2021/01/24 のログ
ご案内:「演習施設」に刀々斬 鈴音さんが現れました。
刀々斬 鈴音 > 演習施設、現在黒い装甲服の集団が使っているこの場所。
ここで行われているのはチームワークの訓練、巨大な人型のエネミーを集団で討伐するという訓練。

「はい!じゃあ、キン君達……えっと、ポーン3は距離をとりつつ側面から!
 ルーク1は鈴音にいつものやつ!!」

味方に指示をしながら演習施設を走り回るのは刀々斬鈴音。
特務広報部の暫定的な副部長。

飛び交う演習用の銃弾に響く身体強化魔術の詠唱。
ここではチームワークのようなものがそこそこに見え始めていた。

「えいっ!」

掛け声とともに鈴音の刀が人型エネミーの首を飛ばす。

『missionclear』の音声とともに背景がもとの演習施設のものへと変わる。

刀々斬 鈴音 > 「お疲れさまー!!午前の訓練は終わりだよ!
 なんか、鈴音たちすごいいい感じじゃない?」

粗さは見えるがなんとなく組織らしい動きができるようになってきた。
……戦術の面ではどうしても素人に毛が生えたレベルではあるものの以前と比べればかなり良い。

「よーし!じゃあ、次は3時からだから皆お昼ご飯食べて来てね!
 レシートもちゃんともらってくるんだよ!レシートないと部長もお金出してくれないんだからね!」

そんな言葉と共に部員達を見送る。

『最近、鈴音ちゃ……副部長頑張ってるよなあ……。』
『初めの頃はどうなるかと思ったけど、最近は訓練だから!とか言いながら斬ってこないしなあ……成長したな。』
『昔、路地裏で斬られたことがある俺としては鼻が高いよ。』

ざわざわとそんな風に話しながら部員たちは去って行って演習場には鈴音だけが残される。

刀々斬 鈴音 > 「ちーちゃん、さっきのどんな感じだった?」

一気に静かになった演習場で自身の刀に話しかければ
そこから無機質な声が返ってくる。

『65点だ。セオリー通りの動きにはなっていたがビショップ隊への指示が無かった。
 そして、鈴音お前も突出しすぎだ、共闘訓練の意味がないのではないか?』

厳しいようなそうでもないような点数であるが内容はもっともな事。

「鈴音動いたほうが早く終わるじゃん。
 もたもたしてると皆、死んじゃうよ。」

不満げに唇を尖らせながらコンソールをぽちぽち。
床からにゅーっと刃物の練習用の的が発生する。

戦法としてはかなり理にかなったものではあるけども……

刀々斬 鈴音 > 出てきた的には赤い線が入っている。
縦だったり、斜めだったり、横だったり。
これらに沿って斬れば点数が高い、単純な訓練。

「……どうやったら強くなれるんだろうね。」

独り言、それには刀は答えない。

横に、縦に、斜めに線に合わせて刀を振る。
独学のフォームから繰り出されたその太刀筋は意外なことに正確でなかなかの高得点を出していく。

「血も吸えないし、難しいよ。」

血を啜れば、啜るだけ強くなるこの妖刀。
荒事が多い特務広報部の中であっても以前のようには振るえない。

「……ていうか、どうなれば強いんだろうね。
 あー!もうわかんない!!」

迷いながら、口で弱音を吐きながらもその太刀筋はブレない。
線に沿っての綺麗な高得点。

刀々斬 鈴音 > 『剣術評価:Bランク 普通に上手に剣が使えてます。がんばりました。』

10本の的を切り終えれば表示されるのはそんなメッセージ。
Bランク。

「……またBかあ。」

刀々斬鈴音は強くない。

強力な異能には蹂躙されるし、鍛えた技術には歯が立たない。
異能が強くなることはないし、技術を鍛える方法を知らない。

「……鈴音もご飯食べに行こう。あーあ!甘いもの食べたい!!」

……午後からも別のグループとの訓練がある。
午前からのグループは午後からは警邏に回るのだろう。

演習施設からは誰もいなくなった。

ご案内:「演習施設」から刀々斬 鈴音さんが去りました。