2020/08/26 のログ
ご案内:「訓練施設」に小南 美奈子さんが現れました。
小南 美奈子 > 躯は資源だ。獣は皮も肉も余すことなく使うことが出来るし、骨にだって使い道がある。
出汁を取ったり装飾にしたり、武器にしたりと文字通りあますことなく利用できる資源だ。
小南美奈子は死霊魔術師である。骨を触媒に様々な効果を発揮し、時として疑似的な生命活動を行わせることも出来る。

「青ざめた者よ、目覚めよ(セット)」

がら、と鳥を復元した骨を中心に陣を描き、魔術で力を与える。物言わぬ躯は次第に組み上がり、骨でできた鳥が生命の息吹に歓喜するように高々と首を持ち上げた。
危うそうにふらふらと骨がぶらさがっている。

小南 美奈子 > 「青ざめた者よ、返れ(フォール)」

いきいきとしていた骨の鳥はぴーんと張った状態を示したかと思いきや、間髪入れずに体が崩れはじめる。塵になった骨は数多。手羽先も足も頭骨もまとめてかき消えていく。

「コスパが悪いな、やっぱり」

限定的な死からの再生を果たす魔術『リミテッド・リボーン』。小規模な魔法陣の中で、手を加えた骨を前に唱えることで仮初めの命を与える。
魔術を解くと塵となって雲散霧消し、骨は二度と復元できなくなる。

「骨一本を触媒にできるこっちの方が楽かな。フライドチキン一本でなんにでもなれるし」

ごそ、と足下にある笑顔のおじさんが描かれたパーティーバレルを手に取る。中にはフライドチキンの骨だけが目一杯に詰め込まれている。

小南 美奈子 > 「スパイシーチキンならエンチャントして炎の武器にならないかな……なんて」

そうすれば骨を集める時もバリエーションを豊富にするのに役立つのに。

「異能をより扱いやすくしてくれる先生とかいればいいのになっと」

骨を握りしめると、みるみる内に形を変えてトンファーに変わった。骨の白身とほんのりと赤色を残し、無骨な仕上がりを見せたそれは、今し方食べ終えたばかりのスパイシーなフライドチキンのそれだ。

軽く素振りをして見る。打ちやすく軽い、ほんのりチキンの匂いがする。美味しそうだ。

「これで油断を誘って……できないできない」

小南 美奈子 > トンファーを構えながら足を突きだし、さらに陣を描く。
懐から小袋を取り出し、指先で器用に開封して中身をばらまく。非常に微細な骨の塊だ。

「青ざめた者、赤なき者よ……」

再生されたるは二匹の鼠。骨だけだからなのか、彼女の足下をちょろちょろと動き回る鼠はすばしっこい。

「異能と平行した魔術の使用、二重行使で混ざることなく。……良い調子。
 即興で陣を描くのもさまになってきた」

小南 美奈子 > 護身術がてら体術をやっても、風紀委員みたいな荒事はあまりやらないし、彼らと違い機会が多いわけでも決してない。歓楽街や落第街方面の掃除当番の時には、身を守るために必要にはなるのだが。
あの方面は一般委員かそうでないかに関わらず治安が悪い。襲われたりすることも無きにしもあらず。
生活委員とて例外でもなく、見回りに入ったら路地に引き込まれるなんてのはよくある話だ。

故に小南美奈子は体術を学ぶ。その身を鍛える。様々な応用が利くように己のポテンシャルを引き出そうとするのだ。
とはいえ一人でやるには些か無駄極まりないのだけど。どこまでいっても殺陣にしかならない。

小南 美奈子 > 「……よし」

異能と魔術を解除し、トンファーと鼠はそれぞれ消失する。
ぐっと伸びをした後、軽い柔軟を行う。

「あとで掃除しにいこ……」 

生活委員の腕章を付け直して肩を回す。一人ごちて彼女は訓練場を後にするのだった。

ご案内:「訓練施設」から小南 美奈子さんが去りました。
ご案内:「訓練施設」に霧島 孝介さんが現れました。
ご案内:「訓練施設」に真乃 真さんが現れました。
霧島 孝介 > 訓練施設。
主に生徒の異能や魔術の訓練や生徒同士の模擬戦を行うために作られた施設。

