2022/05/08 のログ
ご案内:「常世大ホール」に霧島 孝介さんが現れました。
霧島 孝介 > 最早日課となった勉強だが、ストレスが掛からない訳ではない。
気分転換に常世大ホールで行われた演劇を見に来たが
いかんせん、『ああいった』救われないような物語は好きではなく、さらに気分が落ちてしまった。

まぁ、誰かにとっては救いのある話というか、ハッピーエンドなのだろうが…

っと、複雑な気持ちでホールの出口に来れば

「…先輩?」

見慣れた姿についそのように言葉が漏れる。
喧騒から離れてることもあり、声がやたら響いてしまう。
咄嗟に口元を抑え、しどろもどろしながら問いかける。

「あっ、えーっと…お、お取込み中でしたかね…?」

へへ、と愛想笑いを浮かべながら、恐る恐る聞いてみる。

シャンティ > 「……」

しばし、思考の渦に陥っていた女はそれを僅か遅れて『読んだ』


「……ん……あぁ……」

いつもの気だるげな口調で、動作も気だるげにかけられた声の方に顔を向ける。


「別、に……すこ、し……余韻、に……ひた、って、た……だけ、だ、から……ふふ。気に、しな、くて、も……いい、わ、よぉ……孝介、くん?」


くすくすと笑って応える。


「あ、ら……貴方、も……観劇……だ、った、の、かし、らぁ……?」

霧島 孝介 > いつもの、しかし自分にとっては慣れない、口調や動作。
そして掛けられる声に動揺しつつも、

「よ、余韻。まぁ、劇って独特の空気ありますからね
 特に今日の演目は、こう…心に来るものがますし」

彼女とは正反対に、言葉に詰まりつつ、文字数多めに発言をする。
仕草もどことなく落ち着かない様子。
やはり、年上の女性…しかも、普段揶揄われている相手には緊張が抜けない模様だ。

「あ、はい。僕も劇を見てて…
 なんというか、自分にはあんまりストーリーが合わなかったみたいで」

自分の事を聞かれれば微妙そうな顔をしながら
脚本に対して、回りくどい言い方で苦手と告げる。

シャンティ > 「ぁ、はぁ……心、に……ね、ぇ……?」

くすくすと笑う

「それ、は……どう、い、う……意味、で……? 」

こつり、こつり、とゆったりとした動きで近づきながら問いかける。


「合わ、なか、った……? ふふ。それ、は……どう、して……? かわい、そう……? 見て、られ、ない……? ふふ」


そうして、言葉をかけながら顔を近づける。


「あな、たは……ふふ。どん底、の……人、を……どう、みる、の……? とて、も……興味、深い、わぁ……?」

うつろな目が、見上げるように見てくる

霧島 孝介 > 「あ、い、意味ですか?」

割と適当に発言したつもりだったのに、そこを掘り下げられて驚嘆する。
目は泳いで、冷や汗が吹き出てくる。

どう答えようか悩んでいる内に、相手は接近して、顔が目の前に

「っ…あ、の、近い…です」

視線を逸らしながら、顔を赤くして、小さな声で答える。
造形の良い顔が至近距離にあって、女性特有の甘い匂いもして、それどころではないといった様子だ。

シャンティ > 「あら、誤魔化、され、ちゃ、った?」

くすくすと笑って顔を離す


「そ、う……改、めて……意味、を……ね? 貴方、の……よう、な……子、が……彼、ら……を、みて……どう、思う、のか……そう」

手を前に差し出す


「人足……浮浪、者……泥棒……あぁ……より、よい……暮らし、の、ため、に……殺人、を……そその、かし、た……人、なん、かも」

指を一本一本立てながら、数え上げていく


「どう……?哀、れ? …愉快……? それ、とも……? ふふ」


気だるげな声が甘く響く


「それ、は……貴方、なら……特、に……大事、な……こと、よぉ……?よく、考え、て?

