2020/09/29 のログ
ご案内:「訓練施設」に日下 葵さんが現れました。
ご案内:「訓練施設」に綿津見くらげさんが現れました。
ご案内:「訓練施設」から綿津見くらげさんが去りました。
日下 葵 > 「今日はちゃんと7km走りますか」

訓練施設、その一角のランニングマシンの並んだスペース。
他に利用者は居ないようで、この広い空間はとても静かだった。
ようやく生活も落ち着いてきて、普段の任務に専念できるようになった矢先、
巷では朧車と呼ばれる怪異が確認されたとかなんとか。

「とはいえ、私単体での火力なんてたかが知れているので、
 私が現地入りすることなんてありませんけど」

対人戦が想定される現場なら派遣される可能性もあったが、
今のところそういう話はなさそうだ。

いわゆる適材適所、今日はいつも通り自主訓練に励むことにした。
ランニングマシンの距離を設定すると、
ワイヤレスのイヤホンを耳に突っ込んでBGMをかける。
アップテンポなプレイリストを再生しながら、結構な速度で走り始めた>

日下 葵 > 走り始めて15分。
ランニングマシンに表示される走破距離は既に4kmを超えていた。
このペースなら30分もかからずに走り切れそうだ。

額にはうっすらと汗がにじみ始めていて、
視界の邪魔にならないよう首にかけたタオルで時々ふき取る。
相変わらず訓練施設は閑散としていて、周囲に人はいないようだった。

(あ、この曲は好きですねえ)

プレイリストをランダム再生に設定していると、
特に気に入っている曲が再生される。
思わず表情が楽し気なものに移ろうと、歩幅が大きくなる>

ご案内:「訓練施設」にジーン・L・Jさんが現れました。
ジーン・L・J > 今日は訓練施設、以前は練習用のグラウンドを使ったが、今日はトレーニングルームを使ってみようと思い立った。
この島に来て日は浅いが、強者が畑で採れるかのようにごろごろ居るのはわかった、ならば鍛えよう。タフすぎてそんはない。

そうして煙草を入り口脇の灰皿に投げ込んでから入ってみると、中には楽しそうにランニングマシンで走る女性が一人だけ。
ニヤリ、と口元を歪めると、いくつも並ぶランニングマシンのうち、わざわざ隣を選んで設定を始める、目的は一つ、相手より早く走る。

長距離走には明らかに早すぎる速度で、スーツにハイヒール、目元を包帯で覆った奇怪な存在が走り出した。

日下 葵 > 走った距離が6kmを超えた。

(あと1kmですか。そろそろクールダウンの準備をしてもいいかな)

そんなことを考えていると、誰かが訓練施設に入ってきた。
といっても、隣のランニングマシンを選んだからその存在に気付いたわけだが。

(わざわざ私の隣を選ぶとは、挑戦的な人ですねえ)

横目でちらりとその誰かを見ると、思わず二度見してしまった。
明らかに運動に適さないその見てくれは、
本当に人間かどうか疑うレベルだった。
そしてその見てくれが走り出すと、
長距離と短距離を間違えているのではないかと思うような走り>

ジーン・L・J > カツ!カツ!カツ!カツ!ヒールが回転するベルト、その下の機械部を叩く音が部屋に響く。
躓くようなこともなく涼しい顔で笑みすら浮かべながら大きなストライドで走る。
二度見してきたのを包帯の奥からでも見通したのか、軽い会釈を返す。全く息は上がっていない。
一瞬だけ相手のマシンを見ればこれまで6km走り、残り1kmで終わる。
なら、更にマシンのスピードを上げる。もはや普通の人間なら残りのスタミナなど考えないで行う短距離走のような速度。
ぐんぐんと追い上げるように走行距離の表示が伸びていく。

日下 葵 > 走った距離が7kmを超えた。
するとベルトの速度が徐々に落ちて、クールダウンに入る。

息を整えながら歩いていると、彼…彼女?が会釈をしてくる。
ああ、これは完全に私に張り合っているんだな、と察する。
ぐんぐんと速度を上げるその様子を見て、少し呆れたように息を吐いた。