その訓練所の一角に、少年と青年はいた。

「わ、わざわざ忙しい時に、ありがとうございます」

少年は学校指定のジャージ姿で、青年に向かい合ってそう告げる。
今日は先日お会いした元風紀委員で現在はゲートコネクトというものに所属している
『真乃 真』さんと、異能の訓練をすることと相成った。

かなりの緊張と少しの好奇心を持ちながら、準備運動を進める。

真乃 真 > 訓練室その真ん中にジャージ姿の男が準備運動をしている。
白く異様に長いタオルを首に巻いた男である。

「…いやあ!まさか昨日の今日で実際に戦ってみたいだなんて!!
 やる気に溢れてるね!バイタリティの塊だ!若さってすごいね!!!
 大丈夫だよ!今日は休みだから!全然問題ないさ!!」

目の前の、学生に向かってそんな事を言う。
つい、この間まで学生だった上に現在もその勢いが全く落ちていない男の発言だ。
本当か?本当に若さって凄いとか思っているのか?

「いやあ、模擬戦とかするのは結構久しぶりだからね!身体なまってたらゴメンね!」

首に巻いた白いタオル軽く3メートルはありそうなそうなそれを手に持ち替えてブンブン振り回したりしている。
……当たるとかなり痛そうだ。タオルであるにも関わらず!!

霧島 孝介 > 「…いや、その、貴重な休みの日に、ありがとうございますって意味で…」

せっかくの休みを昨日初対面の生徒に捧げる彼の方こそ
バイタリティに溢れているのでは?
少し困惑しつつも、そのように注釈を入れて

「あ、いや、俺も不甲斐ない感じだったらすみません。
 えっと…こういうの初めてなんで、勝敗条件みたいなのはどうします?」

恐らくあれが主兵装なのだろう。
3mはあるであろうタオル。振るたびに空気を切り裂くような音がする。
あれで殴打されるのは、想像したくない。

真乃 真 > 「うーん、勝利条件かあ……降参したくなった方の負けとかかな?
 もってる異能によって条件とか全然意味なくなるからね!分かりやすいほうがいいよ!」

勝利条件とかは考えたこともなかった。
模擬戦ってとりあえず殴り合う事を指すのでは?

「持ってるかどうかは分からないけど……銃とか刃物とかは殺傷力抑えてね!!」

刃物はともかく銃器はこの島でも簡単には手に入らない。
普通に生活している生徒なら……。

「そういう感じで大丈夫かい?大丈夫なら僕は始めちゃっても大丈夫だけど…。」

霧島 孝介 > 「わ、わかりました」

大体自分が考えているのと同じようになって、縦に頷く。
とにかく、自分がビビってすぐに降参しないようにだけ気を付けなければ。
何せ、訓練は勿論、他人と喧嘩もしたことない人生を送ってきた男なのだから。

「…頑張ります」

流石にいきなり殺す気で行きはしないが、テンションが上がってしまったらやってしまいうかもしれない。
キレたら血で染まってたわぁ~~みたいなイキリオタクみたいなことはないだろうが
ともかく、気を付けなければ。

「そ、そうですね。行きましょう…なら、このコインが落ちたら開始ってことで」

ポケットから100円玉を取り出し、彼に見せる。
それを指で弾いて、高く飛ばす。

3秒後…、コインは地面に落ちて
戦闘開始の合図が鳴り響く。

真乃 真 > 「あくまで模擬戦闘だからね!!
 真剣にかつ深刻すぎない軽い気持ちでやるのが一番いい!
 僕もそんな感じでいくから!!」

流石に戦闘経験ない相手に対して本気で挑むなんてことはない。
相手がどれほど動けるのかも分からない、どんな異能を持っているのかも分からない。
ならばここでの動きは……。

