2020/06/22 のログ
ご案内:「訓練施設」にアルフリートさんが現れました。
アルフリート > ええっと……それでここの設定が……

(施設を管理してる人に貰ったマニュアルのページと睨めっこしながらぽちぽちとコンソールのメニューを一本指打法で入力していく。
 身体を鍛える事は毎日欠かしていないがここ最近精霊の力を使っていないのでなまらないだろうか…と心配していたところ知人にここを紹介してもらったのだ。
 ついでに運動するために必須、と持たされた小豆ジャージを身に纏い訓練の準備を進めていく)

ええっと難易度は……
(文字翻訳機能付き眼鏡の位置を指で調整しながら画面とマニュアルを交互に見やる。
 やさしい、ふつう、ハード、ベリーハード、マニアック、ナイトメア、ごんぶと
 なかなか上に刻むタイプであるらしい。
 とりあえずふつうをぽちりと訓練用フィールドが用意されるのを待つ)

アルフリート > ……来い

(心臓に右手を添え、ぐっと拳を握ると中に光があふれグリップが出現する。
 それを掴み引き抜いていくと胸に灯った光を境界面として一本の剣が姿を現わす。
 幅広で真っ直ぐな刀身を持ち、鍔から根元に向けて羽を広げた竜の意匠を持つ両手剣。
 これぞ魂を鞘とする騎士の象徴たる武器、精霊剣)

やっぱり……少し重いな
(精霊が物理法則を成り立たせなくするほど世界に満ちていた故郷とはやはり感覚が違う。
 言葉には出来ない何かが足りないような感覚
 手の中に納まる重量は変わらないはずなのに感じる重さ。
 そのズレを補正するためにすっと目を細め剣を構える)

ご案内:「訓練施設」にシュルヴェステルさんが現れました。
シュルヴェステル > (訓練施設の中を早足で歩き去ろうとして、
 ふと目に止まった――直感的ななにかか、もしくは、それに準じるなにか。
 この世界「らしくない」、この世界で触れることのなかったような雰囲気に、
 異世界からやってきた異邦人の青年は、はたと歩みを止めた)

……剣使いか

(短く呟き、この学園にやってきて初めて見た“剣使い”を見る。
 異能やら魔術やらと、徒手空拳のまま超常を振るう者は少なからず見た。
 が、自分の故郷と近しいような――『見える牙』を持つ者を見たのは、初めて)

(しばらく、その訓練のさまをじっと見つめることだろう。
 声は掛けず、遠巻きにじっと視線だけ向け続ける。有り様を伺うかのように)

アルフリート > (音も無くターゲットドローンが出現するとまずは打ち込んでみろとでも言うように空中で動きを止める。
 なるほどと頷くと無造作に足を踏み出す。
 その動きに体幹、腕を連動させ一閃。
 ギン!と鋭い音を響かせドローンが真っ二つに別れ落ちていく。

 それを確認して挑戦する資格ありと認めたのか今度は一度に三つのドローンが出現する。
 それらが順番に一つずつ飛来するのを危なげなく、一つの動作の終わりを次の始点へと滑らかに繋ぎ切り捨てていく。 僅かに感じていたズレも身体を動かすうちに今の感覚へと同調させていく)

(研ぎ澄まされていく感覚、やはり鍛錬はいいと心地良さを覚え……
 次のドローンを待つ合間に一瞬チリっとした物を感じ、軽いステップを刻みながら視線を向け……
 視線の主の正体がただの観戦者である事を確認すれば軽く目礼を送る。
 これが故郷であれば不意打ちに対応する訓練として一発ぶち込まれていたところなのでちょっと過剰反応してしまった。)

シュルヴェステル > (ドローンの出現にこちらの青年は驚いた。
 目を大きく見開いてから、ごくりと生唾を飲む。
 スマートながらも体重の乗った剣戟に、時折「ほう」と呟きながら。
 
 視線が送られれば、やはり同じように目礼を返し。
 暫しの観戦を終えて、適度な頃合いを見計らってジャージを着た金髪の青年に声を掛ける)

貴殿は異邦の戦士か。
……覗き見る形になってしまった非礼を詫びたい。失礼を。
少しばかり興味がある。手間は取らせないつもりだ。……話をさせてもらっても?