ベルトが完全に止まってランニングマシンから降りると、
汗を拭ってスポーツドリンクを一口飲む。
さて、あの包帯ヒールはどこまで走るつもりだろうか。

私は次のトレーニングに行くつもりだったが、
少し気になってしばらく様子を見ることにした>

ジーン・L・J > 相手がクールダウンに入ったのを見ると、残念そうに一瞬だけ肩をすくめる。
その後もペースを落とさないまま短距離走の速度で7kmを走り終える。当然だが距離に対してとてつもなく短い時間だ。

クールダウン、に入ってベルトの速度が遅くなり始めると、そんなもの不要とばかりにバーに手を置いて体を持ち上げ、カツン、とヒールを鳴らしてランニングマシンから飛び降りた。

「お疲れ様、付き合ってくれるかと思ったんだけどなぁ。」
わざとらしく汗を拭う仕草、だが明らかに過剰な運動量と不適な服装に対して一滴も汗をかいていない。そして白絵の具で塗りたくったような肌が紅潮した様子もない。普通の人間ではないのは明らかだ。もっと言えば、人間ですらあるかどうかも。

その特徴的すぎる外見と人外ぶりは、最近禁書庫の蔵書から生徒へと身分が移った禁書の存在を、風紀委員がそれを把握しているならば思い起こさせるかもしれない。

日下 葵 > 「別に私は陸上選手ではありませんからね、
 必要な距離を走ったらそれ以上は走りません」

これ以上走っても、かけた時間に対して戦闘力の伸び幅は期待できないから。
その特徴的な見てくれの存在が、わざとらしく汗を拭うと、
まったくもっていい性格をしているなぁと思う。

「さて、わざわざ私の隣を選んで走り始めたんですから、
 何か要件があるんじゃあないんですか?」

それとも純粋に煽りに来ただけです?と聞いてみようか。
とはいえ、こちらは彼?彼女?のことを何も知らない。
というのも、禁書や図書館の管轄ではないから。
さらに言えば、報告書も最低限にしか読まない性だから。

恐らく人間ではないのだろうな、というのは想像に難くないが。
この好戦的な雰囲気だと、
もしかしたら手合わせの一つでもお願いされるのだろうかと期待が高まる>

ジーン・L・J > 「いやぁ、でもランニングマシンで隣の人より先に走り終わったらなんか負けた気がしない?私の一番下のきょうだいがそういうタイプでさ、絶対こっちが終わるまでやり続けるんだよ。」
どうやら負けん気が強いタイプではないらしい。一人で黙々トレーニングをする姿に期待したのだが。

「要件?ないよ、トレーニングに来たら君が走ってたから、勝負を挑んでみただけ。走る姿が綺麗だったから、隣で見たかったてのはあるけど。」
何用かと聞かれれば首を横に振る。歯の浮くような台詞をさらり添えて。
それに、と楽しそうに続ける。
「陸上選手じゃない割には鍛えてるよね、君。でも見せる筋肉じゃあない、"実用的"な筋肉が発達してる。どういうことかな?そういう鍛え方をする人種って、私はあまり思いつかないなぁ…。例えば…闘争に身を置いてる人間とか…。」
口元の笑みが深くなり、牙のように発達した犬歯が覗く。笑うことの本来の意味、牙を見せ武器を示す行為で相手の出方を伺う。やりあうか?と。

日下 葵 > 「負けん気が強いのはまぁ、良いことだと思いますよ。
 よく言えば向上心ですからね。
 ただ私は勝つために鍛えているわけではないので」

そう、勝つために鍛えているわけではない。
与えられた任務をこなすために鍛えている。
任務を遂行できるのなら、その場の戦闘で負けても一向にかまわない。

「随分と勝負ごとに飢えているんですねえ?
 ……実用的な筋肉ですか。
 確かに私は別に肉体美でごはんを食べているわけではありませんから。
 こんな成りでも風紀委員ですし、
 人と戦う時に役に立つ筋肉が発達するのもおかしい事ではないでしょう」

