2022/10/09 のログ
ご案内:「転移荒野」に異能食らうモノ【花】さんが現れました。
ご案内:「転移荒野」から異能食らうモノ【花】さんが去りました。
ご案内:「転移荒野」に異能食らうモノ【花】さんが現れました。
ご案内:「転移荒野」にレオンさんが現れました。
■レオン >
生活委員会の上岡と稗田と石村が行方不明になった。
三人、揃って異能者。
事件に巻き込まれても逃げるくらいはできるはず。
風紀委員会には連絡済み。
俺も日が出ている間に彼らが消息を絶った付近を捜索していた。
多彩な生物。見渡す限りの荒野。
そして……異界から渡ってくる存在。
ここは俺にとっても決して散歩気分で来られる場所ではない。
探し出そう、三人を。
沈み始めた夕日を見て時計を確認した。
■異能食らうモノ【花】 > 探し出して、歩いているうちに…
なんだか異様な気配がする………
当たりの空気が冷え切って呼吸が苦しい様な、
地面が明らかに歩きにくい様な。
足元の植物がうっそうと生い茂っている。
その植物もこの世界のものではないモノがいくつもいくつもまじりあい、
まるで動物の様に生きていて動いている様だった。
眩い夕日に輝きてらされるように、
毒々しい花が一つ、荒野に咲いていた。
その花は、まるで自我があるかのように動いていた。
そして、何かを食らう為に、花の中央には大きな穴が開き、口の様なモノが見えた。
■レオン >
あれは………
いや、待て。口のようなものがある。
ということは、喋れるかもしれない。
この世界ではサヘラントロプス・チャデンシスという生き物が最初に直立したらしい。
そして声を得ることで知性を得た。
植物も空へ向かって立っている。
あの異界の植物も発声ができる条件はあると言える。
「あの、すまない」
「人を探しているんだ……三人の…」
「背が高い男性と、ボーイッシュな女性と、体を鍛えてる屈強な男性と…」
「心当たりがあるなら教えてくれないだろうか」
空気が冷え切っている。
気温とは結びつかない悪寒もある。
だがそれは俺の直感だ。
異界から来た者とのファーストインプレッションを不幸なものにしてはならない。
■異能食らうモノ【花】 > 「さあ…」
「我に心当たりはない」
返答が、あった。
これだけであれば、悪寒は気のせい、で済んだのだろう。しかし。
「なにせ…このところ肉塊は覚えられぬ程、食らっておるからなァ………」
重々しい声が、響く。
声は口からか、それともそれ以外からだろうか。
荒野に鳴り響く音は、耳障りな程張り付いてくることだろう。
「しかし、砕け散り我が養分となり果てれば、そやつらと再会も出来よう?」
探している人は、どこへ消えたのだろうか。
この花の聞くのも嫌になろう言葉の中では、凄惨な末路が容易に想像できるだろう。
そして、根本的に人間とは相いれない存在であることも。
「丁度腹も減ったところだ、貴様も砕けて我が枝葉になる事を光栄に思うが良い、肉塊よ。」
景色が揺らぎ、空気に毒が舞う。
荒野に伸びたツタが立っている事さえ許さないように足場を支配していく。
一瞬とて油断すれば、花の地下茎から来る襲撃が捕食を成さんとすることだろう。
■レオン >
「……そうか」
知性ある花だったようだ。
だが、それは。
邪悪な知性だった。
表情を険しくして、エッジグレイブを包んでいた布を放り捨てる。
「お前は……仲間を失った時に人間がどんな反応をするか知っているか?」
片手で器用にそれを起動させれば、凶悪なエグゾーストを響かせる。
「伐採してやる」
「それも“庭師”の務めだ」
爛れるように崩れて足を捕らえに来る地面を踏んで。
毒の舞う空気に突っ込んでいく。
毒に耐性があるとか、ないとか。
関係ない。
こいつは殺す。
■異能食らうモノ【花】 > 「ああ。知っている。知っているとも。」
「そうだ…愚かな肉塊は、激高して自ら食われに来るのだ」
「これほど滑稽な事はあるまい?」
まるで人間を見下しきったかのような言い切り方は、更に彼の逆鱗に触れよう。
だが、そうすれば容易く食えるのだから。
「まさに貴様の事だよ」
「案ずるな、すぐに我が養分にしてやろう」
打ち出される、棘。
肉塊の全身を打ち砕き、瞬時に養分に変えんと襲う。
凄まじい速度で打ち出されるソレは、明らかに物理法則に反している。
死んだ異能者の【加速】の能力。
しかし、それが異能だと理解できるのは、棘を撃たれた前か、後か。
■レオン >
殺してやる。
殺してやる。殺してやる殺してやる殺してやる。
切り刻んで火をかけ、この世界から欠片も残さず抹消してやる。
激昂して駆け抜ける、そして射出されるは棘。
右腕の異形を向ける。
棘は空中に静止し、そのまま地面に落ちた。
「上岡の加速異能………」
「喰ったわけか……学生を…」
レオンの眼光が光を曳いて空中に残る。
憎悪、そして憤激に満ちた表情で花に向けてエッジグレイブを横薙ぎに打ち込む。
「上岡は俺に“ヒーローもの”っていう文化を熱く語ってくれた…!!」
■異能食らうモノ【花】 > 「くく、下等な肉塊が何をほざくかね」
「生きとし生けるものはすべて、食い物が必要だ。」
「食われた肉塊が下等で、食った我が高等なのだよ。分からんかね?」
「…もっとも我は食いたいから食ってるだけだがなァ?」
まるで悪びれず、口から耳障りな音が響く。
「熱く…?そういえば…やけにやかましい肉塊があったな。」
「思い出したよ、この能力は、ソレのものだったか。」
「もっとも、我の方がうまく使えるようだな?」
花に一撃を加えようとしたところで、なにかが…エッジグレイブによる伐採を阻む。
まるで、そこに固定されて、動かせなくされたように。
これもまた、異能の力。
自らに向かう危害を、数秒だけ静止させてしまう障壁を纏う異能。
ただし、危害を認識していなければこの能力は発動できないし、1度発動すれば他の危害を阻むことはできないという、限定的なものではあるが…
「高等なる我とのおしゃべりは楽しめたかね、肉塊よ。」
「余興は終わりにしようではないか。」
加速したツルが伸び、毒をばら撒きながら、棘を纏ったイバラのような縄が四肢を潰さんと迫る。
捕まったら最後、血肉を搾り尽くされ養分になるまで砕かれよう。