霧島 孝介 > 「こういうのは、もっと、こう…特別な人にやった方がいいと思うんですけど…」


顔が離れたと同時に胸を抑えて、深呼吸をする。
相変わらず掴みどころのない所作に、緊張は拭えずに


「要は劇の感想って事ですよね?
 …今よりもっといい生活を、人生を、と足搔く姿は美しくも見えました

 …けど、そのために法を犯す行為をするのは…、やるせないです」


劇について思ったことを聞かれれば、今度は淀むことなく感想を伝える。
色々な事を感じたが何よりもせつなく、どうしようもないという気持ちで一杯で

「一生懸命、努力して、頑張った結果、報われないのは…悲しいですよ」
 

苦虫を嚙み潰したような表情に彼女を見据えて、ぎゅっと拳を握りしめる。

シャンティ > 「あ、ら……特別……? ふふ。私、は……相手、で……区別、は……しない、つも、り、よ? だか、ら……これ、が……普通」

小さく人差し指を振って、くすり、と笑う。


「それ、で……あぁ。それ、が……答え、ね。ふふ。幸せ、ね……孝介、くん……あ、は。」

返事をじっくりと聞き……笑いながら批評する。


「けれ、ど……貴方、は……知って、いる、はず、よぉ……あれ、は……決し、て……虚構、では、ない……現実、に……ある、話……そう、この、島……で、だって……ね?」


かつて、目の前の少年がこぼしてしまった街の名前。それは、この島の鞍部の一つであり、紛れもない実在でもある。そこを知っているのなら――


「そ、れを……知って、なお……そう、なら。ふふ。幸せ、だ、わぁ……あは。それ、で。実感、は……でき、る……? あぁ、いう……世界――あぁ、いう……人たち、の、こと」

くすくすと面白そうに笑った

霧島 孝介 > 「こ、これが普通なんですか…」


顔を近づけたり、笑ってみせたり
こういうのが普通だとしたら、この人の彼氏になる人の苦労は耐えなさそうだ


「な、何が可笑しいんですか!?」


自分の感想を笑われた事が心外で少しだけ怒ったように反応する。
結構真面目に答えたのに、彼女にとっては滑稽だったのだろうかと、内心では困っていて


「…ああいう人たちがこの島に居るって事は知ってますし、何とかしたいと思ってもいます
 その人たちの生活も…少し、触れたこともあります

 だけど…」


ただの学生である自分に、何ができる?
そう、心の中で紡いだ

シャンティ > 「そう、普通、よぉ……? だって……私、は……人、を……愛し、て……いる、から……ね?」

気怠いながらも、どこか熱っぽく応える。言葉の胡散臭さに反して、本気がそこにはあった。


「あぁ……そう、ねぇ……誤解、の、ない……よう、に。 別、に……バカ、に、した……わけ、では、ない、の、よぉ……? ただ……とて、も……らしい、な……って、思った、の。だか、ら……そん、なに……こま、ら、ない、で……ね?」


人差し指を唇に当て、笑みを収めて言葉を紡ぐ。女なりの真摯さだろうか。


「そう……そ、れ……彼、らは……報わ、れ、ない……から、悲し、い……じゃ、なく、て……だか、ら……どう、する、か……そも、そも……報、われ、ない……のは、知って、いて……でも、足掻く……そう、いう、ことが、ある……」

続けて、人差し指をつきつけながら歌うように語りだす


「それ、を……知って、いる、なら……いい、の、だけ、れ、どぉ……さ、て……じゃあ……『だけど』。だけど、なぁに……かし、ら?」

小首を傾げて、少しだけ間をつめて問いかけていく

霧島 孝介 > 「人って…壮大すぎませんか?」


まさかの人類愛が出て来て唖然とする。
普段気だるげなだけど、今回感じる熱量からすると、本当っぽい


「らしいって…それもそれで嫌味に聞こえますけど」


彼女の笑みや余裕を持った表情とは正反対に頭を抱えて返答する。
そうして、彼女の歌うような語りに耳を傾けていたら、再度間を詰められて肩を跳ねさせる


「い、いや…ろくでもない事を言いかけただけですよ
 大したことじゃないです」

自分の次の言葉が気になっている様子の彼女に、何でもないといった様子ではぐらかそうとする

シャンティ > 「そ、ぅ? でも、本当、よ? 人、は……それ、ぞれ……人生、が、あって……それ、ぞれ……違、う……一つ、一つ、が……愛、おし、くて……たま、らない、わぁ……」

