2020/11/28 のログ
ご案内:「転移荒野」に火光雷鳥さんが現れました。
火光雷鳥 > 転移荒野――落第街と同じくやばい地帯だと、この島に来て最初に知り合った同級生から聞いた事がある。
つい数日前、知り合いの先輩からも転移荒野は落第街と同じく危険だとちらっと聞いた覚えがある。

(――君子危うきに近寄らず、最近は裏常世渋谷とか落第街とか、禁書庫とかやべー場所に迷い込んでばかりだし)

だから、ついつい変な場所に行かないように自分なりに注意していたつもりだった。
とはいえ、普段の生活圏内ではそうそうヤバい場所には迷い込まない…筈だ!
まぁ、最近立て続けにどういう訳か迷い込んでるので説得力はあんまり無いのだけど。

で、それはそれとして何時ものバイト。今回は魔術による転送の実験及び体験レポートの一日バイトだ。
既に自分以外は何人か体験しており、特に問題も無かったらしいので、バイト代に釣られて自分も受けてみた。

「―――で、何で俺の場合だけ見事に事故ってんのさあああああ!!!!ここ明らかに転送ポイント違うだろ!!!」

右を見ても左を見ても荒野、というかどう考えても街中とかその近郊という感じではない。ついでに言えば何かここもやべー感じが何となくする。

「…ってか、これ普通に遭難案件なんじゃね?いや、マジでどーすんだよ…。」

どうしてこう、立て続けにやべー場所に迷い込むんだ。俺は凡人なんだからハードモードは辛いです。

ご案内:「転移荒野」に砂金雲英さんが現れました。
砂金雲英 > 転移荒野には様々な生き物や色々なものが《門》を経てやってくるという。
去年あたりにうっかり戻れなくなってそれからずっと転移荒野と
異邦人街をうろついているというその生き物は 赤黒の鱗に覆われた全身5mクラスのドラゴン。
人一人くらい乗せても平気そうなそのドラゴンがここ最近 転移荒野で目撃…。

ばさぁばさぁばさぁと空気をはたく音を重低音宜しくたたき出しながら
低空で転移荒野の空を動いているのが見えるかもしれない。

声が聞こえた気がしたので 腕に覚えのある人物がいるのかと進むべき方向をそちらへと変えて接近を試み始めちゃった!!

火光雷鳥 > その《門》や《龍》とふかーい関わりがあるこの自称凡人少年だが、この時点ではまだ本人に自覚は無く。
ただ、転送魔術の事故で転移荒野の何処かに放り出された現状、周囲を見渡して途方に暮れていたのだけれど。

「……へ?」

何か音が聞こえる。こう、何か重苦しい…力強く何かが羽ばたいているような音が。
自然と、そちらへと赤い目を向ける――まだちょっと距離があるので目を凝らして――凝らし……は?

「…………うん?」

『それ』を見てから一度目を擦る。
二度目――今度は頬を抓る。
三度目――目元を軽く揉んだり頭を振ってみる。
四度目――どうやら疲労による幻覚とか夢の中、とかいうオチではなさそうだ。

「……えーと、ドラゴン?ファンタジーで御馴染みのドラゴン?わぁーー…。」

と、呆然としていたが思わず乾いた笑顔を浮かべて接近してくる赤黒い鱗に覆われた龍を眺めていたのだけど。
直後にハッ!?と、我に返り思わず叫んだ。

火光雷鳥 > 「なんでドラゴン!?何でこっち来んの!?ハードモードとかそういうレベルじゃねーーーーーよ!!!!」
砂金雲英 > ドラゴンにしては小さい部類であった。
上には上がいるもので怪獣サイズから手のひらサイズだったり
もこもこふわふわのドラゴンですかあなたな種まで千差万別。
人が乗れても不思議ではない5m程のドラゴンに詳しい人がいたのなら『フツーのドラゴンだね』で終わりそうな。

彼が何度目を擦ってもそのドラゴンは消えません。
そのたびに距離が詰まってくるだけです。

ばさぁばさぁと空気を叩いてじりじりと確実に着実に叫んでいる男の方へと近づいてやってきたドラゴン
動くもの さけぶもの 生きているものに反応して近づくのであって
それが危険人物かそうじゃないかの判別と確認のために寄って来るのであって、
それがけけっして興味本位ではないのは―定かではない。

やがて どすっと僅かに地響きをたてて着地をしてしまうのです。

『GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA』
(とりあえず叫んでみるです)

火光雷鳥 > ドラゴンは勿論知っている。ただしそれは幻想の物語の中でのフィクションの話だ。
今まで本土のほうで暮らしていたし、幾ら何でもドラゴンと遭遇するような機会はほぼ皆無だったと言ってもいい。
まぁ、そう何度も遭遇するってどんな人生なんだ、と凡人からすれば思う訳だがそれはそれとして。

(やばい!絶対やばい!ドラゴンだぞドラゴン!!まだ人の姿してたら何とかこう、会話とか出来そうだけど!!)

