2019/05/14 のログ
■アイノ > ふー……。
すー……。
大きく腕を開いて吐息を深く吸い上げて、一気に吐き出す。
今日は自分の力の訓練。
大きなことをする前に、自分の力をコントロールすることに力を注ぐ。
目の前には履いていない靴が一揃い。
靴紐は解かれ、2本隣に置かれていて。
集中して凝視すれば、その靴紐が浮き上がり、靴の穴にするりと入り込んで。
複雑なコントロールを、ひたすら集中をして行う。
金色ツインテールの少女は、今日は飛んだり跳ねたりはしない訓練中。
■アイノ > 手を使わずに靴紐を縛る。これは、できるようでなかなかできない。
まず空間把握という視点から、細いものを縛ること自体が難しいのだ。
靴紐の穴は穴で小さいし、無理やりねじ込むくらいのパワーがいる。
彼女の能力はパワーという意味では申し分のない出力はあるのだけれど、細かい操作はどうしても苦手だった。
それが必要ではない環境にあったのもあるが。
「………よし。」
きゅ、っと紐を縛り終えれば、膝に手をついてふー、ふー、っと荒い吐息。
汗をぽたぽたと垂らしながら、唇の端を持ち上げる。
■アイノ > 課題を自分で見つけて、自分で解決して、更に高みを目指す。
純粋に能力を高め、強くなりたいと願う思いはここに来ても変わらない。
次はダーツだったか、それともフリースローだったか。
手を一切使わずに、集中するだけで様々なことをこなす彼女は、今日もきっと帰りは遅くて。
ご案内:「訓練施設」からアイノさんが去りました。