自らの腕で、自分を抱きしめるようにして……再び謳うように語る。


「……ん。これ、は……別、に……いら、なか、った、わ、ね……ふふ。まあ、いい、わ。それ、よ……り、孝介、くん、の、こ、と。」


急に冷めたように元の調子に戻り、話を戻そうとする


「嫌味……? ちが、う……わ、よぉ……ただ、貴方、は……そう、いう……考え、方……を、する、か、な……と、思った、だけ……だ、もの。感想、よぉ」

人差し指を小さく横にふる


「悪い、こと、では……ない、わぁ……人、には……それ、ぞれ、が……ある、の、だ、もの……けれ、ど……貴方、は……不、愉快……? それ、なら……困る、わ、ねぇ……?」


小さく、首を傾げる

「さ、て……それ、とぉ……ろく、でも、ない……? そう、ねぇ……たと、えば……自分、には……どう、にも……でき、ない……と、か? ふふ、そう、なら……真摯、ねぇ……?」

人差し指を唇に当て、考えるようにして……指摘した

霧島 孝介 > 「そう、すか…」

今まで見たことない彼女の熱意に若干引きつつも
知らなかった側面を知れた気がして、嬉しいような驚いたような複雑な心境になる

「いえ、嫌味で言ったんじゃないって分かってますよ
 不愉快にも思ってません…というか、現実をちゃんと見ている人からすれば、
 僕の考えは滑稽だってこと、分かってますから」

今、相対している人物が本気で相手を傷つけるようなことは滅多にしないことは理解している。
苦笑いで相手を気遣うように手を向けて、自虐も挟んでいく

「っ…真摯、ですか?」

直後、自分の思考を読み取っているかのような発言にはっとしつつ
目を見開いて彼女を見据える。

シャンティ > 「あ、ら……そ、う? どう、お、わ、び……しよう、か、しら……って、思って、いた、の……だ、けれ、どぉ……?なに、が……いい、かし、ら……って」

嫌味ではないとわかっている、不愉快でもない、と言われ。人差し指を唇に当てたまま、首を傾げる。


「滑稽……? いい、えぇ……感心、よぉ……だって……真摯、だ、から……ああ、いう、の……は。娯楽、に……する、か……諦め、て、忘れ、る、か……安心、材料に、する、か……が、普通、だ、もの。無力、感を……持ち、続け、る、のは……真摯、な……こと、よ?」