相手の口元が緩んで、鋭い牙がのぞく。
なるほど、野性的な存在だ。

「……手合わせしたいならそういえばいいんですよ。
 私には断る理由はないですし」

むしろ実戦経験を積めるなら歓迎ですよ、とまで言って、
隣のスペースにあるリングを見た>

ジーン・L・J > 「勝つ以外に鍛える目的、かぁ。負けないため、なんてとんちでもなさそうだね。うーん……。」
日常的に戦場に身を置く人間が勝つことに拘らない理由、それに顎に手を当てて悩んでいたが、続く相手の言葉で合点がいった。
「ああ、なるほど。風紀委員、つまりこの島の警察機構か、君達が。説明には聞いていたけど実際会うのは初めてだ。
それなら納得出来る、群れの一員として役立つための鍛錬だね。」
うんうん、と何度も頷いて自分の答えに勝手に満足。

「ハハハ、デートに誘うなら素直に誘えるけど、出会ったばかりの人と戦(や)り合おうなんて中々言えなくてさ。」
犬歯を隠してまた薄い笑みに戻る。確かに言ってはいないが、わかりやすいほどの挑発、闘争に餓えているのはありありと伝わっただろう。

「ではお言葉に甘えて、風紀委員さんの胸を借りることにしようか。武器はあり?なし?どこまでやる?ギブアップ制とか?」
了承が得られれば、まるでミュージカルでも始まるかのように踊りながらリングのほうへ向かう。その足取りは明らかに弾んでいて、楽しげだ。矢継ぎ早にルールを確認するのはお楽しみを待ちきれない子供のよう。

日下 葵 > 「ええ、私は任務遂行のための駒に過ぎません。
 いいように使ってもらえればそれでいいわけです。

 初見の人間をデートに誘うのもなかなかだと思いますが、
 私としては気軽に吹っ掛けてくれた方がうれしいですからね」

そういいながら、リングの上に場所を移動する。
スポーツドリンクをまた一口飲んで、タオルを適当な場所にかける。

「ルールですか、そうですねえ……私としては本気で来てほしいですね。
 ――それこそ殺すくらいの勢いで。
 武器も特には制限しませんよ。
 リアリティがあったほうが良いです。
 もし安全の為に制限をかけたいというのなら、
 私はそれに合わせるまでですから」

遠回しに”ビビっているならルールを設けてやってもいいぞ”と煽ってみる。
こちらも大概人をからかうのが好きな性、
ワクワクして仕方がないといった様子の相手への言葉が自然と挑発的になる。

「そう言えばお互いに自己紹介がまだでしたね、
 私は日下葵、”あおい”と書いて”まもる”と読みます」

よろしく、と頭を下げれば、こちらは武器として警棒を選択する。
いつも使っているナイフでも良かったが、
相手の力量がわからないのでひとまず無難なところを選択したのだ>

ジーン・L・J > 「私としては好みの相手を見つけたらすぐに歩みをすすめるべきだと思うんだけど、ほら、やきもきしてる間に取られたら嫌じゃないか。
でも気軽に吹っ掛けられたほうが嬉しいなら今度からそうするよ。そっちの方も餓えててさ。」
リングに入ると軽く肩を回してからその場で跳ねて体をほぐす。全く意味はない、ただ人間の真似だ。

「ふぅん……言うじゃない、なら殺しそうになったら止め、ぐらいででいいか。」
練習用の武器が並べてある一角から、少し悩んで薙刀を取った。安全のために刃は落としてあるが、武器は武器だ、一つ間違えば死ぬ危険がある。
だがそれは相手の選んだ警棒も同じだ。もっと言えば素手だろうと変わりない。
人間は簡単に死ぬが、挑発をしてくるほど自信があるなら手抜きなど考えるべきではない。

「ああ、そうだったね。久々に手合わせなんてするからはしゃいじゃってね。私はジーン・L・ジェットブラック。ジェイ、イー、エー、エヌ、ミドルネームはアルファベット一文字でL、あとは一番黒い黒色のジェットブラック。」
空中に指でスペルを書く、対面なので鏡文字だが、手慣れている。書きながらリング上、相手の反対側へ歩いていく。、

「始まりの合図は、これが落ちた瞬間、でいいかな?行くよ。」
指文字から手を開けば、手品のようにコインが指の間に挟んであった。それを握りこぶしの親指に乗せて、弾いた。
かすかな金属音とともにコインが回転しながら、丁度お互いの真ん中に落ちた。