2020/09/11 のログ
干田恭支 >  
「この島で育ったって人は案外少ないんじゃないっすかね?
 あ、俺は大丈夫っす。寝付けないって事は無いんで!
 太陽は……ホント夏場はキツイっすよね。今年だけでめっちゃ肌焼けました。」

就寝時間が遅くなることはあっても、寝られない日というのは無い。
むしろ必ず寝てしまう。異能の存在がその一端を担っている気もするが。

「まあ、なっちゃうもんはしょうがないんで!俺は大して気にしてないっす。
 この体?手に入れる?……まあ、先輩も色々と複雑なんすね。
 なるほど、まあ、何となく分かりました。
 まあ髪型変えたりとか、普段着ない服を着た時とか、ちょっと言葉使い変えよっかなって俺も思いますし。」

まあ、変えられないorすぐに元に戻るのだけれど。
何かと“ワケあり”そうな誉先輩の身の上を、少しだけ分かったつもりになって、うんうんと頷く恭支。

「セクハラ、ってやつっすね。別に俺は気にしてねーっすけど。
 確かに人によっちゃ嫌がるかもっすからね、気を付けるのは大事っす。
 あ、通報なんてしないっすよ。嫌な感じじゃなかったっすから!
 へえ、三桁……さんケタ!?そりゃあでっかいすね……本物……?」

思わず恭支の声が裏返った。目も真ん丸である。
自分が女子になった時が──と思い返して、思わず真偽まで疑ってしまう。人によってはこいつの方がよほどセクハラ案件である。

誉凧 > 「私は…あれ、何ていうんでしたっけ。
 《門》経由で墜ちてきた事故物体かしら。
 大分自力で直してきたからあともう少しなんだけど。
 肌は焼けても赤くなるだけでこんがりは焼けないわね」

就寝より待機時間が長い忍耐あるのみの任務が多くて、
その時に浅く広く寝るようにしている、深い眠りについたことは稀だった。

「あ、私 人じゃないから。寧ろ兵器類になるのよ。
 今は大破から中破だから到底人に見せられる状態ではないわね。
 中枢系が無事だったからこの体を手に入れる事が出来て、今に至ります。
 でも、根っこが真面目なので枷外れた喋りは 無理。」

枷外れた喋りは不可能だった。
はじけたギャルっぽい格好と言葉遣いは無理過ぎた。
訳アリというか本当の正体が兵器なのはどこまで語ってよいのやら。

「同性でもセクハラになっちゃうことがあるので注意が必要。
 三桁。本物…確かめます??」

真面目な顔をして口端が僅かに弧を描き
彼を試すような言葉をあえて選ぶような―覗き込むようなしなをつくった雌豹のような姿勢で
彼へと企んだ艶やかな笑みを添えて どうするぅ?と!

干田恭支 >  
「へえ~、門を通って……
 そうなんすね、事故物体……物体かぁ。
 ま、先輩も色々大変なんすね!」

よく分からないけど、本人がそう言ってるのだから信じて悪い事は無いだろう。
干田恭支の思考回路はだいぶお人好し方面に発達していた。

「あー、つまり洋服の切り替えはモードチェンジみたいなもんなんですね!
 というか、人間体になってるのも含めてモードチェンジみたいな。」

なるほど分かった様な気がする、とにっこりと笑う恭支。
相手の正体が何か、までは深入りしようとはしない。話すの困ってそうだし。

「そうですね、まあ男子同士だと割と許容範囲広いですけど。
 え、確かめ……って別に先輩が本物ですって言うなら信じますけど、俺。」

ハトが豆鉄砲食ったような顔で誉先輩を見つめる。
いっそ不自然な程に健全。だってハーフサキュバスの魅了が効きにくい程だから。
そんな事を言ってると唐突に恭支のスマートホンがけたたましく鳴り響く。

「あ、やっべパイセンからだ。
 ご、ごめんイー先輩、俺そろそろ行かなきゃ!」

誉凧 > 『その後二人は 取り留めのない 挨拶を交わした後
 あっさりと訓練施設の出入り口で別れたという―』 

ご案内:「訓練施設」から誉凧さんが去りました。
ご案内:「訓練施設」から干田恭支さんが去りました。