コインが地に落ちる。

それと同時に真は……無駄にカッコ良いポーズをとった。

「さあ!始まった!始まったぞ!!!胸を借りるつもりで来るといい!!」

霧島 孝介 > 「は、はい。軽い気持ち…軽い気持ち」

肩の力を抜きながら、深呼吸をして緊張を解す。
少しはガチガチの筋肉は柔らかくなった気がする。

コインが落ちた瞬間、少し距離を置いて彼を観察すると…

「え、えぇ…?」

無駄にかっこいいポーズで待ちの体勢を取る彼。
こっちも待ちの体勢を作ろうと思ってたが、その様子を見て、息を吐いて、吸う。
意を決して

「そ、それじゃあ、行きます!」

青い光が彼の手に集中する。
手に現われたには1丁のハンドガン。
それの狙いを定め、真乃に発砲する。弾は実弾ではなくゴム弾だが…当たれば相当痛いだろう。

真乃 真 > 「いきなり銃なのかい!?」

相手の手に急に現れたのはハンドガン。
……予想できるのは物を瞬間移動させる異能、異空間に蓄えておく異能、或いは物質創造の異能。
相手が風紀や公安でなく落第街などに通っている様子がないことから三番目の異能である可能性が高い。
あとは……どこまで創り出せるか。

「でも、効かないよ!」

当然、当たれば効く。
だが、相手の狙いは読みやすく、こちらのタオルはとても長い。

異様に長いそのタオルがいつもまにかゴム弾と真の間に入りゴム弾を防ぐ。
そして、歩いて近づいていく。ゆっくり歩いて距離を詰めていく。

「それでは僕には届かない!さあ!もっとくるといい!!」

霧島 孝介 > 「すいません、これしか想い付かなかったもので…!」

ハンドガンを彼に向かって撃ちまくる。
彼の想像は合っている。武器生成…武器や防具、それに道具を作り出す異能。
その汎用性は高いが、想像力やイメージがかなり必要とされる。

高速で繰り広げられる戦闘に彼の想像力が追い付くのか、果たして。

「っ…さすが!」

ゆっくりとだが、着実に近づいてくる彼に気圧される。
ならば手数、とばかりにハンドガンを消し去って、サブマシンガンを出す。
弾は同様にゴム弾だが、物量が先ほどまでとは違う。
引き金を引いて、銃弾の雨を浴びせようとする。

真乃 真 > 「……あっ、それは駄目だ。」

ハンドガンなら流石に回避できるけどそれは無理だ。
タオルを盾に流石に走る。縦横無尽、明らかに不自然な動き途中を省略しているような奇妙な動き。

タオルからはみ出た足に1発の弾が当たる。ゴム弾でなかったら大変な事になっていただろう…。

「痛い!!久しぶりだな!!」

ぐるりと回るような動きからマシンガンを撃つ相手に横薙ぎのタオル!この距離なら届く!

「かなり痛いけど!ごめんね!!」

霧島 孝介 > 「当たらない…!」

タオルを盾に走らせ、そこに撃ち込もうにも、縦横無尽に動かれて当てづらく。
後ろにたじろぎながら、銃を乱射する。

当たったことなどお構いなしに突っ込んでくる真乃。
彼の間合いに入っていたようで、タオルの横薙ぎが飛んでくる

「っ、あぁ!」

予め後ろにたじろいでだお陰で、まともに食らうことは無かったが、腕にタオルが命中する。
持っていたマシンガンが吹っ飛び、光になって消えれば丸腰となる。
腕も強く打たれてビリビリとした感触がして痺れたようにしばらく動かなくなる。

(このままじゃ…!)

まずい、そうなって、とにかく後ろに下がろうとするが…

真乃 真 > 「なるほど…本人から離れると消えるタイプの異能か…。」

それならば割と相手の動きは減る。
罠とかには使えないのかもしれない……。

距離を詰める。

真乃真の異能は一瞬で自らの姿勢を変えるもの。
その異能を併用すれば相手と距離を詰めるのも容易い。

「ゴメンね!!」

距離を詰めればそのまま相手の腕を取り、叶うならそのまま技をきめようとするだろう。

霧島 孝介 > 「っ…!」

後ろに下がるも、当然距離を詰められる。
近づいてきたところに一撃、何かを入れようと思い付いたのが今だ。
今、想い付いたが…まさかここまで移動スピードが速いとは思わず、反撃が封じられ。

「ぐっ!」

腕を取られ、真乃のペースに引き込まれる。
手を引いて抵抗しようとするも、鍛え抜かれた真乃の体と自分とではフィジカルに差がありすぎる。

そのまま彼の思うがままに技を決められてしまうだろうか。

真乃 真 > 風紀委員時代に習得していた柔術それが今発揮される!
硬い床の上に思い切り叩きつけ…られない…弱く地面に寝かされる。

この硬い地面での柔道は流石に遠慮したのだろうだが、霧島の身体はタオルが絡み、後一手で完全に拘束されてしまうだろう。
脚への拘束が中心で腕への拘束は未だ緩い!