(伺うようではあるが、半分以上断定的にそう問いかけて。
 適当に買ってきたであろうミネラルウォーターのペットボトルをコンソールの傍に置いた)

アルフリート > 判った。じゃあ切り上げてしまうから少し待ってくれ
(さっと手を振りジェスチャー入力で次でラスト、とシステムに合図を送る。
 ハンドサインは騎士時代に散々叩きこまれたので覚えるのは得意だ。
 そうして出てくるサイズが大きくごつごつとして頑丈そうなドローンに対し剣を真っ直ぐに構え)

【その切っ先に乱れ無く】
(剣に宿る精霊に『宣誓』を行う。
 言葉を誓いとし、それを守る限り力を貸し与える精霊剣の力の一つ。
 刀身に雷光を纏い、残光を残しドローンを切り捨て……残心を経て剣を光へと返し無手になる)

お待たせしました。っといや、むしろ目を引く事が出来た事を誉れに思おう。
そういう貴方も戦士…で、いいのかな?
(軽く腕で汗をぬぐい、改めて男に視線を向ける。
 見ただけで実力を見抜くほどの眼力は無いが、おそらく同類であろうとあたりを付けて)

シュルヴェステル > (「すまない」、と今度は丁寧に腰を折った。
 一歩、二歩と近づいてから、適当に施設内の椅子に腰を下ろす。
 足を組みながら、組んだ足の上に頬杖をつく。
 どうにも偉そうであるが、その目線は真剣にアルフリートの一所作一所作を追っている)

……ことば?

(初めて見る行為であった。
 戦いの場に於いて、言葉があったことなど一度もなかったが故に。
 雄叫びに唸り声、息を吐く音だけがいくさばにあった男は、目を瞬かせた。
 そして、光へと還る剣にはまた再び目を丸くする。)

ああ。……戦うもの。いくさばにあるもの。私も剣を持つもの……だった。
……いまは、それを持たないが。貴殿の剣は魔術かなにかだろうか。
光へと還る剣など、見たのは初めてだ。実に目を惹く。

(不思議そうな表情を浮かべながら、軽く頷く。
 両手が空であることを示してから、先刻のアルフリートの剣の形をジェスチャ。
 フードの下のキャップを少しだけ持ち上げて、視線を彼の海色の瞳へと向ける)

アルフリート > (彼の一見尊大に見える態度にも視線をやりはすれど特に悪感情を抱く事無く大した反応はみせない。
 自分も何か、と備え付けの自販機に小銭を入れるとスポーツドリンクを購入し、向かい合う椅子に腰を降ろす)

なるほど、視線を強く感じるはずだ。
俺もこっちではただの学生、戦いに縁は無いはずなんだがどうにも身体を動かして居ないと落ち着かなくて。
ん?ああ……そうかアレは珍しいのか……馴染みの無い人間に上手く伝えられるかどうか判らないが、大精霊に授かった剣だ。
消えたんじゃなくてここに収まっている。
(過去形で自分のことを口にした事には一瞬視線を揺らがすが結局言及はせず
 精霊となじみの薄い人間が多いこの世界ではどう説明したものかと言葉を選びながら、最後にここ、と自分の胸を手のひらで叩いて)

シュルヴェステル > (少しだけ笑いの色を滲ませて、「ああ」と頷いた。
 どうやら説明はわかりやすかったらしい。
 そして、やはり思ったとおりに異邦のもので、「こちら」のものではないらしい)

私も同意する。
ただの学生といえども、一度でも戦場に立つことあらばそうもなる。
戦士は、どこにあったとしても戦士に違いない。

(自分と似て非なる相手。
 どのようなものであれ、剣を振るうものとわかれば気安いらしく、)

……ああ、噂に聞く。
剣には選定が伴うという御伽噺を聞いたことがあるが、それか。
選定剣には馴染みこそないが、知らぬ話ではない。そうか、貴殿は騎士か。
して、その剣は。

(幾ばくかの戸惑いを経ながらも、少しの遠慮を添えて)

折れることは、あるのか?

アルフリート > 鍛えないと自分も死ぬ、その後ろに居る人たちも死ぬ。
そんな生き方をしていたら剣を振るわないほうが落ち着かなくなる。

(こちらの平和な日常を送っていればあまり共感を得る機会はなく
 久々に交わせる戦いに身を置く者の会話に親近感を覚え言葉も少し柔らかな力の抜けた物へと変わっていき)

ああ、秘境に住まう精霊に力を示し授かる精霊剣、その中でも大精霊に属する竜に授かった剣だ。
これを振るい民を守るために戦った。
(誇らしげに笑みを深め、胸に添えていた手を軽く握り。
 続く言葉には軽く目を見開き……)

この心が折れた時には。
(そんな日は来ないと自負を込め口の端を吊り上げ深い笑みを浮かべ返す)

シュルヴェステル > 竜のつるぎ、か。

(やはり異邦人同士であったとしても、その全てが異文化。
 異なる世界の異なる剣であったとて、どうやら背負うものは同じらしい。
 相槌を挟みながら、ペットボトルのミネラルウォーターを嚥下する)

魔術か、もしくはそれに準ずる祝福か。
興味深い。……が、どちらかというのならば呪いか。
その心折れるとき、剣も伴って折れるというならば、祝いというより呪いに思う。

(腕を組みながら、視線をアルフリートの胸元に向ける。
 先刻、剣を引き抜き、その身体が鞘である身をじい、と見つめてから)

祝福を持たぬ者は、戦場には立たぬのか。
貴殿のいた世界の戦は、誰がための戦であるのだろうか。

(敢えて祝福、と言い直してから。真剣そうに問うた)

