2020/06/09 のログ
ご案内:「常世大ホール」に霜月 水都さんが現れました。
■霜月 水都 > 「うーん……」
大太刀を担いでのそのそ現れる青年。
端っこの方でスペースを確保すると、すらり、と大太刀を抜いて構える。
■霜月 水都 > 「……それっ!」
しばらくじっとしてから、ブォ、ブォ、と大太刀を振るう。
それは自分の身の丈ほどもあろうものを振り回しているにしては、十分すぎる速度にも見えるが……。
「だめだなー……もっとシュっていうか、究極ピッってならないと……」
うーん、と首を傾げている。
■霜月 水都 > 「せめてボッだよなー……」
なんともわかりづらい擬音表現で自分にダメ出しをしつつ、とにかく剣を振っている。
色々と試行錯誤しつつも、上手くいっていない様子だ。
ご案内:「常世大ホール」に織機セラフィナさんが現れました。
■織機セラフィナ >
今日は平日だが仕事は休み、何とはなしに街をぶらぶらとお散歩しているバスト135の事務員さんである。
特に目的地も決めずぶるんぶるんと常世大ホールのあたりまで来てみれば、何やら聞いたことのあるような音。
その音につられて近付いていく。
「――あら?」
そこで大太刀を振るう少年。
その顔がはっきり見える距離まで近付いてみれば、なにやら見たことがあるような気が。
思わず声を上げる。
■霜月 水都 > 「んー……?あれ、セラさん。どもっす」
その声に気づいてそちらを見れば、知り合いの姿。
相変わらずデカい。どうしてもそっちに視線が行くのをちょっと意識して誤魔化しつつ会釈をする。
「珍しいっすね、昼から」
■織機セラフィナ >
「今日はおやすみ」
にこっと人懐っこい笑みを浮かべて自慢げに。
休みなのが自慢かと言われればそうではないが。
「水都くんは稽古? えらいねぇ」
ふにゃふにゃした笑みを浮かべながら更に距離を詰める。
そうして手の届く距離までくれば、手を伸ばして彼の頭を撫でようとする。
身長差があるので、背伸びしながら。
■霜月 水都 > 「あー、オフっすか。俺もっすわー」
といいつつほほ笑むが、その後頭を撫でられそうになれば、若干身を引く。
「ちょ、恥ずいっすよ。嫌ってわけじゃないけど…」
■織機セラフィナ >
「あ、ごめんねぇ。つい癖で」
手を引っ込め恥ずかしそうに笑う。
初対面ならともかく、知り合いだとどうも気が抜けてすぐ撫でようとしてしまう。
悪い癖だ。
「それで、稽古はどう? 順調?」
くて、と首を傾げて尋ねてみる。
■霜月 水都 > 「セラさん、ガード甘いっすよね」
その上このわがままボディである。変なのに言い寄られないか心配だし、うっかり自分が言い寄らないかも心配である。
「いやー、ダメっすね。セラさんならわかりません?こう、良い感じの音が鳴らないっすわ」
そういってうーんと首を傾げる。
まだブォブォという音がするということは、刃筋が綺麗に通っていないということ。わずかにブレがあるのだが、それが上手く修正できていないのだ。
■織機セラフィナ >
「そう? 隙は見せてないつもりなんだけど……」
どこからどう見たってゆるゆるだが、こちらは剣の話のつもりである。
かみ合わない会話。
「音? うーん」
言われてみれば、確かに彼の振る剣はどこかブレた音がしていた気がする。
顎に人差し指を当て、しばらく考えて。
「――ちょっと、貸してもらっていい?」
彼の大太刀を借りようと右手を差し出す。
■霜月 水都 > 「いやいや、隙だらけっすよマジで」
性的に。いやそういう話に直結する方がアレなのだが。
「え、いいっすけど……セラさん、一心流っすよね?重いっすよこれ」
一心流は居合刀を用いるが、大太刀術は当然重く長い大太刀だ。重さがかなり違う。
いくら彼女の方が剣腕に勝ると言え、この重さの違いは大丈夫なのかと問いかける。
■織機セラフィナ >
「そうかなぁ……まだ修行が足りないのかなぁ」
重ねて言うか剣の話のつもりである。
アン〇ャッシュかな?
