2022/09/12 のログ
■クロロ >
「オレ様の事どう見てンだお前???
オレ様がまるで、なンかそういうのがお似合いみたいじゃねェか」
いー、と露骨に嫌そうな顔。
愛想も人相も良くはないが、そこまで言われると少しは言いたくもなる。
愛想の無い女が似合うのか。思えば愛想の無い女が周りに多かった。
そういう事か?なんか腑に落ちそうで嫌だぞ。
「コミュニケーションなァ……」
まぁコミュニケーション行為と言うと何となくわからないでもない。
ただまぁ、行為中の彼女を見るとあれで楽しいんだろうか。
楽しんでそうだし深くは言わないでおこう。
クロロ自身がそこまでと言うか、性的な話題の手札が少ない。
何処かにあるような、中世の世界。
白紙の記憶の中でもぼんやりとそんな世界に覚えがあるような無いような。
自分は人間であると胸を張るが、この地球上の人間である確証もない。
ただ、なんとなく異邦人達の方に縁を感じるのは確かだ。
「……お前、この前の花火でどーとか言ってたろ?
その羽とかよォ、色々教えてくれよ。せッかくだ。お前の話が聞きたい」
彼女の事が、もっと知りたい。
■セレネ > 「別に馬鹿にしているとか、そういう訳ではないのですよ?
貴方の彼女として、もっと相応しくというか、
お似合いって言われるようになりたいだけで。」
彼がどうとか、どうして欲しいと言っている訳ではない。
己がどうすれば良いのか。どうすれば彼に好いてもらえるか。
まだまだ手探り状態だから。
「……貴方も何だかんだ言って
楽しんでるように見えたのですけれどね。」
一度目は兎も角、前回とか特に。
…思い出して恥ずかしくなってきたので、
小さく咳ばらいをしてはこの話は終わりにしておく。
多分、彼も行為を嫌がってはいなさそうだ。
お前の話が聞きたい、と。
付き合いたての頃は、そういうのはよく分からないと言っていた彼が。
数度蒼を瞬かせて、嬉しそうに微笑んだ。
「――私に興味を持ってくれた、訳ですね?
…そうだなぁ…。
まずは私の種族について、お話しましょうか。」
バサリ、少しだけ翼を動かして。
「私は人ではありません。
神族…所謂、神様と言われる種族ですね。
その中でも月と…狩猟の女神が、私です。
『セレネ』という名前は、本当の私の名前ではないのですよ。」
■クロロ >
「……他の奴にそういわれたいッて事か?
よくわかンねェけど、隣同士仲良しこよしならそれッぽいンじゃねェのか?」
「第一、オレ様が選ンだ女だぞ。不釣り合いだと思うンか?」
周りがどうとかは正直興味がない。
だが、どんな形であれ此方が選んだ事だ。
今となっては、それを"お似合い"と言わずなんというのか。
「…………まァ」
正直楽しかった。
ああいう征服感は嫌いではないようだったし
相手も結構受け入れてた節もあるが、まぁ敢えてこれ以上言わなかった。
正直、気恥ずかしさのが勝つ。お互い様だ。そういうことだ。
「ほーン」
人間ではなく神様だったらしい。
そういわれても特に驚く様子はない。
神だろうと何だろうと、そもそもこんな時代に驚く要素がないというのもある。
それ以上にその反応は、何処となく"慣れている"感じがあるだろう。
「狩猟の女神な。狩人に加護でも与えンのか?
で、お前の本当の名前はなンつーンだよ」
■セレネ > 「…まぁ、確かに仲良しだったらそう言われるかもしれませんが。
――そう、ですよね。私からとはいえ、選んだのは貴方ですものね。」
あの時断るという選択肢もあっただろう。
今まででも、もしかしたら別れる可能性だってあった筈だ。
それがなかった。そして、彼がここまで言ってくれるようになった。
己は逆に、周りを気にしてしまう節があるので
彼のようにあまり気にし過ぎない事を意識した方が良いのかもしれない。
「先程もそうでしたけど、貴方も驚かないのですね?
