2020/09/06 のログ
ご案内:「訓練施設」にレオさんが現れました。
レオ > 風紀委員に入って早一日。
まだ研修の為、仕事には就く事なく身体能力のテストや、仕事の説明やらを繰り返していた。

剣術をやっているという理由で、先輩にそそのかされて配属されたのは前線部隊。
人手不足という事で大歓迎だったのは、嬉しい半分悲しい半分だった。

「…ふ、ぅ……」

少しだけかいた汗をぬぐう。
体力的にはまだまだ全然余裕だが、一通りの身体テストは終わった所だ。

レオ > 体力テストの結果は戦闘メインの部署内では中の上。
学力テスト結果はもう少し頑張ろうと言われた。

…勉強に関しては仕方ないとして、体力テストの方はなんとか乗り切った、と手応えを感じる。
中の上。つまるところ、全体の中で「そこそこ」の立ち位置。
そこそこ。
明かに劣る訳でもなく、かといって突出する訳でもない。

「(…目立たない!)」

小さなガッツポーズをしながら心の中で喜んだ。

レオ > 次は戦闘テスト。
模擬戦をして実戦の実力を測るというものだった。
武器は模造剣。
勿論殺すのはNG。
まぁ、余程の事さえなければ模造剣だ。殺傷という事は起こらない訳だが。

「……あとは戦闘テスト、だけど…」

そもそも忙しいという事だった。人をねん出するのにも難儀していた様子だ。
願わくば、このまま対戦相手が見つからずに戦闘テストだけナシにならないかな…と思いながら、スポーツドリンクを一口飲んだ。

ご案内:「訓練施設」に神代理央さんが現れました。
神代理央 >  
常世渋谷分署での打ち合わせを終えて、一度本庁に戻ろうとした矢先。

『新入りが訓練施設でテスト中だから立ち会って欲しい』

との通信が入った。
こういう仕事は今迄レイチェル先輩が引き受けてくれていた仕事。しかし、彼女に頼りっぱなしという訳にもいかない。
快諾の返事を返しつつ、訓練施設へと足を踏み入れた――


「……君が今度入った新入りの…レオ君、かな。
戦闘テストの立ち合いと対戦相手を仰せつかった神代理央。二年生だ」

のんびりと施設に足を踏み入れれば、飲み物を飲んで休憩中な少年が視線に映る。
驚かさない様に、少し穏やかな口調を心掛けて彼に声をかけるだろうか。

レオ > 「あ…」

人が来た。男の人…だろうか?
綺麗な顔立ちに女性かと見まがうが、体格でどうにか判別した。

「えと…ありがとうございます。
 先日風紀委員に入隊した、レオ・スプリッグス・ウイットフォードです。」

すぐに立ち上がり、よろしくお願いしますと頭を下げる。
二年。そうでなくても風紀委員としては自分は新参者。礼儀正しくしなければ。
それにしても…
160cm。ぱっと見で女性と言われても信じてしまいそうな体格。
異能メインに戦うのだろうか?どちらにしても、戦闘が得意そうな外見には見えなかった。

無論、異能者や怪異とは立ち会ってきた。風体だけで判断することは、ないが。

神代理央 >  
「其処まで固くならなくてもいいさ。同じ風紀委員なんだ、そう畏まる事も無い」

畏まる彼の姿にクスリ、と笑みを浮かべながら首を振る。
自分より少し。少しだけ。ほんの少し。大体10cmくらい背の高い彼に近付けば、段々と視線は見上げる様になってしまう。しまう。

「レオ君も疲れているだろうし、手短に進めようか。今回の戦闘テストは、私の異能によって生み出される物を捌いてくれればいい。
制限時間も設けるから、時間いっぱい戦っても良し。時間内に此方を戦闘不能に出来れば、その時点でテスト終了だ」

まあ、見た方が早いかとばかりにパチリと指を鳴らせば。
地面から湧き出る様に現れる3体の異形。
背中から無数の砲身を生やし、その巨体を多脚で支える異形が二体。
両腕が巨大な盾となり、機動性の高そうな両脚と複眼の眼を持つ異形が一体。

