傷のことについて突っ込んでこない。
どうやら、観察力があれど、特にそれで何かをしたい、でもないらしい。 少しだけ安堵の表情を見せながら、肩を竦め。

「同じ方向に用事があるって言ってるだろ。
 偶然だよ、偶然。」

ふん、と鼻を鳴らす。
我ながら自分で言ってて恥ずかしくなる。

「ほれ、行くぞ。
 訓練場に忘れ物とかしてないよな。
 ………いや、いい。何も無いか私が探す。」

相手に忘れ物を尋ねてもきっと意味がないことに自分で気が付けば、あー、と唸る。
放っておくことができずに、結局訓練場から廊下から、何か持ち物らしきものが無いか探しながら学生課まで歩いていくのだろう。

用事? 散歩だよ散歩!!

ご案内:「訓練施設」からアイノさんが去りました。
ご案内:「訓練施設」から宵町 彼岸さんが去りました。