もしかして他に神族のお友達でも居るのでしょうか。」
まるで当たり前かのような反応に、不思議そうに首を傾げる。
「狩人以外にも加護を授ける事はありますよ。
……私の真名、誰にも言わないで下さいね。約束ですよ。」
翼を大きく広げ、彼を包むように。
月の光を遮るように。
そうすると、誰にも言うなと告げた後に
静かに己の真名を伝えようか。
■クロロ >
光を遮るように翼が包み込んだ。
陰る炎は静かに目を閉じ、静寂に名を聞いた。
鼓膜を揺らしたその名前を確かに、聞いた。
「──────……な」
何気なしにつぶやいた真名。
何となく呼びなれない。ふぅ、と溜息交じりに目を開いた。
月が昇るように金の双眸が彼女を見上げてる。
「さァなァ。神とかどーとか、ぶッちゃけどーでもいいし。
知り合いがいるかも知らねェ。もしかしたらいるかもな」
生憎そこまでこだわりがない。
そういう男だ。種族とか性別とか、そんなものはどうでもいい。
その人物がどうであるかは、その人物の在り方で決めるものだ。
だから、神様だろうと何だろうと、驚くになんて値しない。
「それじゃぁ、オレ様は加護を受けてるッてか?
ああ、わかッたよ。いいやしねーよ。……にしても……」
「神、なァ」
ぼんやりとぼやいた。
その瞳がぼーっと彼女を、月を見上げていた。
■セレネ > 「呼びにくかったら適当に縮めてしまっても大丈夫ですからね。
私の父も、縮めて呼んでましたし。
…呼ぶのは二人の時だけ、ね?」
部屋に居る時とか、こういう他に人が居ない時とか。
告げたのは、彼に名前を呼んで欲しかったから。
己の口元に人差し指を立てては、見上げる彼から翼を退かした。
再び月光が彼を照らす。
「ふふ、貴方らしい答えですこと。」
種の括りで見る訳ではなく、その人自身を見てくれる。
そこが、彼の良い所であり己が好いている所の一つだ。
「うん?貴方が受けているのは加護ではなく寵愛ですよ?
女神である私が貴方を愛しているのですから。」
「…何か引っかかる事でもあるのです?」
淡い蒼が、月色が、傾ぐ。
ただの呟きにしては、何とも思う所がありそうな気がして。
■クロロ >
「知られたくねーンだろ?二人きりッても、呼ばない方がいいンじゃねェのか?
お前が呼ばれたいッつーなら、少しは考えておくけどよォ」
壁に耳あり障子になんとやら。
特にこんな場所だ。誰が聞いてるかわからない。
そこまで秘匿にしたいというのなら、此方も考えるというもの。
「寵愛なァ。オレ様、今まで女神様に愛されてたって事か」
よくぞ神話で聞くような話だ。
人間の英雄に惚れた女神が受ける寵愛。
尤も、そんな胸を張れるような人種でもないし、英雄とは程遠い。
ちょっとからかうように言ってやればヘッ、と鼻で笑い飛ばした。
そう、でも確かに何かが引っかかる。
戦争。別世界。神。今まで色んな幻影が、影法師が隣を歩いていた。
「───────……」
確かに覚えがある。
ああ、そうだ。確かに"あの世界"に神はいたんだ。
大概がろくでもない奴だった。その価値観には反吐が出る。
だから、ああ、そうだ。"ムカついた"んだな。
だから、アイツ等と"喧嘩"を───────……。
「……!?」
目を見開き、勢いよく半身を起こした。
本当にそれは些細な穴だったかもしれない。
だが、一度開けば広がるもの。勢いづいた水が流れ込む感覚だった。
片手で顔面を覆い、水平線の向こうを眺めかすれた声が漏れた。
「……そういえば、そうか。アー、そッか。なンか思い出した。いたわ、神の知り合い」
■クロロ > 【一時中断】
ご案内:「転移荒野 月の湖」からクロロさんが去りました。
ご案内:「転移荒野 月の湖」からセレネさんが去りました。
ご案内:「転移荒野 月の湖」にセレネさんが現れました。
ご案内:「転移荒野 月の湖」にクロロさんが現れました。
■セレネ > 「他者に聞かれたくないのはそうですが、
折角なら貴方に呼んでもらいたいのです。」
愛する人に、己の名を呼んで欲しい。
けれど確かに場所は考えなければなるまい。
…とはいえ、こういう場なら周囲に気配もないし問題はなさそうだが…。
「そうですよ?
