2021/11/03 のログ
ご案内:「転移荒野」にマルレーネさんが現れました。
マルレーネ > よいしょ、と。
小さく呟きながら、夕暮れの転移荒野に足を運ぶ女が一人。
異邦人街に住む異世界のシスター。金色の髪を揺らしながら空を見上げて、広がる荒野に視線を落として、ふう、と吐息が漏れる。

彼女は最近は、よくこんな場所に足を運んでいた。

「なんででしょうねぇ。」

とぼけてそんなことを口にしつつも、ちょっとばかり理由も予想はついていた。
これだけ長い間、同じ場所に留まることが無かったから。

マルレーネ > 別に、この島から出て世界を旅したいとかそういう気分でもないし。
今更孤独だなんだと嘆くつもりもないけれど。

なんとなーく、どこまでも吹いていく風を眺めることが好きだった。


忙しく毎日を過ごすことで、何も考えないようにしていたけれど。
それでも漠然とした不安は、ずーっと胸の内。


「………ここは安全で、平和で、楽しい場所ですよね。」

なんて言葉にする。
自分の言葉は100%正しいのに、何故か頭の上をふらりと回って踊って。

マルレーネ > 診断は「異邦型ホームシック」。

異邦人が数ヶ月か数年おきのスパンでかかる懐郷病。
とは言われても、処置する方法は無い。
睡眠薬を時々処方される程度。

辛いかもしれないけど、早くなじまないとね、と言われた言葉は、きっと優しいのだろう。

ちょっとだけ、胸が痛む。