2020/06/14 のログ
ご案内:「転移荒野」にフィーナさんが現れました。
フィーナ > 「……………」
荒野の一角。
ぽつりと立つ樹の傍らに、小屋がある。
そこでフィーナは寝泊まりしている。

ご案内:「転移荒野」にレイさんが現れました。
フィーナ > 「…………!」
むくり、と起き上がる。

レイ > 「お邪魔します。フィーナ師匠」

転移広野は反響で自分の場所を把握しにくいため、常に目を少し開いている。
先日師匠から教えてもらった彼女の住むと言う辺りまで来てみると、樹があり、その近くにポツリと小屋が建っているようだ。
入り口から、中を覗き込んで見れば、起き上がった師匠に気づいて挨拶すれば、小屋の中へと足を踏み入れ、彼女の前で一礼する。

フィーナ > 「ん。それじゃあ、まず…………どこから始めようか。魔術については知ってる?」

起き上がって、テーブルの紙を手繰り寄せる。以前書いてもらった辛い順の感覚だ。

レイ > 「はい、多少は。一応少しは使えるので」

師匠からすれば随分と低レベルなものなのだろうが、一応感覚を弱める魔術を使うことは出来る。
なので、魔術について知っているかと尋ねられれば、まあ知ってはいるだろうが大したレベルではない。
先ほどから淡々と冷静な風に喋っているが、実際は体質をどうにか出来る魔術を学べると言うことでかなり楽しみにしている、端的にいえば興奮しているが、表に出すと耳に響く...

フィーナ > 「なるほど。今ここで使ったり出来る?」
少し考える風を装って。多少なりとも魔術の扱いを知っているのならやりやすい。あとはどこまで知っているか…実際やってもらって完治してもらうのが早いだろう。

レイ > 「はい、わかりました」

使ってみて、と言われれば、ひとまず痛覚を弱めるように魔術を行使する。
言うなれば麻酔のような魔術だ。一時的に痛覚を鈍らせる。
使いすぎると 耐性が付くらしいからあまり使わない。
魔術としてのレベルは低いため集中も時間もいらない。

「使いました、この状態ならこんなことをひてもだいじょうふです」

魔術を行使し、その状態で自分の頬を抓る。
少しびびってはいたが、特に痛みを感じている風ではなさそうだ。

フィーナ > 「…ありがとう、もう良いよ」
単純な魔術だ。いや、魔術と言って良いのだろうか。
やっているのは神経に魔力を充填して伝達物質の鈍化を行っているだけ。術式すらない。
「1から教えればいいというのはよくわかった」
魔力が扱えるだけなのだろう。術式構築から教えないといけない。

ごそごそと置いてある鞄の中から分厚い辞書のような書物を取り出す。『魔術を扱う為のイロハ・初級編』と書かれている。

「これ、読んで。わからないことがあったら教える。」

そう言って手渡すだろう。

レイ > もういいと言われれば、頬を抓るのをやめて、数秒置いてから魔術を解除する。
こうしないと抓った直後の痛みがダイレクトに来る。
まあ数秒置いてもじんじん痛むのだが...
一回それで泣いたことがある。大泣きできないのも辛いし翌日一日中目を押さえていた。

「そのレベルですか...」

この魔術を教えてくれた教師に感謝した。随分とレベルが低くかつ使える魔術を教えてくれたものだ。おかげでいままで何度もお世話になった。

「わかりました。
その時はお願いします」

手渡された辞書の分厚さに中々に絶望を感じつつ、初級という文字でさらに絶望を深めるがこんなところで諦めていられない。
一歩基1ページずつ進んで行こう、と読み出す。

...

4ページ目からわからなくなった。
「師匠、ここは...」

フィーナ > 「あぁ、ここは魔力と現象を結びつけるやり方について。こういう術式を用いて……」
聞かれれば丁寧に教えるだろう。それこそ教科書以上に。

レイ > 「なるほど...ありがとうございます」

何と言うか私が今まで使っていたあれが初歩の初歩であったことがよくわかる。
...あれは魔術じゃないかもしれない。なんて呼べば良いか分からないから魔術って言うけどあれは魔術じゃない...
さて、教えてもらった通りにやってみれば、上手く行ったようで。
珍しく感情を表に出して小さく微笑んで見せる。

「師匠できました」

嬉しそうにそう報告するだろう。

フィーナ > 「ん。とりあえず形にはなったね。じゃあ次これ」

『魔術を扱う為のイロハ・中級編』を手渡す。

レイ > 「え?全部読まなくて良いんですか?」

この分厚い辞書を読み切れてないどころかろくに読めていないのにもう次に進むのか、と驚いた表情で問いかける。
ついでに意外と途中までは楽なのかもしれない、などと楽観的なイメージを抱いて。

フィーナ > 「初級は術式を形にするための知識。それが出来るなら次。中編はそれの応用と禁則について。ここは長いから頑張って」
本来であれば後の方に魔力の動かし方なんかが載っていたのだが、それについては教える必要はないと判断したのだ。