「でも同じ剣でしょ? 私こう見えても結構力持ちなんだから」
そう言って受け取る刀は確かに重い。
重いが、上段から振り下ろす分には問題ないだろう。
借りた刀を両手で持ち、正眼に構える。
途端にゆるゆるだった雰囲気はぴしりと引き締まり、刀そのもののような鋭い気配に変わるだろう。
そのまますふり、と上段へ持ち上げ、スパッ、と振り下ろす。
僅かなブレもない見事な素振り。
「――やっぱり、重いね」
振り終わり、僅かに身体がぶれてしまい、照れ臭そうに笑う。
■霜月 水都 > 「いや、寧ろ意識っていうか……」
噛み合う感じ/Zero。いつか襲い掛かりそうで自分が怖い。
「そりゃそうっすけど……って、マジすか」
その素振りは、明らかに自分のそれよりも鋭く、レベルが高い。
連撃が出来るかはともかく、基礎の剣閃は圧倒的な差だ。
「――いや、御見それしましたわ。すっげ……」
圧倒されつつため息を零す。
■織機セラフィナ >
「意識?」
意識に隙がある?
剣に対する意識?
はてなが浮かぶ。
「えへへ、「剣の極みは鞘の内にあり。武錬の極みは己が内にあり」、だよ水都くん」
自慢げに一心流の教えを口にしながら刀を返して。
「なんて言うのかな、振るんじゃなくて通すと言うか……刀が通りたがってるところを通してあげると言うか……」
天才肌故のよくわからない解説。
その感覚がわかれば苦労はしていないだろう。
■霜月 水都 > 「ですです。いやうーん、これ伝わってないか?」
天然系同士の会話である、まあ噛み合うはずもない。
「一心流の基礎、っすよね。うーん、よくわかんねっすわー……」
大太刀を受け取りつつ、その後の言葉には更に首を傾げて。
「いやうーん、それ出来りゃ苦労はないっていうか……通りたいところって見えるんすか?」
■織機セラフィナ >
「うーん、おやすみでも意識緩めてちゃだめだってことかな?」
違います。
「技を鍛えるにはまず心から、ってことだと思ってるけど。ほら、弓道みたいな」
的に当てるために練習するのではなく、心を精神を鍛えていけば自ずと矢は中るみたいな。
そう言う感じだと考えている。
「見える、のとは違うかなぁ。こう、刀を振るぞっ、じゃなくて、刀が進む方に押してあげる……のともちょっと違うんだけど……」
うーん、としばらく考えて。
「――そうだ、ちょっと構えてみて。」
■霜月 水都 > 「むしろ常に緩んでるというか……」
剣じゃなくて距離感が。
「うーーん、一心流は独特でよくわかんねっすわ……」
一心流は心法を重視する流派であり、心が整えば技も整い、剣士にも品格を求める流派だ。
セラフィナは、そのことを正確に理解し口にしているのだが、本家の大太刀術と拳法しかやってない上にまだまだ未熟な水都には理解しづらいところであった。
「いやわかんねっすわ……っと、こうっすか?」
そういって、いつも通りの基礎の構え、霜月流中段平正眼『漣之構』に取る。
■織機セラフィナ >
「えぇー」
流石にいつも緩んでいると言われれば不満そうな顔。
ある意味では緩みっぱなしだ。
胸元とか。
「そうかな、武道っぽくてわかりやすいと思うけど」
武道は心を鍛えるものだ、と言うアレ。
しかし武術としては確かに異端かもしれない。
「うん、ちょっとごめんね」
そして彼の背後に身体を密着させ、抱き着くように腕を回して刀を握る。
彼が動かなければ、圧倒的な質量が背中に押し付けられるだろう。
■霜月 水都 > 「自覚なしかー……」
寧ろ自覚があればこうはなるまい。
