2020/07/16 のログ
ご案内:「演習施設」に東雲 七生さんが現れました。
■東雲 七生 > 「んー、どうにも最近鈍ってる感が否めないな……」
ぐるぐると腕と肩を回しながら演習施設を往く小柄な姿がある。
目の醒める様な腰近くまで伸びた赤い髪を無造作に結わい、尻尾のように揺らしながら。
東雲七生は演習施設をきょろきょろ見回しながら歩いていた。
「うーん……やっぱまだどこも試験で忙しそうだねえ。」
参ったなあ、とどこか呑気に呟きながらうろうろと。
■東雲 七生 > 「誰か都合よく模擬戦相手とか探してるかもと思って来てみたけど。
……やっぱそれどころじゃないよなあ、テストだし。」
あちらこちら沸き上がる歓声は異能の制御試験会場からのもの。
気になって目を向けてみれば、巨大な合金ロボが飛んでいた。
えぇ……あれ異能‥…?と流石の七生も目を丸くし、若干引き気味である。
「ホント……色んな異能あるよな。」
あはは、と苦笑して
■東雲 七生 > 合金ロボが飛んだり、
肩から多弾頭ミサイルを飛ばしたり、
膝に矢を受けたりといった様々な異能が披露される中を歩いていく。
それらに比べれば自分の異能のなんと地味なことか。
「やっぱ俺もロボ作って飛ばすしか……!」
まあその為にはある程度血液のストックが必要なわけで。
異能制御の試験に間に合わせるには、2~3日貧血ギリギリラインで血を抜いておかないとならなくて。
流石にまだ学科試験も残ってるというのに、貧血ではやってられないだろう。
「……はぁ。やっぱ微妙に地味なんだよなあ……」
口を尖らせ溜息を吐きながら。
東雲七生は演習施設内の徘徊を続ける。
■東雲 七生 > ぐるっと演習施設を一巡りして、訓練施設へと戻って自主鍛錬でもしようかと思った頃。
背中から砲塔を生やした生徒が誤って所定の位置とは違う場所へと砲弾を発射していた。
真っ直ぐ、七生の方へと。
『──危ないッ!!』
誤射をした生徒の声が響き、見学者から悲鳴が上がる。
砲弾は勢いを落とすことなく、七生の頭を捕らえ──
──なかった。
一筋の赤い残像と、風切音。
砲弾は七生の頭に直撃する手前で両断され、二つに分かれ七生の傍に落ちる。
「ほーら、油断してるとこうなるんだからなー。
分かったらちゃんと問題点洗ってレポート書いて先生に出せよー?」
呆然とする生徒へと、七生は悪戯っ子の様に笑い掛ける。
その手にはいつの間にか朱色の槍が握られていた。
■東雲 七生 > 手の中の槍をくるりと回し、肩に担いで。
試験監督の先生にしこたま怒られてる生徒を見て苦笑しながら、七生はそっとその会場のそばから離れる。
「うーん、良いなあ。俺も大砲みたいな異能あればなあ。」
とんとん、と槍の柄で肩を叩き、そんなことを独りごちて。
肩に停まった深紅の鷲を一瞥し、まあでも、と笑みを浮かべる。
「これもこれで悪くは無い、か。」
鷲から小さな球状へと形を変えた自分の血液をジャージのポケットにしまい、ぶらぶらと演習施設を後にして。
ご案内:「演習施設」から東雲 七生さんが去りました。