2022/04/16 のログ
ご案内:「転移荒野」に大和アイさんが現れました。
大和アイ > 「――たしか、このあたりだったかしら」

【初めてこの地に現れた時、自分はこの場所に転送されてきた。
 時代が違う上に、崩壊しきった世界からやってきたから、この場所がどこなのかという情報が薄い。たしか、調べたところによると、常世島という島の一画だったはずだ……。この時代にきて日が浅いせいで、まだ良く解っていないことが多い】

「……」

【上空を見上げる
 人工衛星にハッキングをかけて覗き見できれば、多少は解るだろうけど。この身体は、余り無茶が出来ない仕様になっている。つまり、そんなことは出来ない】

「とりあえず、コレの再調整ね」

【情報収集はボチボチ続けていくとして、今日ここへ来たのは、この場所が一番『未来』からのデータ転送効率がいいため、自分自身の調整――しいては『武装』のメンテナンスにもってこいの場所という訳だった。】

【ちなみに、コレ、とは手に持った日傘のことだ】

大和アイ > 【調整とは、すなわちプログラムを書き換えるという事に等しい。より効率の良い記述、より使いやすい記述を模索する。同じことを行うにしても、沢山のやり方があるわけで、想定と実行を繰り返して、少しずつ良くしていくしかない】


【手に持った日傘が、不自然に明滅を繰り返す。実態と虚像を行き来するかのように。日傘のプログラムが、書き換えられていく】

「……これでどうかしら」


【時空を超えてデータのやり取りをする都合上、セッティングには時間を要する。数十年前のパソコンでネットサーフィンをしれいるかのごとき、遅さだった】

(……遅い)

【思わず嘆息する。
 一つ変えるだけで、30分も待たされるのだからたまらない】

大和アイ > 【データの書き換えが終わって、傘を広げてみたり、閉じてみたり】

「あんまりわかんないか」

【データ効率を上げた分、軽量化されたと思うのだが、ほんの少しなのであまり実感はない】


「――『概念転化《デコード》』」


【次に、日傘の形態から、武装の形態に変化させる。
 同じ総データ量だが、概念を書き換える……というより本来の姿に戻すと言ったようなことだ。言わば、砂場の砂でお城を作るか、山を作るかの違いであり。山もお城も使っている砂の量は同じって言う……まぁそういう解釈】


「こっちもあんまり変わらないか。ま、記述を一行けずったくらいじゃ、こんなもんね」

【何事も、細かいことの積み重ねってことだ】

大和アイ >  
【周囲に、真っ白な、花のつぼみのような物がいくつか浮遊する。その一つ一つが基本武装という事なのだが、試し撃ちは出来上がった時にさんざんやったのでする必要はないだろう。】

「……」

【――というわけで、武装は速やかに日傘に再変換。
 結果的に思ったほどの成果はなかった】

「日傘の状態でこれ以上いじるのは、微妙かしら。……やはり、この世界で見かけた「まほう」ってやつをもう少し、技術として取り入れて行かないと……」

【そうしないと、劇的な変化はないに違いない】

「――そういえば、「マモノ」とやらも居るんだっけ……」

【技術的に取り込めるならそれも取り込もう】

「それにしても……」

【ここは見渡す限り、荒野だな、と思う。どこか、懐かしいけど悲しい。未来の滅亡しかかった世界を思い出すから】

大和アイ > 「せっかくだし、ちょっと散歩でもして帰ろうかしら」

【――ただのピクニックのような気分で、適当な方角へ向けて歩き出す。新しい発見や、興味を惹くなにかがあるかもしれない。……あわよくば、ここに来た目的に通じるなにかが有れば、見つかればいい、と淡い期待を抱きながら――】

ご案内:「転移荒野」から大和アイさんが去りました。