2020/09/15 のログ
ご案内:「常世大ホール 記入自由」にジャムさんが現れました。
ジャム > 特にイベントもない放課後。
解放されたホールは運動場として生徒は思い思いのスポーツに打ち込んだり、ペットボトルに入ったスポーツドリンクを飲んだり、きらめく汗をタオルで拭っている。
日差しも柔らかくなって、吹く風が秋を運んでくる。

そんな光景の端っこにあるバスケコートで小さな人影がドリブルをしていた。

尻尾で。

「とんとん、とーん、っと!
バスケのルール未だによくわからないけど、確かこんな感じだよね。
これがドリブルでー、そのままー、あの輪っかにー、シュート!」

とりあえずボールを地面に跳ねさせた後にゴールに入れる。
これが異邦人バスケットのルールである。
地面に敷かれたラインなんて目に入らず、尻尾で叩いたボールとゴールを見比べながらお尻持ち上げ、そのまま尻尾でひょいくるっと巻き上げて投げ込む。

ぐるんぐるん……ぽすっ。とーん、とんとんとんとん……。

惜しくもリングを2周した後に落下したボール。
もうちょっとだったのになーって顔で後ろ髪に手をやり、
転がっていくボールを追いかけ。
そんな一人遊び中。

ジャム > 追いかけて拾い上げたボールを手に、再びバスケコートへ舞い戻る。やはり尻尾でドリブルしつつ、両手で腕組みをして思い悩む。

こういうのは授業で習った気がする。
このボールをどの角度でどれぐらいの力で投げ込めばあのリングの中へ落とせるのか。放物線の方程式みたいなのが合った気がする。
y2=4pxだ。うろ覚えな、y2=4px。
しかしここに重力gをどうやって折り込めばさっぱり良いかわからない。
吐息でティッシュを飛ばしてヘリポートに着地させるにはどうすれば良いか?とか、海中でサメに噛みつかれないほど素早く移動するには何本の腕と足が必要か?とか、思考は色々飛躍した。

結局。

「せい、のっ……!
――やったぁあ!ゴーォォォォォォォル!」

思い煩ってはならない。
尻尾で真上に放り投げたボールをオーバーヘッドキックした。
真芯とらえたバスケボールはリングへ一直線。
ばぅん、とリング揺らしながら絶妙な角度でバウンドし。
見事1ゴールを決めた。

サッカーの試合の実況中継みたいな歓声上げて。

ご案内:「常世大ホール 記入自由」からジャムさんが去りました。