「なんていうか、お題目感がしちゃうんすよね。上の人がそれ体現してるのは凄いと思うけど、別にそれ必須じゃなくねみたいな……」
言いつつ、後ろから密着されればびくっと体をはねさせる。
「いやいやいやセラさん、胸、胸当たってる!!」
■織機セラフィナ > 「うーん……私はしっくりくるけどなぁ」
大げさだとしても、何事においても精神力と言うのは重要だと思う。
いつでも普段通りの力を出せると言うのはそれだけで武器なのだ。
「は、恥ずかしいから言わないでよ、もうっ。ほら、背筋伸ばして腕の力抜いて」
ちょっと顔を赤くするも離れることはせず。
彼の手の上から刀を握り、ゆっくりと上段へ振りかぶっていく。
「力は抜いて、でも刀はちゃんと握って。掌で感じる刀の切っ先がどこにあってどう動こうとしてるのかを感じるの」
■霜月 水都 > 「まあ、上の人がそうやってるってことは、実は大事なピースなんすかね……?」
霜月流に関しては、上位の人間は大抵心法も立派な人が多い。
そう考えれば、セットで考えていいのかもしれない。
「いや、だって、その……!」
顔を赤くしつつも、とりあえず言われたとおりに上段に振りかぶる。
この状況で脱力といわれてもかなりしんどいが、そこはそれ、剣に集中することで何とか実現に向かいつつ。
「んー……刀の切っ先がどこか、どう動こうとしているか……」
背中に当たる胸の感触を忘れるためにも、ひたすらに剣に集中する。
それが功を奏したのか、なんとなく、手だけで『刀の詳細』がつかめる感じがした。
■織機セラフィナ >
「そうじゃないかなぁ。歴史ある流派が大事にしてることってことは、そう言うことだと思っていいんじゃない?」
そうじゃなければどこかで失われているだろう。
「ほら集中して。振りかぶって、振り下ろす前に一旦止めて」
彼と一緒に刀を掲げていく。
大太刀で天を指し示すように振りかぶり、ぴたりと動きを止める。
「深呼吸――刀は矢で、身体は弓。引き絞った矢が放たれるように、刀を振る。イメージして――」
同時に呼吸を彼に合わせる。
吸って、吐いて、吸って、吐いて。
止まったまま僅かに、少しずつ刀を引いていき、
「――はいっ、今!」
刀が「放たれる」寸前、彼の手から手を離し、合図を出す。
彼がこちらの、そして刀の呼吸を掴んでいれば、先ほどよりも良い音で振れるだろう。
■霜月 水都 > 「あー、確かに確かに。無意味なら消えてるっすわな」
実用的でないなら、少なくとも流派の根幹としては残るまい。
それを想えば、ある程度は納得することが出来た。
「刀は矢……体は弓……」
そして、言われるままにイメージを固めていく。
そうして、刀を引き、刃筋を心に浮かべて……
「はっ!!」
合図と同時に大太刀を振り下ろす。
すると、「ボッ!」と、大気を裂く音がした。
■織機セラフィナ >
「わぁ、良い音したね!」
大気を裂く音と言うのはなかなか出せるものではない。
笑顔で手を叩いて自分の事の様に喜ぶ。
「あとはそうだね、こう、手だけで振るんじゃなくて、全身で振るの。腹筋と背筋を意識して、こう。こうじゃなくて、こう」
空手で彼の振り方と自分の振り方を交互に繰り返してみる。
その度に、揺れる。
こう、ぶるん。
こう、ばるん。
■霜月 水都 > 「腕じゃなく、全身で……って、セラさん、胸!胸!!」
言っていることは正しい。
大太刀のような巨大な武器は、全身の連動で振らないと当然威力を発揮しない。
だが、それ以上に、目の前で揺れる凶器の方に目が行ってしまう。
このままだと、振る剣が別のものになってしまう!!