「今回は実戦形式だが…君に命中する寸前で此方の攻撃は無効になる様に申請しておいた。万が一怪我をしてしまったら、治療室もあるから安心して欲しい」

要するに、怪我をするのは織り込み済み。
ニコリ、と微笑んで彼に言葉を紡ぐだろうか。

レオ > 「は、はぁ…」

固くならなくとも。そう言われて少し気持ちを落ち着かせる。
出て来たのは機械の兵士。成程、これと戦えばいいのか。

人相手よりも随分やりやすいかもしれない、と少し安堵した。

「わかりました。えっと…その機械を”倒せば”いいんですね?
 それなら模造剣じゃなくても大丈夫ですか?その……色々、勝手が違うなって振ってて思って」

神代理央 >  
「構わないよ。君の好きなように戦って貰って構わない。
私は遠くからテストの結果を記録しつつ、この召喚物の制御と指揮に専念するから気にしないで欲しいな」

どしん、どしん、と。
大地を揺らしながらのそのそとフィールドの端へ移動していく異形達。配置につけば、ぴたり、と動かなくなるだろう。
己の方はと言えば、隅っこのベンチに腰掛け、記録用の機材を起動する。

「……ああ、何時でも始めて貰って構わないよ。レオ君が始めたタイミングで、時間も動かすから」

レオ > 「わかりました、じゃあ…」

模擬剣を訓練室の横に置き、仕事用の武器として用意された両刃剣を、ケースから取り出す。
風紀委員に渡された、まだ使い込んでない剣だ。
手に馴染んでいる訳ではないがこちらの方がまだ勝手が分かる。

少しぎこちなく、剣を構える。
左手の人差し指と中指で柄を握る独特な構えは、様になっているが同時にどこか「歪」に見えるだろう。

「……準備出来ました。…行きます」

そう言いながら、緩んでいた目が、鋭く、射殺すかのように相手を見据え。
体から戦気…実際には戦闘の為に肉体を強化する魔力が漂い
そしてゆっくりと、頭から落下するように体を落としていく。
そして……


ダンッ!!!!

床を思い切り蹴り込むようにした踏み込みと共に、正面の機械兵へと、跳ぶ

神代理央 >  
「…珍しい型を使うものだな。とはいえ、近接戦闘である事に変わりは無い。テストとはいえ、手加減はせぬよ?」

正しく『跳んだ』少年には、もう己の声は聞こえていないかも知れないが。小さく笑いながら呟くと、集中する様に瞳を細めて異能へ指示を飛ばす――


さて、正面から少年を迎え撃つ異形達。
大楯の異形が中央。それを挟む様に両脇に鎮座する砲台代わりの多脚の異形。
先ずは小手調べ、とばかりに。多脚の異形の砲身が軋めば――轟音と共に、砲弾が放たれた。
数はおよそ10発ほど。大口径の砲弾が、迫る少年へと降り注ぐ――

レオ > 砲身がこちらを向くのを静かに見据えながら、銃弾の放たれる音のする直前、それを事前に見越したように一瞬先んじて轟音が響く。

ダダンッ!!!!!!!

床が砕け、瓦礫が後方に飛ぶ。
魔力を更に数段足に込めて脚力を底上げした『跳躍』。
縦に真っ直ぐ。多脚の機械兵たちが銃口を向けた位置よりもさらに前方へ。
銃弾は誰もいない空間を撃ち抜き、大盾の機械兵の眼前にたどり着く。


―――猟犬の型『狩足』

魔力で自身の脚力を爆発的に引き上げ、通常の速度よりも数段速い速度で距離を詰める技。
事前に通常のスピードを見せた状態でそれを使えば、速度差で消えるかのようにすら見える走法術。

そのまま射程内に入れば、一撃。
両手剣での一閃を大盾の機械兵へと放つ―――