2022/09/11 のログ
ご案内:「転移荒野 月の湖」にセレネさんが現れました。
ご案内:「転移荒野 月の湖」にクロロさんが現れました。
セレネ > 秋の満月。中秋の名月。
陰りのない夜空に、散りばめられた星々。
一際目立つのはやはり丸い月だろう。

その湖に、降り立つ月色。
水面に立っているというのにその足は沈む事なく。
波紋を揺らし、翼を折り畳んだ。
淡い蒼の羽根が水面に落ちる。

『――良い月ね。』

見上げる蒼は満足そうに細められ、
今宵の月光浴を楽しもう。
人気の無い場所だからこそ、この姿を晒している。
普段の姿が嫌な訳ではないが、やはり此方が楽ではある。

街中とは違い特徴的なものは何もない場だが、
待ち人は無事に来ることが出来るだろうか。
…ほんの少し、不安が混じる。

クロロ >  
別に彼女に呼ばれるのはさして珍しい事ではない。
表の方ではよく合う。関係上当然と言えばそうだ。
ただ、問題は呼ばれた場所。此処は常世学園でも比較的危険地帯とされている所だ。
自分も来ることは滅多にない。用がないからだ。
煌々と光る黄金の双眸は、宵闇の中でもよくものを映してくれる。

「コッチだッたか……?」

方向音痴……ではないと思いたい。
訝しげに口元への字。適当に土を踏み分け
歩きぬけた先には荒野には物珍しい開けた湖。
夜空が吹き抜け、星空が輝き満月が蒼光が眩しく感じる。
そして、そこにいた人物が間違いなく呼び出し人ではあるが、何時もより雰囲気が違う。
湖面に佇む白鳥と言うより、そこに映る月のように美しい。

「……イメチェン?」

第一印象はそれ。
羽が生えているのはイメチェンの範疇に入るのか。

セレネ > 「――ん、無事に来られたようですね。」

月を眺めていた所、聞こえた足音と気配に安堵。
其方に蒼を移せばそこに居たのは待ち人である黄緑髪の彼。
しかしいつもと違う己の姿に驚いているようだ。
…それもそうか。

「この姿は基本的に人には見せませんからね。
…実は、此方の姿が本当なのですよ?」

クスクスと笑いながら、湖の上からゆっくりと彼の方へと歩いて行こう。

「兎も角、わざわざ来て頂き有難う御座います。
一緒にお月見でもと思って、お気に入りの場所に呼ばせて頂きました。」

微笑み、来てくれた事を喜ぶように。
水面から地面を踏み締めると、煌々と輝く彼の金を見上げる。
月にも似た、その金色を。

クロロ >  
「オレ様の事なんだと思ッてンだよ、お使いじゃあるめェし
 ……今回はオレ様にわざわざそのカッコ見せるために呼ンだッてワケか?」

そして、それにうってつけなお気に入りの場所を選んだわけだ。
正直今更翼が生えようが化け物だろうが驚きはしない。
そもそも、自分自身が炎人間だっていうのに、この時代にちょっと形が違う位で驚きもしない。
どうせなら、一緒に案内してくれればよかったのになんて思った。
そんな心の準備が必要なほど、信用がないか、とも。
ケ、と何処となく面白くなさそうに地面を蹴った。

「今更どンなカッコでも驚きゃしねェよ。
 にしても月見、な。お前は毎日こンな事してンのか?」

月見と聞けばドカッとその場に座り込んだ。
当然今は炎の体だが、この衣服を着ている限り燃え移る事はない。
一応水辺、なるべく湖から離れておく。
何かあって"入水自殺"なんて笑えない。
近づいてきた彼女に隣に座れよ、と顎で指して月を見上げた。

「あンま気にしたことねーなァ、月見とかも。お前、そーゆーの好きなワケ?」

セレネ > 「湖といっても此処なら他の場所もあるかと思いまして…。
んー、半分その目的もありますが。
一番は貴方と一緒に月を眺めたかったから、ですね。」

いつもは一人だったり、夜色の彼女だったりだから。
それにしてもやはり己の本当の姿を見ても
特に驚きもしていないし感想もないらしい。
興味がないのか、気にしていないのか。
分からないけれど。
どこか不満そうに地面を蹴る彼に、どうしましたと緩く首を傾げて。