…貴方からも聞きたいですねぇ。
私の事をどう思っているのか、貴方の言葉で。」
言ってくれるかしら。
それとも気恥ずかしくて言ってくれないのだろうか。
或いは、まだそこまで分からない可能性もある。
何れにしても、兼ねてから聞いてみたかったことだ。
「……っ!?」
暫しの沈黙。
その後、勢いよく半身を跳ね上げた彼に、驚いて蒼を瞬かせる。
「え…そうなのです…?」
彼の記憶の断片を。
取り戻す手伝いが出来たらしい。
「知り合い…とは、どういう神なのでしょう。」
■クロロ >
「…………」
一時の静寂。
急速に景色が加速したような感覚に軽く首を振った。
夜明けと夜空が混ざった終末の世界。
覚えているとも、傍若無人な救世主様が自分たちを率いていたことも。
無謀とも思える朝鮮の末に、結果的に滅んだ事も。
額を強く押さえつけてしばし沈黙。
静かに首を振れば、落ち着いたように相手の方に視線を向けた。
「どうッて程でもねーよ。オレ様は元々ソイツと同じで妙な魔術師に"呼ばれた"らしい。
どういう経緯とか、詳しい事までは思い出せてねーけど……なンつーか、なンだッたか」
「"名状しがたきもの"、とか言われてた気がするぜ。
まァ、オレ様もアイツも多分、ロクな終わり方はしてなさそうだけどな」
あの奇妙な前髪女の面影。
それでいて人懐っこいあの笑顔がなんとなく思い出せる。
本来なら混乱しても仕方ないような情報量のはずなのに
自分でもどうかと思う位には落ち着いている。
何処となく気だるそうに眉間の皴が深まれば軽く首を撫でた。
「聞かれたくねーのに呼ンで欲しいッてワガママだなァ。
どう思ッてるかなンて、散々言ッたと思うンだけどよ」
■セレネ > 「…大丈夫ですか?」
随分と顔色が変わった。
今は人間体ではないとはいえ、
ここまでとなると流石に心配になる。
「魔術師に呼ばれた…?
……召喚、なのでしょうか…うーん…。」
彼の話を興味深そうに聞く。
色々と気になってしまうのは、己も魔術師であるから。
「…我儘な女性はお嫌いです?
あれ、言ってましたっけ?
思い出せませんねー…。
改めてお聞きしても宜しいでしょうか。」
少しばかりわざとらしく、首を傾げて問いかける。
■クロロ >
「大丈夫だ。別にどうッてこたァねェ。
寧ろなンかシャキッとしてる」
寧ろ嫌なほどに頭が冴えている気もする。
今までなくしてた体の一部が、きっちりと嵌った感じ。
気分がいいと感じると同時に、虚無感も到来している。
何処となく表情は達観と言うべきか、そんな雰囲気も出していた。
「オレ様、この地球産じゃなかッたわ。おまけに多分、人間じゃねェ」
あれだけ拘っていた"人間"だという確信は、根拠のない虚勢だと確信してしまったのだ。
この世界を見れば、ちょっと体がおかしいだけの人間は幾らでもいる。
だから少しは、希望を持てたと思ったが結局違った。
自分の弁を言えば、だからどうと言う話でもあるんだが
それでもやっぱり、自分が"そうじゃない"と確信すると虚しさもある。
ふ、と口元を緩めればまたごろんと横になった。
「オレ様は、滅びかけの世界から呼ばれたなンかだ。
……それが何者かはわかンねェけど、ニンゲンじゃねェのは確かだな」
「結局、その世界は救えなかッたがな。
此処に流れ着いた理由もわかンねェし、まだわかンねェことだらけだよ」
それでも白紙から虫食いくらいには前進だ。
かつての救世主に呼ばれたなれの果て。
誰もが知りえない、悲劇の脇役。
その燃えカスが、気づけば知らない場所まで流れ着いてしまった。
これも因果と言うのであれば、受け入れるしかない。
何となくだが、その内全てを思い出すのは遠くない気がしていた。
心なしか、クロロの周辺の熱はより暖かくなっていただろう。
吹き抜ける風も、何処となく生ぬるい。
「ワガママもいいとこだな。お前は、──────。」
熱に誘われるように、名を口にする。
「……二度は言わねェ。オレ様の愛した女、コレでいいか?」
■セレネ > 「…そう、ですか。
それなら良かった…?」
そう言う彼の顔は、何やららしくない達観した雰囲気もあり。
己は逆に、少し不安そうな表情になる。
「…お互いに人の子では無かった訳ですね。」
相手はどうやら人ではないらしい。
ふむふむと頷くも、己は悲観的にはならなかった。
彼にとってはショックかもしれないが
人間と神族の恋は成就しないのが大体だから。
「……救えなかったのは、お辛いでしょうね。
それでも、思い出せた事があったのは良い事ではないですか。」
――ただ、何故だろう。
このまま彼が記憶を全て思い出してしまう事が、何となく恐ろしい気がする。
記憶を全て思い出した後も、彼は此処に居てくれるのだろうか。
己を傍に置いてくれるのだろうか。
生温くなった風を受けながら、漠然とした不安を抱いた。
「…過去形なのですね?