アルフリート > (故郷であればこの力は大なり小なり持つもの、当たり前だと思っていたものを異なる視点から感想を口にされれば興味深そうに頷きを繰り返し咀嚼していく)

なるほど……そういう事は考えた事はなかったな。
戦うために振るう力のうちでは精霊剣は最強の力。だから必要とする……という感覚だったからなあ……。

精霊と親しみ魔術を使う人間も居たけど、最前線って意味だとそうなるな。
誰のためか……って聞かれたら皆のためと応えるしかないな。
人は森の恵みに生かされ、森の奥から這い出る魔物に脅かされる。
誰かが剣を執らないと生きる事も難しい……でも、あえて俺の言葉で言うなら、剣を持たない戦いをする皆のため、かな
(剣を振るうだけでは人は生きていけない、何かを生み出し人の営みを守る戦いを続ける皆のためだろう、と)

シュルヴェステル > (すまない、と一度置いてから数拍の間をとり)

もし心が折れたときに――ああ、いいや。
この『もし』は貴殿に失礼であることを承知で申すが、
絶対に勝てないと悟った相手との戦を迎えることがあらば、……。

(そこで暫くの逡巡を挟んでから、難しそうな表情を浮かべる。
 そして、はっとしたように顔を上げてから、納得したように肩を竦め)

戦士でなく、勇士か。
失礼した。……そうか、同じもの同士で争うことは、ないのだな。
であらば、貴殿は勇士である限り、この『もし』は不成立となるのだろう。

(異なる理の下で剣を振るうものは、同じ剣士でもその中身は違う。
 ため息交じりの感心の吐息。そして、改まって一度立つ)

失礼した。私はシュルヴェステル。異郷のもの。
勇士、名を問うても構わないだろうか。

アルフリート > そうだな……俺一人で絶対に勝てない相手なら
逃げよう、脅威を持ち帰り勝てるだけの対策を用意しよう。
どうしても立ち向かうしかないなら、そうだな、他の誰かが勝てるように繋ぐとしよう。

(気負うでもなく、投げやりになるでもなく。そうなれば自分はそうするだろうと穏やかに言い切る。
 騎士となる道に足を踏み入れたとき、そして大精霊に覚悟を見せた時に心構えは固まっている。)

む、そう言われると少しくすぐったいな……。
騎士の道を選んだ者同士が争う事は無いが、人と戦う事もあったよ。
(故郷では騎士と戦士は生き方であるが勇士は生き様を言う。
 尊敬すべき名で自分が呼ばれると流石におさまり悪く困ったような表情を浮かべて)

ああ、失礼……アルフリート・フィン・アステリオだ。
こちらこそよろしく、シュルヴェステル。
身体を動かし自分を見つめなおしてなんだかすっきりした。
(同じく席を立ち心臓の上に手を置きながら軽い礼を。
 ここに来た時どこか大地を踏みしめていない感覚があったが、今はどうやらしっかりと踏みしめられているようだ)

シュルヴェステル > (静かであれど、その言葉はたしかな重みがあり。
 キャップを深く被ったままの青年は、ほんの僅か、目を細める)

そうか。
……逃げ、対策を講じる、か。
ははは、はは。 ……それは、それは。

(血色の双眸が、アルフリートを伺うように白い前髪の下から覗き、)

それを選択することができるのであれば。
……貴殿は、実に、頭がいい。利口な勇士だ。して、何よりも正しい。
アルフリート・フィン・アステリオ。貴殿は、……おそろしく、つよきものなのだろう。

(笑い声を滲ませてから、失礼、と一度その色を塗り潰し。
 “逃げるなど、戦士の恥である”と御旗を掲げた、退路ひとつなき異郷の戦士は。
 その有り様を真っ直ぐに見るには、自分を笑わねば耐え難き痛みを伴った。
 そして、くるりと踵を返し)

学園でも、どうか良しなに。
手間を取らせて、済まなかった。では。

(“戦う”以外の選択肢を持たぬ戦士は、騎士に背を向け。
 少しばかり早足でその場を辞し、剣の一つも持たない両手を強く握り込んだ)

ご案内:「訓練施設」からシュルヴェステルさんが去りました。
アルフリート > ……どうかな、でも強くありたいとは思っている。
故郷の強さと、この島で必要とされる強さはたぶん違うだろうから、そこからだけど。

(ここでは剣を振りかざし敵に立ち向かうだけではダメなのだろう、と理解はしている。
 では自分はどうすればいいのか。それが見出せないのは異邦人ゆえか、未熟ゆえか、それすらも判らない
 先ほどまでとは違う重みを感じる言葉に問いの言葉が口をつきそうになるが、未だ触れるには深い場所にある気がし、ぐっと飲み込んで)

ああ、また
(いずれまた会う事があればそれが縁だろうと見送り、自分も立ち去る事にした。)

ご案内:「訓練施設」からアルフリートさんが去りました。