取り敢えず逃げよう。ダッシュで逃げよう。…どう考えても逃げ切れないけどな!!
と、いう訳で回れ右!をして方向転換をしてダッシュ――恐怖で足が縺れてスッ転んだけど。

ドスッ!!と、力強く重苦しい着地音。…あ、やばい背後に居るわ。俺の人生終わった…。
とはいえ、ついつい後ろを振り返ってみれば――

「うぎゃあああああああああ!?!?喰われるーーーーー!?!?」

情けないを通り越して、むしろ清々しい程に悲鳴を上げながら凡人にしては中々の身のこなして何とか立ち上がる。
が、龍の咆哮に威圧されたのか逃げようにもまだ足が震えて動かない、ちくしょう!

砂金雲英 > ドラゴンの方は確認が一目でとれてしまった。
冒険者の類ではない、見るからに一般人に毛が生えた何かだ
年若い男の子だ ドラゴンを見た事がないのか咆哮を聞いて逃げ出そうとしている。…おわり。

ぐるるる と喉を鳴らして赤黒いというか遠目で見たら黒いので暗色のドラゴンと仮定しよう。
そのドラゴンは喰われるーと叫んでから悲鳴とわたわたと立ち上がったものの震えているのを見下ろしてから 一言鳴く。

『GURURURU。』( いやいや 人食べるとかない。)
手出しはせず、人の姿になってみるというのも急かなと思って
ちょっとだけもう少し様子を窺おうと大人しくも威圧感がひしひしと男の子へと与えてる!

火光雷鳥 > 少なくとも――『火光雷鳥』という少年は、彼女から見ればそこらの人間と然程変わるまい。
有象無象、ありふれた人間の一匹。その程度の認識でもしかしたら十分だろう。
少年は自称とはいえ、その気質は割と凡人だ。ドラゴンに目を輝かせる事も啖呵を切る度胸も無い。

(鳴いたーーーー!?つか、何!?何か喋ってんの!?出来たら日本語でお願いしたいんだけど!!)

そして、当然龍の言語や意思を鳴き声…唸り声?分からん!ともあれ、そこから汲み取る事は不可能だ。
ちなみに、彼女から見ればこの目の前の人間の少年は――清々しい程に魔力がゼロである。

「と、取り敢えず俺の言葉とか通じる!?俺、ただの凡人で小市民だから見逃してくれない!?むしろお願いします!!」

そして土下座した。迷いが無い、というかコミカルだが少年は必死である。まだ死にたくない!!

砂金雲英 > あくまで一ドラゴンが視た一青年に対する感想である。
現実的にあり得ない光景に遭遇した場合、人は恐怖のあまり
悲鳴も上げる事や逃げる事も儘ならない最悪意識を手放す事が
あるとかと聞くのでそれなのかとドラゴンはドラゴンで思ったとか。

何と考えているか ドラゴンは青年の心の内を覗けることはないので
魔力がどうのこうのとか…龍眼で見ても魔力がゼロでこれは人間だ、で終わってしまう。

「んんっうぐ。言葉は分かるよー?
 ドラゴンの声帯で人の言葉はむずあしいので、人になっちゃおう。」

ぎゅるるんと一瞬の瞬きより速い速度でドラゴンの形態から角だけ残して非常にけしからん服装の少女がすとんと着地をした。

「凡人には見えないと思うんだよ、ここ危険地帯だし。
 腕に多少なりとも自信のある者が来ちゃったりするところだからね。
 その自称小市民はなんでいるの?普通の小市民は気軽にここ来れないよ????」

こてんと上目遣いに少女は青年の顔を覗き込もうとする。

火光雷鳥 > 「しゃ、喋ったああああああああああああ!?!?」

思わず叫ぶ、いや、そりゃこちらに分かる言葉で喋ってくれと頼んだのはそうだけど!まさか本当に喋れるとは予想外である!
ともあれ、驚いている間に目の前のドラゴンは一瞬で人間…少女の姿に変わっていた。

――うん、それはいいんだ。相手がドラゴンだとか人の言葉を喋ったとか、見た目が人間になれるとかまぁ、それはいい。会話は少なくとも出来る。問題はそこじゃねぇ。

(なんっっっつーーけしからん格好してるんだこのドラゴン娘さん!?ちょっと童貞には刺激強いんですけど!?)

流石に言葉に出すのは我慢した。我慢したぞ俺!思わずツッコミを入れたくなったけど!!
ちなみに、本当の凡人はそもそも格好にどうこうツッコミ入れる余裕すら無いだろう。
そう考えると、この少年は割りとなんだかんだで適応性があるのかもしれない。

「え?あーーえーーと、だな。分かり易く簡潔に纏めると…。
一日アルバイトで、魔術の転送実験に付き合うってのがあってさ。
…で、何かそれで事故ったらしくて俺だけこんな場所に飛ばされたというか、うん…。」

やっぱ高額のバイトはやべーな、と身に染みた。転送魔術を体験してみたい、という好奇心も勿論あったけど。
それはそれとして、だ。意志の疎通が取れると分かれば、ちょっとくらいは会話をする余裕が生まれてくる。呼吸を整えながら少女を…だから服装けしからんわ!!

「えーー…それで、ドラゴンさん?別に俺をどうこうするって気はない感じ?
…もしそうなら、ここが何処か教えて欲しいんだけどさ…何せ、事故で何処に飛ばされたか全くわかんねーのよ。」