■織機セラフィナ >
「胸?」
自分の胸元に視線を落とす。
いつも通り視界を塞いでいる。
零れていることもない。
「――?」
顔を上げて彼を見る。
胸がどうしたのだろうか。
「剣振るのに、邪魔なんだよねぇ」
そして恥ずかしそうに笑う。
■霜月 水都 > 「めっちゃ揺れてるのが気になるんですって!!!!!!」
全力のシャウト。
そりゃあ健全な男子高校生、あのサイズの胸がばるんばるん揺れれば、意識せずにはいられない。
「邪魔でしょーけど!そういう問題じゃないんだよなあ!!!」
■織機セラフィナ >
「えっ、あっ……」
そこまで言われて初めて気付いた。
顔が真っ赤になる。
「あ、あはは、ごめ、ごめんねぇ……」
思わず胸を隠すように自分の身体を抱いて真っ赤な顔で謝る。
しかしその巨大な質量と体積が二本の腕で隠せるわけもなく。
むにゅん、と押しつぶされて腕の隙間から押し出されるだけである。
■霜月 水都 > 「隠せてねぇ、隠せてねぇっす……」
げんなり。
いや、あのサイズの兵器をどうにか誤魔化そうというのがそも間違いなのだ。
これは仕方のないこと。
「いやでも、参考にはなりましたわ……ありがとうございます」
■織機セラフィナ >
「う、うあぁ……」
恥ずかしい。
言われなければ気付かなかったが、言われてしまえば恥ずかしい。
まだ、良く知る彼に言われただけマシだろうか。
「ど、どういたしまして……あと、うん、素振りする時に、音を目的にしない方が良いと思う」
音はあくまで目安と言うか、「正しく振れている時に良い音がなる」と言うだけに過ぎない。
「素振りは良い音を出すために振るんじゃなくて、正しく振るために振るんだから。一回一回丁寧に、自分の身体と刀の動きを確認しながら、ね?」
目的を違えてはいけない、と。
■霜月 水都 > 「えっとっすね……セラさんの胸は、ぶっちゃけ野郎なら絶対目の行く部位っす。俺も気になっちゃうし。なんでまあ、あんま無防備に胸くっつけたりとか揺らしたりとかは、しない方が……セクハラされるっすよ」
理性を必死に絞り出して言葉を紡ぐ。
なんなら役得にあずかりたい気持ちは無限にあるが、それ以上にこの先輩が心配なのであった。
「音じゃなくて、綺麗な形……音は結果、っすか。確かに、音鳴らすこと意識して、本質を見失ってたかもっすね……」
■織機セラフィナ > 「男の子だもんねぇ、そうだよねぇ……うん、気を付けるね」
言われてみればそうだ。
男の子はおっぱいに目が行ってしまうのはわかる。
心配してくれた彼にありがとう、と。
「そうそう、音も大事だけど、もっと大事なことを見失っちゃだめ」
そう自慢げに先輩風を吹かせてみたところで、
「――あっ、隙ってそう言う……で、でも、水都くんなら別に、当たるくらいは、気にしない、よ?」
今更気が付いた。
恥ずかしい。
顔を覆う。
しかし彼は知らない間柄ではないし、彼の意志で揉みに来るならともかく、結果的に押し付ける形になるくらいは気にならないと言えばならない。
ちら、と顔を覆った指の間から覗くように。
■霜月 水都 > 「押忍、男なんで……」
あのサイズの胸だ。触れたくない男子がいようか。いやいない(反語)。
その後の先輩風は素直に受ける、が……。
「いやその待ってください待って待ってんなこと言われたら役得期待するメンタル糞雑魚な俺が出るんで待ってください」
顔に手を当てて必死に首を振る。
そんなこと言われたら、想像しちゃうだろうが…!結果的に当たる胸を堪能するシーン、絶対に……!
■織機セラフィナ >
「えっだって剣の稽古してたらどうしても触れちゃう時とかあるし、そんなこと気にしてたら稽古出来ないよ?」
一心流では機会は少ないとはいえ、剣術と言うのは人と人とがぶつかり合うものだ。
そういうことは多々あるだろう。
「だめだよ水都くん。こんなことで心乱されちゃ」
うふふ、と笑って煩悩に苦しむ青少年に笑顔を向ける。
■霜月 水都 > 「そりゃ、そう、なんですけど……!」
普通は胸が触れることはそうそうないが、あのサイズなら鍔迫り合いや間合いのうちに入っての拳法では触れまくってしまう。
言ってしまえば『巨乳には勝てません』ではいけないのだ。
「うぐ……なんでそんな平然と出来るんすか……」
■織機セラフィナ >
「?」
不思議そうな顔。
「だって、水都くん、私にそんな変なことしないでしょ?」
何となく彼からは紳士な気配がする。
信用に値する人間を警戒する必要があるのか、と。
無自覚。
