2021/10/19 のログ
ご案内:「転移荒野」にマルレーネさんが現れました。
■マルレーネ > とてもきれいな夜空だった。
キラキラと星が輝き、それがまるで手の届きそうなくらいに近く見える。
ここから先は一人では基本的に立入禁止。
荒野を少し見渡せる、ちょっとした高台。
深夜に一人、修道服姿の女がふらり、とやってくる。
年の頃は成人はしているか、女性らしい体つきをした妙齢の女性。
手に持ったランタンでぼんやりと周囲を照らしながら、空を見上げて。
「………しばらくは来ないと思っていたんですが。」
見上げたまま、かるーく苦笑。
■マルレーネ > 彼女は元気であり、明るく、それでいて忙しい。
だからこそ自分でも気が付かないけれど、ここは彼女にとって、やっぱり異郷である。
ほとんど同じような空気で、ほとんど同じような食事で、ほとんど同じような人。
だから、ほとんど気にならない。
でも、同じではない。
「………元気にしてますかねえ。」
ぽふん、と雑草の上に座ってランタンを隣において、空を見上げる。
思い出すのは、様々な過去。
寒すぎる雪景色。人だらけの王都。活気のある港町。どこまでも続く街道。
ご案内:「転移荒野」に霧島 孝介さんが現れました。
■霧島 孝介 > 「はぁ…はぁ…」
夜空を星々が埋め尽くす時間。
街では見えない転移荒野でのみ見られる星々の煌めき。
それとは正反対に泥と土が付いた学生服に身を纏い、息を切らしながら木の棒を杖代わりによろよろと歩く青年が居た。
(休める場所、水…!みずぅ~!)
下唇を嚙みながら、とりあえず現在位置を確認しようと高台に上っていく。
すると、先客である修道服の女性を目にする。
座っていても分かる見事なプロポーション。
月に照らされる金髪と碧眼が輝いて見えるが…
「あ、えっと、怪しい者じゃないです!」
対して自分の恰好はどうだ?
明らかに変質者、浮浪人のそれである。
疲れも喉も乾きも忘れて、ハッキリと大声で先手を打つ。
■マルレーネ > ………。
旅人である彼女は、環境の変化には強いつもりだった。
別れにもまた強いつもりだった。
それでも彼女は涙を流すことはなく。
にこにこと微笑んだまま、夜空を見上げていた。
だってあそこでも、私の故郷は無かったのだし。
ああ、今日はこんなに寒かっただろうか。
「……?」
はて、と首を傾げながらやってきた人影に、ちら、と視線を向けて。
「………このような場所まで、どうかしたんですか?」
ランタンを手に立ち上がれば、よいしょ、と立ち上がり。
相手のことを照らして近寄ろうとする。
■霧島 孝介 > 「いやぁ、アハハ…道に迷っちゃった…みたいな?」
彼女の持つランタンに照らされながら、その明るさに少し目を細める。
言ってることは間違ってはいないはず。
実際、水を求めてここまで来て、迷ってるみたいなところはあるはず。うん
「あの、もし持ってたらでいいんですけど、水とかないすかね?へへ…」
いつものコミュ障ぶりはどこへやら
喉が乾きすぎて余裕がないのか、彼女に申し訳なさそうに問いかけ
■マルレーネ > 「………ここは危険ですよ。 でも、よかった。
ここならまだ早々大きなことにはなりませんし、何かが出てきても守ることができますしね。」
目を細めながら笑う相手に、ころり、と軽く笑って。
相手の言葉に、ん、と一つうなずいて。
「少しだけですけど、よろしいです?
教会で作った麦茶ですけどね。」
なんて、ひょい、とペットボトルを取り出して、どうぞ、と手渡す。
半分くらいしか残ってませんけど、と付け加えて。
ついでに、怪我などはないかと見回して、確認をしていく。
■霧島 孝介 > 「アハハ、危険なのは割と知ってたんすけど…え、守るって、貴女が俺を?」
彼女の笑顔に少しドキッとしつつも、天使のような笑顔には少しは耐性というか慣れがある。
それよりも彼女の言葉にきょとんとしつつも、その意味を理解すれば少しがっくりと肩を落とす。
え、俺ってそんなに弱そうに見える?
「あ、ありがとうございます。いただきますっ…!」
教会だの修道服だの、いろいろと聞きたいことはあるが
とりあえず、今は目の前の水分にありつこうと手を伸ばす。
蓋を開けてゴクゴクと一気に飲み干す。
彼女が男性の体を見回れば、汚れや服の損傷はあれども、怪我は一つとして見つからないだろう。
■マルレーネ > 「はい、………それなりに。
困った人を助けることがお仕事のようなところもありますからね。」
少なくとも、相手は困っているようだ。
本調子でもなく、水も欲しがっている。
……まあ、私は気持ちはともかく、元気ですし?
「はい、ごめんなさいね、私の分しか持ってきていないので。」
まずは、全て飲み干すまで待つとしよう。
焦らせるようなことはせず、そのまま、周囲に気を配るように立っていて。
「……道もご案内しましょうか。 いつも、どこに住まわれているんです?」
ランタンを手に微笑みかける。怪我が無いのならよかった、と。
■霧島 孝介 > 「ま、マジですか…いや、確かに覇気は無いって自覚はあるんですけど、そんなハッキリ言います…?
困ってることに関してはそうなので助かりますけど…」
彼女の言葉にがっくりと、肩を落とすのと同時に顔をどよーんと暗くして。
しかし、そこまで自信満々に言うのであれば、彼女はかなりの強者なのだろう。
少なくとも、その辺にうろついている魔物や異形なんか小指で破滅させそうだ。
「ん…んん!!?待ってください!えっ、つまり、かかか、間接…?」
そういえば、半分しか入っていなかったし、そんな都合よく他人の分を持ってるはずもない。
目の前の超美人のお姉さんが飲んだものだろうとワンテンポ遅れて気付いて
顔を一気に赤くして、焦ったように汗をかく。
「住んでるのは寮なんですけど…すいません、まだ帰るつもりはないんです。
あ、おれ…僕の名前は霧島 孝介です。
差し支えなければ、お前を聞いても良いですか?」
彼女の道案内の提案を丁重に断った後に、窮地を救ってくれた恩人として自身の名前を先に名乗った上で、名を問いかける。
■霧島 孝介 > その後は彼女が名乗ればその名前を覚え、自身が此処にいる理由を語る。
異能の訓練のために訪れたことや、自身の異能についてなど。
彼女が気乗りすれば、もっといろいろな話をするだろうか。
その後に、彼女の案内の下で転移荒野を後にするだろう――――
ご案内:「転移荒野」から霧島 孝介さんが去りました。