「これこそ僕の必殺!タオル固め!!」

……相手の異能や魔術による反撃が想定される状況でこれによる拘束は大分不安な要素もある……。

「これでフィニッシュだ!!」

最後の一手!このまま相手からの反撃がなければ完全に拘束されて逃げられない状況が発生する!
つまり、詰みだ!!!

霧島 孝介 > 「っ!」

弱くとも地面に寝かされ、タオルにより拘束される。
脚は完全に拘束されてしまってもう立ち上がれない。
こうなると焦る。戦闘経験の低い少年は焦りを感じてバタバタと動き回る

「く、っそ…!」

流石の妙技。伊達に元・風紀委員で戦闘をしてきたわけではないようだ。
タオルをここまで使って身体の自由を奪うなど、相当の手練れだ。

「まだまだ…!」

手に丸い球体を生成する。
鋼鉄で出来た球体にはいくつもの小さな溝や筋、そして赤いボタンとランプがついていた。
親指でその赤いボタンを押すとピ、ピ、ピ…と鳴り出す。

ランプがその音に共鳴し、点滅して、その感覚はやがて短くなっていく

真乃 真 > 「……大分、熱くなってるな!!」

あれは……見るからに爆弾だろう。
恐らく自分もろとも吹き飛ばす事を考えて
だが、既に手から離れたマシンガンが光となって消えるのを見ているつまりこの最適解は……

「少し頭冷やしたほうがいいぜ!模擬戦闘でケガするなんて馬鹿らしいだろう?」

音の感覚がどんどん早くなってくる……。
霧島の手に出されたその球体を思い切り蹴り飛ばす!

霧島 孝介 > 「…っ!何のこと…!」

爆弾のようなそれを握りしめる。
多分この状況下から復帰するにはこれしかない。
少なくとも、今の自分の発想力では、これしか想い付かなかった。

「いっ!」

いくら強く握り閉めてもさすがに蹴りの勢いには勝てず。
球体は蹴り飛ばされる。
音の感覚もすでに限界を迎えた寸前に蹴り飛ばされ、手から離れたが…

瞬間。
手から離れた球体は破裂し、爆発や爆風はないものの激しい音と共に衝撃波が二人を襲う。
それは直撃すれば、組技に縺れ込んでいた状態が容易に崩れるほどの威力で。

真乃 真 > 「くっ!!」

衝撃に煽られて距離を離される。
距離を取られるのはマズイ。

…巻き付けていたタオルが一瞬で解かれる。
……崩れた姿勢も何もなかったように立て直される。
………そして、高く振り上げた姿勢になったその異様に長いタオルが振り下ろされる。

「……痛くしないようにしてたけど。
 ごめん、やっぱり手加減できない!」

霧島 孝介 > 「っ!」

タオルが一瞬で解かれた。
やはり今の選択は間違ってなかった。
問題はタオルも何もかも拘束を解かれたおかげで、自分はモロに衝撃を食らうということだ。

衝撃波を食らって、数メートル転がるように吹き飛ばされる。
全身を打ちつけ、少し悶えながらもすぐに立て直そうと顔を見上げる。

そこには長いタオルをすでに振り下ろしている真乃がいて

(しまっ)

