2020/07/03 のログ
■サクラ=ウィンスピー > 次はこちらの番と遠吠えが終わり顔を下げると共に極大のブレスが放たれる。
一つは周囲を燃やし尽くし、一つは周囲を腐らせる。
周囲を巻き込んで吐き出されたブレスがこちらに向かってくるのを見てサクラは、やはり笑っている。
「あは、良いな良いなー。それボクも使えるようになりたいー。」
クルクルと薙刀を回してまた同じように構える、先程よりも深く重く腰を落として片手を上げて腰を捻り強くギュッと引き絞る。
「ストレンジ、パワースラッシュ、集中、拡散…。」
それほど早いわけでもない極大のブレスが目の前まで迫る。逃げることは可能だがそれをしてしまうと周囲の被害がすごいことになってしまう。
となると、正面から打ち破ってかき消してしまうしかないわけで。
一気にスキルを開放させていく。
強化、強化、クリティカルアップ、そして攻撃の広範囲化。
そこまでしてもまだ全て消し去るには足りない。
となれば、次に使うのは純粋な力でなく、技術と術技。
「せーっのっ……、爆灰斬ッ!!」
キィン! と手に持つサイゲツが鈍く光り輝く。
魔力とは違う性質を持ち、自分たちのいた世界ではごくあり触れた力、SPとも呼ばれていた全く別の概念。
ソレを矛先に圧縮させ、引き絞った一撃を縦に一閃、大きく振り放つ。
振り切るとともに眼前に迫ったブレスだけが切り払われる。
…………。
そして一拍。
周囲の空気を一気に巻き込んで圧縮し巨大な斬撃が発生する。
地を這い、周囲を薙ぎ払いながら進んでいく巨大な斬撃はその先にいた三首の狼を巻き込んで爆発した。
■サクラ=ウィンスピー > 爆発によって、周囲のブレスは無効化されて散り、辺りが晴れる。
斬撃の当たった箇所は少しエグれており、直接当たった三首の狼は真っ二つになって倒れている。
「ふぅー……あ!、間違えて倒しちゃった。」
少しは楽しんでいこうと思っていたのだけども、被害を考えて思いっきりやりすぎてしまった。
もうすでに動かなくなってしまった、狼に駆け寄り大粒の涙を浮かべる。
「どうして…そんなに柔らかいんだよー!!」
なんとも理不尽な事を叫びながら泣き崩れる。
とはいえ、倒したのは楽したのだ。
泣きながらもサクサク、サクサクと手持ちのナイフで解体して部位を分けていく。
それっぽい使えそうな皮や牙、あとは魔力結晶なんかを戦利品にしつつ一時間も掛からないうちに残るのは血溜まりくらいだ。
「この子のお肉食べれるかな?…村に帰ったら焼き肉にしてみよーっと。」
先ほどまで泣いていたのはなんだったのか、ニコニコとしながら村の方へと帰っていった。
■サクラ=ウィンスピー > ちなみにその狼の肉は大層美味しかったようです。
ご案内:「開拓村のはずれ」からサクラ=ウィンスピーさんが去りました。