中級についても、出来ると判断されれば飛ばされるだろう。

レイ > 「あ、はい頑張ります」

心の中を見透かされたような言葉。意外と楽かもとか思ってた自分を殴りた...くはない。突付きたい、そう突っつくだけだ。
さて、中級のものを受け取れば、これをまた少しずつ読み進めてゆく。
応用については、最初の方はまだどうにかなるのだが、少し進めれば分からない部分が出てきた。禁則などはあくまでも知識や理解の範疇なので特に疑問はないが
「これってどうやって扱えば良いんですか?あれと重複する気がしますけど...」

少しはわかってきたようで、理解した分野で理解できない部分を特定して聴くようになって。

フィーナ > 「あぁ、これは逆に重複させないと駄目。これとこれが密接に関わってて…」
理解できない部分を理解できる部分と結びつけるように、教える。
短時間でこれなら意外と素養はあるかもしれない。

まぁ言ったところで調子づくだけなんで言わないけど。

レイ > 「なるほど...ってことはこうして...出来ました」

実際、レイには魔術の素養がある。
そもそもが遺伝子改造キメラ。魔素やら魔力を感じやすくなるような遺伝子は組み込まれていないが、その製造過程で魔術が使われていることは想像に難くないだろう。それに、実験の目的は優秀な兵士である。

「あ、もしかしてこれとさっきので...あ、出来た」

次のページを捲ってすぐ、何をやるかみれば即座にどうすれば良いか理解した。
そして実践してみれば想像以上に上手く行ったようで嬉しそうにしており。

フィーナ > 「…………」
こういう時が一番危険だ。出来ると思ったときに大抵やらかす。

「慎重にね。禁則破ると危ないから」

警告はしておく。

レイ > 「はい。気をつけます」

次のページは師匠の警告を後押しするかのように、禁則についてのページだった。
これも、知識として把握、理解して脳内の本棚に仕舞う。

さて、次のページへと向かえばまた同じような流れで回路の応用をしようとするが...
さて、フィーナ師匠の薦めるだけあって、 丁寧なこの本だが、調子に乗った、と言うか順調に行き過ぎている人間というのは恐ろしいものだ。
罠ではないが、巧妙に組まれた裏に、例えそれが示されたものであっても。
自分のペースに乗っていれば、容易に見落とすものだ。
そのページの応用する事項の少し下には、禁則事項に注意するように書かれていた。
それに気づかない順調な人間基キメラこと少女レイ。
気づかないままに禁則事項に触れるだろう。

フィーナ > 「!」
バチリ、と術式が焼ける。

フィーナが干渉を行ったのだ。
「216頁、下。」
指摘項目を教科書の頁数で教える。

レイ > 「キャ!耳が...目が...手が...」

至近距離、というよりかは目の前で自分の術式が焼ける。
目を慌ててとじ、耳を両手で押さえつけてその場で悶絶する。
しかし、異常な聴覚はそんな状態でも師匠の声は聞き逃さない。

「え...あ...すみません...」

指摘されれば、自分が禁則事項に触れたことに気づくだろう。
そして、慌てた様子で謝って。
もう一度最後までしっかりと目を通してから、今度は禁則事項に触れない方法で術式を構成、行使する。

フィーナ > 「ん、OK.気をつけてね。『今のじゃ済まない』から。」
はっきりとした警告だ。実際、下手を撃てば顔が飛んでいたかもしれない。
しかし今のでも反応がきついのか。
「もう少し練らないとな…」

考え込む。

レイ > 「ッ...わかりました。気をつけます」

『今のですまない』とはおそらく、弾ける程度では済まない、ということなのだろうが。
自分からすれば今のがもう一回あるだけでも中々に辛い。
その後に続いた師匠の発言に小さく「すみません...」と返し、次の部分へと進む。
今度は、しっかり最後まで内容に目を通す。
進むペースは落ちるが、先ほどのような目はもうごめんだ。

フィーナ > 「…………」
学ぶ様子を見ながら、考え込む。

常時必要なら、常時出来るように組まないといけない。既存のものも使って…

レイ > 「師匠、どうかしましたか?」

てっきり、しでかした私について少し考えているのかと思ったが、そうでも無いようで。
気になったため声をかけてみる。

フィーナ > 「考え事。貴女は学んで。」
今の次元だとまだ彼女は理解できない。学んでもらわなければ。

レイ > 「あ、わかりました」

おそらく、自分には分からないようなことを考えている...のだろう
師匠の考え事は師匠に任せて、自分は次へと進む。
まだ少し痛む耳を片手で押さえ、次の術式を構成し、行使しようとするが、ここはまた難しい、でも、今は師匠で考え事があるし、少しぐらいは自分でも解決してみようと奮起しており。

フィーナ > 「っと、そろそろ時間だ」
気づけば日が傾いている。夜になると帰すのが難しくなる。

「帰るよ。支度して」

レイ > 「わかりました。と言っても特に何か持ってきた物もないので帰れますよ」

帰る時間、と言われればまだ居たい、とでも言いたげな風にしているが、迷惑をかけるわけにも行かない。
中級の本を差し出して立ち上がれば、「ありがとうございました」と一礼。

レイ > 「それでは師匠。またお願いします。
おやすみなさい」

師匠の小屋を去るときにもう一度一礼。
帰ったらどうすればあの術式を行使できるか考えよう。
これから学びを進めていくのが楽しみで仕方がない。
そんなことを思いながら、転移広野を去っていった。

ご案内:「転移荒野」からレイさんが去りました。
ご案内:「転移荒野」からフィーナさんが去りました。