笑わず、ただ大げさに身振りをつけて語るように言葉を紡ぐ。その仕草はどこか芝居がかっていた。


「私、は……そう、いう……のを、見る、のが……楽し、い、のよ」

霧島 孝介 > 「んん…お詫びは結構です。
 強いて希望があるとすれば…こう、無暗矢鱈に近づくのをやめてください
 
 …耐性が無いんで」


お詫びだのなんだのと言われれば掌を向けて、遠慮のポーズ
そして、顔を若干赤くしつつ、顔を近づけるのをやめてくれと希望を伝える。


「……誰かが不幸になっている時に、それを何とかする力を自分が持ってるのに、何もしなかったら…
 
 一生後悔すると思う。

 …異能を持った時からずっと、そう考えているだけですよ」


息を整え、彼女を真っすぐと見据えて発言する。
その後の楽しいという言葉には「勘弁してくださいよ」には頭を抱えて困った表情を浮かべた。

シャンティ > 「ん……近づ、く、は……癖、だ、もの、ね、ぇ……善処、して、みま、しょう、か、しらぁ」

少し考えるようにして……そして応える。ふざけているようで、真面目なようなそんな調子。
それから、答えを聞いてゆっくりと顔をあげ……少し、離れる。

「そう……じゃ、あ……貴方、に、は……そん、な……力、が……ある、と……?」

じっと……見えないはずの虚ろな目で見据える。

「その、思い、は……とて、も……輝か、しい……わ、ぁ……それ、は……とて、も……尊い、もの……ええ……誰、が……どう、いおう、とも」

静かに、言葉を続ける。また、やや芝居がかって天を仰ぐ


「それ、を……真摯、と……いう、のよ。そう、いう……心を……そし、て……そう、で、はない、人も……すべて、すべ、て……私、は……愛、する……人の、あり方、を……喜、ぶ……ふふ。そう、いう……もの。」

そこで、小さく首を傾げ

「ええ、だか、ら……悩む、と……いい、わ……それ、は……貴方、の……糧、に、なる」

霧島 孝介 > 「はは、頼みますよ。僕みたいな男子にはちょっと刺激が強いんで…」

乾いた笑いを発しながら、頬を搔く。
相変わらず、相手の真意は理解できないが、応じてはくれたようで
ほっとしたように胸をなでおろす。

「…わかりません。実はあるのかもしれませんけど…、それを振るうのが、怖くもあります」

自分の手を見て、微かに蒼い光が舞う。
人を活かしも殺しもする力。それを振るう正しい方法が、未だに分からずに、行動を躊躇してしまっている。

「綺麗事、と片付けられちゃったらそれまでですけどね」

と彼女の言葉を台無しにするように、自虐を重ねて


「……貴女の事を少しは分かったつもりでしたけど、多分、一生理解できないと気がします」


少ししか歳が離れていないはずなのに、言葉に含まれる意味が違くて
そんなことを軽々と発することができる彼女に、敵わない、なんて思いつつ目を細める。


「さてと、そろそろいい勉強に戻らないと…!シャンティ先輩は寮、でしたっけ?」

ついつい話し込んでしまい、ふと時計を見れば、勉強の時間に
大きく伸びをしながら、問いかける。

シャンティ > 「……」


人差し指を唇に当てて、考える


「力、なん、て……いう、けれ、どぉ……貴方、も……私、も……神、様……では、ない、わぁ……? なに、も……かも、でき、る、かも、しれな、い、し……なに、も……でき、ない、かも……しれ、ない。それ、は……現実、よ? そし、て……正義、も……悪、も……人、や時、に、より、けり……絶対、は……ない。」


そして、くすり、と笑う


「な、ら……ふふ。大事、なの、は……自分、の……力、が、どう、こう……よ、り……どう、したい、か……じゃ、ない、か、しら、ねぇ……?」

くすくすと笑いが響く


「あ、ら……私? 私、は……とて、も……シンプル、よぉ……? ふふ。ま、あ……それ、は……おい、おい……今日は、もう、帰る、の、よ……ね、ぇ? 」

そこまでいって言葉を切り……


「……私、は……ええ。とり、あ、えず……寮、で……いい、か、しら……」

そう、謎めかせて答えた

霧島 孝介 > 「自分がどうしたいか…」

核心を突いた言葉に感極まり、それを復唱する。
そうか。なんて簡単な事だったんだろう。
悩んでいるのが馬鹿らしくなって、さっきまでのモヤモヤが晴れた。

「そうですか?ま、まぁ、今日は帰りましょっか」

シンプルと言われて、首を傾げながらも、帰路へと着く。
そして、また意味深な言葉に対して小声で

「…そういうところですよ」

呆れたように呟いた。

シャンティ > 「えぇ……そう、よ……がん、ばって、ね……ふふ」


くすくすと笑いながら、女も帰路につく
くすくすと、小さな笑い声を小さく響かせ……

「……ふふ。そう、シンプル、よ……? ええ、とても」

ご案内:「常世大ホール」から霧島 孝介さんが去りました。
ご案内:「常世大ホール」からシャンティさんが去りました。