2021/11/13 のログ
ご案内:「転移荒野 放浪神輿」に幣美奈穂さんが現れました。
幣美奈穂 >  
双眼鏡を覗きますと、向こうの方で動くものがあります。
少しずつ右の方へ動くもの。

「今年はどうですかしら?
 無事にいけそうですの?」

尋ねる美奈穂です。
双眼鏡の向こうに映るのは・・そう、お神輿の一機。
島内中を回るお神輿の一機です。
見えておりますのは、この転移荒野を抜ける為のお神輿。
ここを通り抜けるためだけに職人が作り上げた逸品です。

予定より遅れているらしいその進行経路。
場合によっては・・なのですが。
中型クロウラーがお神輿の前に現れたようです。
避けるなどないその喧嘩神輿な姿勢、お神輿吶喊です。
お神輿の先に行く修験者たちのお声、鋭い光で撃つのですが、
中型クロウラー健在。

「ほむほむ・・かなり穢れ度が高いのですか?
 あっ、単純に頑丈なのですか。
 すると、お砂場惑星からの転移ですかしら・・?」

今年は、少し出現率が高いようです。

幣美奈穂 >  
そんな美奈穂は、風紀委員会として祭祀局の空飛ぶお船に乗っております。
木造の、霊力で浮かんでおりますお船です。

今年のお神輿も職人手作りの逸品。
そして幾つかの部活動なども協力して作り上げたとのこと。
お神輿の上の雅楽隊の音色が僅かに聞こえてきます。

転移荒野のこのあたり、お昼ですととても暑いのです。
もう秋も深まってきているというのに、夏みたいです。
加護のある美奈穂にはあまり関係ありませんが。

「あっ!鬼がでましたわっ。
 あれは・・教員区中央店四天王の!」

へぇ~、ほぉ~です。
お知り合いを見つけてしまいました。
美奈穂が馴染のスーパーに時々挑戦に来るおば様です。
中型クローラーとがっぷり四つ?。いえ、相手を思えば脚の数から百二つというのでしょうか。
おっとっと。おっとっと。
うっちゃろうとして、耐えるクロウラー。
それを双眼鏡で見ている美奈穂も、合わせて体を右に左に傾けてしまいます。

幣美奈穂 >  
と、そこで物言いっ!?
と、中型クロウラーの後ろの砂が盛り上がってきています。
ざばぁ~とそこから顔を出すのは・・大型クロウラー!
あっ、鬼さんごと中型クロウラーも食べられました!

現場との念話通信も飛び交う、お船の上です。
あのままで大丈夫なのでしょうか?
いざとなればと、美奈穂もあれと交渉するか、送り返すお手伝いをするのですが・・。

『神輿、第十七形態の使用許可の申請が現場から届いてます』
『霊力や神力は足りるのか!』
『霊力120%、神力68%。5分までなら』
『――第十七形態申請、神社側から許可が出ました』
『――同じく、教会の方も許可が得られました』
『――寺院側、待ってください・・OKです』

念話している方々、色々な宗派の方たちです。
どことご連絡と許可なのでしょうか?

幣美奈穂 >  
『神輿十七形態、神輿Walker承認!』

お船の中、後ろから赤い光が立ち上ります。
と、双眼鏡の向こう、お神輿に変化が・・!
なんかがっちゃんがっちゃんと色々動いて、少しずつ持ち上がり・・二足歩行で二腕のお神輿な姿に!

この『転移荒野横断対応型神輿』の製造整備を担当するお爺ちゃん。
今回のお神輿には、ロボ研などの部活動も関わっているとのことですが、
やはり釘一本使っていないといいます。
この変形お神輿、開発にはさぞ苦労があったのでしょう・・。

大型クロウラーと相対、お神輿に乗った3つの和太鼓の旋律が鼓動の如く。

『活力充填52%、右の般若心経が足らないぞ』

後ろからの念話、ちょっと漏れてます。
ぐぐぐっと、腰を落とす感じな、その神輿Walkerとやら。
こう、飛び掛かる感じでしょうか?

『般若心経砲、発射!』

どんっ、とまばゆい光。
そしてその光が経文となり大型クロウラーを取り巻きます。
そしてその荒ぶる心を鎮めるのです。

『~~南無~~』

・・説明を聞きますと、第十七形態とは、あの般若心経法を放つための変形らしく。
効果的に心経の力を集める為に、お神輿から五方に伸ばし、そして相手に正対するためのものらしいです。
なんだー、とか思ったのですが。
近接戦闘形態は第四形態だそうです。
見る機会はあるのでしょうか?

幣美奈穂 >  
そんな、常世祭で恒例となる島をめぐるお神輿。
ただ、この転移荒野あたりはなかなか渡りきることが難しく、
毎年、挑戦をし続けているとのこと。

今年こそ渡り切れたらいいのでしょうが――今のスケジュール遅れだと難しそうです。
応援しかできない美奈穂ですが、そんなお神輿見学なお昼間なのでした。

ご案内:「転移荒野 放浪神輿」から幣美奈穂さんが去りました。