2020/06/16 のログ
ご案内:「訓練施設」に九々端 栂さんが現れました。
■九々端 栂 > 射撃場/シューティング・レンジ。
それらしいやや広めの室内にいくつかの的が用意されている。
イヤーガードにバイザー。手ぶらの女子生徒…栂はいくつかの設定を済ませ
射撃ポイントの前に立ち、深呼吸。
「すぅ…。」
目を細めて、何かを待つ。
■九々端 栂 > 『ピッ ピッ』
無機質な電子音。先ほど設定したカウントダウンのタイマーがなり始める。
1、2、3…
音が聞こえ始めると、彼女は構える。
4、5、6…
右手の人差し指を標的/ターゲットに向けて、指鉄砲の構えに。
7、8…
肩の力を抜く。リラックスして、視線と親指の先に標的から少しずれた場所を見据え。
何度もやってきた、慣れた訓練だ。基本的にはいつもの再確認に過ぎないと、感じる。
9。
『ピーーー』タァン!
最後の電子音とほぼ同時に発砲音。
栂の手にはドイツ製の22口径小型拳銃がいつの間にか握られていて、硝煙をたなびかせていた。
■九々端 栂 > 『キロク 0.01』
装置が測定結果を出す。
異能で生み出された弾丸は標的の中央に着弾していた。
同じく異能で生み出した拳銃を見つめる。
とりあえずは及第点、といったところだろうか。栂は自らに問う。
いつからこの異能が発現したかについては、はっきりとした自覚はない。
もしかしたら生まれてすぐにでも持ち合わせていたのかもしれない。
「その時に気づかれていたら、あるいは…どうだろうな。」
学園には馴染めているだろうか。
どうにも、わずかな違和感がぬぐえない。
それは…目指す先とでもいおうか。
■九々端 栂 > くるりと拳銃を回す。
異能で出したものは即座に消え、入れ替わるようにくるりと飛び出すのはポンプアクション式のショットガン。
ピストルグリップに短銃身とブリーチャー・カスタムはくわえられているが、
ベースは狩猟用としても流通しているメジャーなモデルだ。
銃把を握り、両手でスムーズに構える。
ハンドグリップを引いて内部構造が作動し、薬室への給弾と射撃準備が整ったのを感じる。
必要のない作業ではあるが、構造をきちんと理解しているからこそ把握できる部分なのだろう。
「…必要なのかは、知らねえケドな。」
トリガーを"引かず"に、ハンマーを落とす。発砲音。
弾薬/ショットシェルの雷管を叩き押し出されたスラッグショットは正しく標的の中心に吸い込まれた。
■九々端 栂 > くるりと散弾銃を再び回して消す。
出したり消したり、が自在なのが栂の異能だ。
手元から離れてしまう分についてはそれなりの釣り合いが必要にはなるが、出し入れは自在。ただし…
「よーく知ってなきゃだせねェ、って制限がな…。
なんでも出せる、ってわけにゃいかねえンだろうケド。」
それでも強みはいくつかあるし、それを自覚してもいる。
うまく使えば切り札にもなる。便利な異能なのだ、確かに。
「…でもなぁ。学園じゃ役にたたねえンだよな。」
そう、治安がいいのだ。
わざわざこんな異能を使う機会なんてそうはない。
仕事でどうしても銃が必要なら持ち歩けば済んでしまう。
バイザーとイヤーガードを外し、測定機器の設定をクリアにして
帰り支度を始めた。
「異能の学園、なぁ…。魔術はまぁ面白いンだが。」
入学してまだ数か月。栂は行儀良くしているのも限界かもしれないと、感じている。
ご案内:「訓練施設」から九々端 栂さんが去りました。