■霜月 水都 > 「しないんじゃなくてしないようにしてるんすよ!!」
したくないわけでも、する気がないわけでもないのだ。
あくまで、それを理性で抑えているだけ。理性がトんだら、襲い掛からない自信がない。いや、その時は抑え込まれるんだろうけど。
■織機セラフィナ >
「しないようにしてくれてるんじゃない。同じだよ」
にっこり。
完全に信用しきっている顔。
無邪気な信頼と言う名の刃を彼の心にドスドス突き立てるような笑顔。
■霜月 水都 > 「あああああああ……」
頭を抱えてうずくまる。
しないようにしているというのは、うっかりすればしてしまうということだと言ってわかるのだろうか。でも言えば信頼を失いそうで怖い。
しばし頭を抱えてから。
「えっとですね、したいんすよ?俺だって。したいけど我慢してるってことは、我慢しきれなかったらするってことっすよ?わかってます?」
諦めて口にした。
■織機セラフィナ >
「――お、男の子だもん、ね。仕方ないよね。うん、わかってるよ」
思春期の男の子なのだから、そう言うことに興味があるに決まっている。
そういう割と生々しい宣言にちょっとドギマギしつつ。
自分に対して、と言う考えは、ない。
■霜月 水都 > 「セラさん、マジで美人だし胸デカいし、そういう意識持たれやすいってマジ理解してくださいね!?」
なんでこの人は『自分が性的にみられやすい』と自覚してくれないのか。
ほっといたら本当に怖い。
■織機セラフィナ >
「えっ、あっ、ありがとう……」
唐突に褒められて照れる。
そう言う目で見られやすいと言われても、男の人がそう言うのを好きなのは理解している(つもり)だし、仕方ないよねぇ、ぐらいにしか思っていない。
自覚がないわけではないが、決してあるとは言えない。
■霜月 水都 > 「わかってるなら無防備さなんとかしてくれっつってんですよォ!!!!」
頭を抱えて叫んだ。
この人、マジにセクハラされないと気づかないのではなかろうか。
■織機セラフィナ >
「えっ、は、はいっ!」
思わずぴしりと両手を揃えて返事。
良くわからない、よくわからないが、きっと彼は自分の事を心配してくれているのだろう。
「あ、ありがとう、ね?」
なので彼の頭を撫でようと、恐る恐る手を伸ばす。
そういうとこだぞ。
■霜月 水都 > 「だからそういうところォ!!!」
叫びつつ、頭を撫でようと近寄ってくるセラフィナの胸に、技を手を伸ばす。
これに関しては、触りたいというより、ここまでしないときっと気付かないという覚悟の一撃である。
■織機セラフィナ >
「わ、っ」
伸ばされた手。
思わず、それをつかみ取る。
そのままぐいとひっぱり、腕を極めに掛かる。
抵抗しなければ合気の要領でそのまま腕を極めながら地面に押し倒すし、抵抗されれば押し倒すことは諦めて彼の身体を振り回すようにして距離を取る。
■霜月 水都 > 「うおあっ!!」
咄嗟に出る技が上手い。
霜月流拳法には合気に似た技はあるが、それにしても彼女の技は練達しており、また警告のつもりのセクハラ(?)だったたためそのまま抵抗も出来ず腕を極められる。
「あだだだだだ!?!?!?」
■織機セラフィナ >
「あっ、ごっ、ごめん!」
思わず出てしまった技を解き、彼の上から退く。
「大丈夫、怪我してない!?」
あわあわしながら彼のそばに膝を付き、起き上がるのに手を貸そう。
■霜月 水都 > 「いえ、まあ俺が悪いっちゃ悪いんで……」
言いつつ、素直に助け起こされる。
理由がどうあれ、胸に触ろうとしたのは事実である。極められたことに文句はない。
「でもまあ、こういう風に狙うやつは絶対いるんで……マジ気を付けてくださいよ」
■織機セラフィナ >
「う、うん、気を付けるね……」
彼の言いたいことがちょっとはわかった気がする。
ちょっとだけだけど。
「で、でもね、ああ言うことは、他の子にはしちゃだめだよ……?」
自分だから大事にはならなかったが、他の子なら大事件である。
当然ながら彼もわかっているだろうし、そう言うつもりもないだろうが。
■霜月 水都 > 「しねぇっすよ……腐っても俺だって霜月っす。そこは、ね」
霜月は、総じて誇り高い一族である。
武に生き、正義に生き、理想に生きる。
そんな夢物語を体現し続けている一族だ。
そこに生まれた以上、自分にはそれなりの義務があることも、面倒と思いつつも理解はしていた。
「でもまあ、いろいろありがとうございました。大太刀のコツは掴んだ、気がしますわ」
■織機セラフィナ >