そのタオルの殴打を頭部にモロに食らって、地面に倒れ込む。

真乃 真 > 「あっ!!!!」

まさか、頭に当たるとは……。
これが頭に当たるとかなり痛い…痛いでは済まない。
脳震盪の可能性なども……。

「大丈夫かい!?……大丈夫なのかい!?」

倒れこんだ相手に駆け寄って様子を見る。
頭部を打った相手を触らないのは基本。

霧島 孝介 > 「うぐぐ…は、はい…なんとか」

地面に突っ伏して、かろうじて顔を挙げながらそう告げる。
頭からは少量の出血はしているものの、大事には至ることは無い様子だ。

寸前で顔を上げ、彼がタオルを振るう様子を見てたのが結果的に良かったのだろうか。
ギリギリでずらして、急所は避けたようだが…

「…いや、さすがにもう動けないっす…」

うつ伏せで倒れ込んだまま、そう告げる。
拳をぎゅっと握り、歯を食いしばる。

負けた。そう悟って、とにかく今はじっとする。

真乃 真 > 「……はあ。意識はあって良かったよ。後で外の保険室で見てもらってくれよ!」

胸をなでおろす。
もし、これで後輩の命を奪ってしまっていたら……

「ゴメンね……怪我させないように気を付けてたんだけど。
 ……最後の方全然手加減できなかった。」

思ったよりも相手の力が優れていた。
相手が思ったよりもなりふり構わない手段を使ってきた。

「わりと無理するタイプだね君は!」

霧島 孝介 > 「は、はい…」

頭を抑えながらなんとか立ち上がる。
本当に大事はないようだが、彼の言う通り、一応保健室へと行くべきだろう。

「い、いえ…模擬戦である以上、怪我は付き物です」

全然歯が立たなかった…焦って発想力が無くなった。
だけど、最後の気転はほんの少しだが、彼を本気にさせた。
喜んでいいのかどうか、少しだけ微妙な顔をする。

何せ、異能を使って初めて負けたのだから。

「あ、映画の真似をしてみたんですけど、さすがにそこまで上手くは行かなかったですね」

苦笑いでそう答えると、少しだけフラついて

真乃 真 > 「そうだけど……あんまり怪我しないのが一番いいからね。」

真もゴム弾が足に当たってかなり痛かったけど…
頭と比べたら全然まし…。

「でも、異能を使った戦いは発想の勝負みたいなところあるからね!
 映画とか参考にするのは良いと思う!特に君の異能は色んなもの出せるんだろう?
 火薬とかも出せるのはかなり戦闘の幅が広がるよね!!」

そういうと相手がふらついている。
もし倒れるようなら支えられるように近づく。

「ふらつくなら座ってた方がいい!頭打ってるんだから!!」

霧島 孝介 > 「はぁ…確かにそうですよね」

頭を抑えながら、そう告げる。
でも自分の異能はそこらへんのさじ加減が難しい。
今回も正直、いろいろな場面でどのような武器を使うか迷い、結局負けてしまった。

「出せますけど…あんまり積極的には使いたくないですよ。
 それこそ模擬戦とかでは、特に…最悪、相手を殺しちゃうかもしれないんで…」

他の場面、例えば人命救助とかでは使えそうですけど、と付け加える。
ふらつくものの彼の支えもあり、体勢を立て直して、支えを静止する。

「そう…ですね。すぐに保健室に行こうかな、って思います…」

何だか少しボーっとしてきた。
これは危ないサインだろう。彼にそう告げながらも、何とか立ち続け。

真乃 真 > 「戦闘以外でも…そうだなあ火薬出せたらこう無限に花火とかして遊べそうじゃないか?
 クラッカーも鳴らし続けられるし……。
 ……戦い以外にも目を向けたほうがいいな!」

あまりに平和的な使い方。
何かを作り出す異能は無限の可能性を秘めている。

「ついていくよ!
 ほら!そんなふらついてるのに一人で行かせられるわけないだろう?」

そう言うと肩を貸すようにして相手を支える。

霧島 孝介 > 「花火、クラッカー…確かに、やってみます。
 そういう人を楽しませるのに使えれば…」

平和的な何かに能力を使う。
考えてもみなかった。最初に試したことがあった。
鉛筆は作れるのか、消しゴムは作れるのか、ナイフは作れるのか、銃は作れるのか。

生き物は、創れるのか――――

結果は言うまでもなかったが。

「あ、ありがとうございます。すいません、何から何まで…」

彼に支えられ、保健室へと向かう。
保健室の先生は嫌そうな顔もしつつも、処置をしてくれるだろうか。

そんなことをぼんやりと考えていれば、いつの間にか意識は朦朧として――