”愛する女”、ではなくて。」
己の真名を呼ばれて、聞きたかった言葉も聞けた。
嬉しいけれど、そこが少し引っかかったので、
意地悪くつついてしまった。
■クロロ >
「そういう事らしいな。まァ、だからッて何か起きるワケでもねェさ
結局、肝心な所までは思い出せてねェンだ。その内思い出すかは知らねェけどな」
本当に些細な何かだったと思う。
今まで積み重ねた結果が知れた過去。
それが良い事なのか悪い事なのかは判断に困る。
どちらにせよ、全てを思い出すつもりだ。
どんな結末の過去を迎えたにせよ、己のしたことを覚えていなければならない。
そうじゃなければ、"アイツ等"に申し訳が立たないからだ。
「別に、オレ様が望ンだ事じゃねェ。オレ様を呼ンだ奴の願いだ。
辛いとかそういう事は思ッちゃねェよ。……まァ、結果は散々だったみてーだがな」
詳細な事は思い出せないが、ろくでもない結果なのはわかる。
それに、あれは呼ばれた時点で負け戦だったはずだ。
戦の内容までは思い出せてはいないが、そうでも知ったうえですがった。
それを一々、"辛い"と砂をかける事はしない。
「アー?ウルセェな。今もだよ今も。コレでいいか?」
揚げ足を取られればいー、と奥歯を噛みしめた。
相手が相手なら中指でも立ててやったのに。
「そういうお前はどーなンだよ。お前の身の上話。
なンかその、花火とかデケェ音がダメになッてンだしよォ」
「ま、だから無理に話せとは言わねェけど、頼れよ?
……二度も隣にいる奴を失うのはゴメンだからな」
辛い事も楽しい事も共有していく。
今度は仲間としてではなく、もっと深い一人の恋人として、だ。
だから念押しのように言っておく。改めて決意表明みたいなものだ。
■セレネ > 「……。」
彼の記憶を修復する手伝いをする。
それは未だに変わってはいない。
それが彼の望みなら、己はそれを優先する。
自身の望みより、他者を優先するようになったのは
果たしていつからだったか。
「貴方とその、もう一人?を呼ばなければいけない程
切羽詰まった状況だったかもしれませんね。」
散々だった、との言葉に蒼を伏せる。
己が思い起こすのは戦火に呑まれた見知らぬ国。
それでも、その国の人々は幼かった己に優しくしてくれた。
…けれど、救えなかった人々も沢山居た。
「一度しか聞けないのは残念ですが、及第点としましょう。
――私も貴方の事を愛しておりますよ。勿論、誰よりも。」
気恥ずかしいのか、それとも別の理由なのか。
もう聞けないかもしれないのは悲しいけれど、
ならば代わりに己が沢山言おう。
いーとする彼も何だか可愛らしくて、
クスクスと笑いながら。
それでもただただ純粋な想いを言葉として伝えた。
改めて。
「…私のどんなお話が聞きたいのでしょう。
――えぇ、頼れるように頑張ります。」
頼るのは信頼の証。
というのは分かってはいるのだが、
他者に頼るという事を今まで殆どしてこなかったせいもあり
上手く頼れるかが分からない。
…とりあえず、色々と共有してみる事から始めてみようか。
今はもう友人同士ではなく、恋人なのだから。
■クロロ >
「かもな」
そうせざるを得なかった。
自分の召喚者はプライドの高い男だったと思う。
その男が、剰え人ならざる者に頼ろうとした。
まだ詳細まで思い出せたわけではなかったが、多分そういう男だ。
プライドが高くて、傍若無人で、どうしようもない人間だった。
「及第点かよ。まァいいけどな」
それ位軽く言える方が気安いものだ。
言われるのも何となく慣れたものだ、と。
適当に手をひらひらさせながら、アー、と声を上げて一思案。
「なンでもいーよ。お前の過去でもなンでも。
お前の事を覚えて起きてェからな」
彼女の事を何でも知っておきたいと思うほどには既に惹かれている。
戦火の話も、今の彼女の事も知れてうれしかったとは思っている。
何でもいい。自分も話したんだ、彼女の事が聞きたい。