「……でも私にはしたんだ」
ちょっとむすっとしたような顔。
いや、自分に自覚させるため、と言うのはわかっているが。
「そんな、水都くんは同じ霜月流の人だもん」
それでもお礼を言われれば当然だと返す。
困っている時は助け合いだ。
■霜月 水都 > 「そりゃあまあ、あんまりにも魅力的だし……じゃなくて!!」
思わずポロリと内心を吐露したのち、首を振って。
「魅力的なのは事実っすけど、それが無防備すぎるんすよ。俺よりうまい奴がセラさんを手籠めにする可能性って、ありますから」
武が強いから人格も優れている、というのは違う話だ。
強いけど畜生、というやつは山ほどいる。心と技術は、基本的に完全に一致はしない。だからこそ、強くて下種な奴だって、存在は否定できないのだ。
「セラさんと俺だと実力に差がありすぎっすけどね……いつか追い抜いてやる」
■織機セラフィナ >
「うん、わかった。ありがとう」
未だ自覚はしていないが、信用している彼がそう言うのならそうなのだろう。
出来るだけ気を付ける、と約束。
「楽しみにしてるね――あ、水都くんが私より強くなって私を守ってくれればいいんじゃないかな?」
両手を合わせて楽しそうに。
そういうとこだぞ。
■霜月 水都 > 「そういうところォ!!!」
信頼が厚すぎる。さっき胸を狙った相手だというのに。
「ったくもー……なら、いつか追い抜いて負かしてやるんで、そん時を楽しみにしててくださいよ」
はぁーーーーーーーと、盛大にため息をつきつつそう強がる。
■織機セラフィナ >
「ああぁ、ごめん、ごめんっ」
あわあわと自分の自覚のなさに頭を下げる。
いや詳しくはどういうところなのかわからないのだが。
「うんっ、約束ねっ」
そう言って右手を差し出して。
小指だけを立てた右手。
■霜月 水都 > 「絶対自覚足りてねぇ……」
襲っても勝ててなお安全な人、誰か襲ってやってくれ。
と言っても、本家の槍術師範くらいしか思い当たらないし、あの人はあの人で結婚して幸せに暮らしてる上に理性的な人なのでやる気がしないのだが。
「……押忍」
そういうところォ!!と思いつつ、小指に小指を絡める。
まあ、これくらいは許されるだろう。多分。
■織機セラフィナ >
「ごめんねぇ……」
謝ることしか出来ない。
困った笑顔でぺこぺこ頭を下げる。
「ゆーびきーりげーんまーん」
小指を絡めて上下に揺らす。
嬉しそうに歌いながら。
■霜月 水都 > 「マジ気を付けてくださいよ……」
ぼけーっとしてる、とよく言われる自分ですら素直に魅力的と感じる肢体に、この性格。
本当に色々心配なのだ。
「うーそつーいたらはーりせんぼんのーますっと。つーか、結構抜かれるの楽しみにしてません?」
剣士として屈辱のはずでは?と首を傾げる。
■織機セラフィナ >
本当にそろそろ痛い目に遭った方が良いかもしれない。
「えー、どうだろ。でもほら、男の子に守ってもらうのって、女の子の夢と言うか」
意外と少女趣味であった。
「さて。水都くん、お腹空いてない? お姉さんがご飯奢ってあげよう」
と言いつつ自分がお腹が空いているのだけれど。
「――あ、でもあんまり高いのはやめてね……?」
■霜月 水都 > 「セラさん守れる男なんて、そうそういねーでしょ」
それこそ、各流派の当主クラスしか無理なのではなかろうか。
「そこはまあ、それなりの値段で済ませますけど……いいんすか?」
野郎なんでそこそこ食うっすよ?とクビカシゲ。
■織機セラフィナ >
「そこはほら、水都くんが、ね?」
強くなって守ってくれるんでしょ、と。
「大丈夫大丈夫、これでもお姉さん社会人だから」
なんて言いながらホールを後にしよう。
そのまま寄ったファミレスで、育ち盛りの男子高校生の彼より大量に食べたとかなんとか……。
ご案内:「常世大ホール」から織機セラフィナさんが去りました。
■霜月 水都 > 「ハードルたけぇ……」
霜月一心流の高弟とされる彼女を守るなら、かなりハードルは高い。
自分も高弟と呼ばれるくらいでやっとである。
「そんじゃまあ、甘えさせてもらいますわ」
とはいえ、負ける気はなくて。
それなりに真剣になれているものなのだから、それを極めるつもりでいるし。
それはそれとして、食事をおごってもらうのは美味しいので、素直についていきつつも、いつかは勝ってやるという野心は消えていないのであった。
――その後、食事量に驚いてまた圧倒されたとかなんとか。
ご案内:「常世大ホール」から霜月 水都さんが去りました。