「そうでしょうね。
貴方ならそうだろうとは思っておりましたけれど。
えぇ、曇りや雨の日以外は外に出て月光浴をしておりますよ。」

己の主な魔力供給源だから。
その場に座り込む彼から、隣を顎で示されると
大人しく隣に座ってしまおう。

「勿論、好きですよ。
お月見だけではなく、他のイベントごとも好きですね。」

尤も、人々が楽しそうにしているのを見るのが好きだから、という理由だが。

クロロ >  
「オレ様と月をだァ?見てて面白いモンなンかねェ。
 月にウサギがいるとか、ヘンな事思ッてンじゃねェよなァ?」

流石にそこまで乙女チックな事を言い出したりはしないだろう。
人の趣味にとやかく言う気はないが、月を眺めて面白いとは思わない性質だ。
物思いに耽るのと同じことなんだろうか。よくわからない。
隣に来ればようやく涼しくなってきたというのに
ほのかに熱を感じるのは、炎の熱。何時だってクロロの隣は暖かいものだ。
フゥン、と適当な返事をしながら月を見上げ、横目で彼女を見やる。

「そのゲッコーよくッつーのは、お前にとッて趣味なモンか?」

と、適当に話を振りつつふと過る。
この前の夏祭りの事。イベントごとも好きだと言うが
前回のは、色々あって少し思うところはある。

「この前の夏祭りもか?
 お前、色々あッたみてーだけど、戦争?とかなンとか言ッてたがよ」

「もしかして、姿を"偽装"する前に体験してたことか?」

故あって普段は翼を見せてはいないと見た。
それに関してはどうこう言わない。
この際だ。本当の姿を見せてくれるほどに信用があるなら
彼女の事を知るいい機会だ。色々聞いておくとしよう。

セレネ > 「月に兎?
…いいえ、そのような事は一度も思った事はありませんね。」

可愛いとは思いますけれど、と彼の言葉には首を横に振る。
面白いと思うか思わないかは人それぞれだ。
だから、無理に好きにならせようとは思わない。
彼の隣はいつも暖かい。もっと寒くなれば、
その熱が嬉しいと感じる季節になる。
…現状、暑すぎる事がないのなら特に問題はない。

「趣味…というか、必要な事というか。
貴方が物を燃やして魔力を得ているのと同じですかね。」

最近は彼から魔力を頂く事もあるけれど。
本質はやはり、月からの魔力だ。

「…正確には此処の世界に来る前、ですね。
人前でこの姿を晒してしまえば目立ちますし…。
前の世界でも、この姿ではなくいつも見せている姿ではありましたよ?」

自身が女神であると、その時は知らなかったから。

クロロ >  
「なンだよ、やッぱそういうとこ可愛げねーな」

勿論微塵も思ってるとは思ったことはないが二人きりだし揶揄ることにした。
乙女らしい乙女像なんて、生憎彼女に抱いたことはない。
夢見る乙女なんて可愛げはないが、それはそれで弄りがいもある。
カカッ、と喉を鳴らして笑う。心なしか月もなんだか笑ってる気がする。
生憎、ウサギが飛ぶ気配は微塵もないが。

「成る程、そーゆーンか。
 ……それオレ様とヤンのいる?」

魔力供給目的と言うなら合点がいく。
それなら自分との行為はいるのだろうか。
男と女の関係とか、そういうのを考えない所は相変わらずと言うべきか。
若干訝しげに顎を首を撫でつつ、そのままごろんと寝そべった。
後頭部の裏に手を置き、のんびりと月を眺めていた。

「フゥン。で、どンな世界なンだ?その、前の世界ッてのは」

セレネ > 「あら、可愛げのない方が
貴方の彼女として相応しいと思っていたのですけれど。」

可愛らしい女性の方が好みなのかしら、なんて。
彼が望むなら、頑張って可愛らしい女性を演じてみせるが。
喉を鳴らして笑う彼は、どことなく楽しそうにも見えた。

「必要ですよ?
月が見えない日が続くと辛いですし、
何よりあれも立派なコミュニケーションの一つですから。」

秋だと台風も多いし、いつも月が見られる訳ではない。
現状、魔力供給目的というより
彼にもっと意識してもらう為の行動の一つとなってはいる。
だから、必要な事なのだと
地面に寝そべる彼を覗き込むようにしながら答えた。
胸元が寄っているのは、仕方のない事。

「…どんな、と言われると難しいですが…。
この世界と比べると随分中世寄りで、
科学の代わりに魔術が発達した世界でした。
例えるならそう。本やゲームによくあるファンタジックな世界…みたいな感じですかね。」