2022/10/10 のログ
レオン >  
「弱肉強食を否定する気はない」
「ただ…俺より弱かったらお前は無駄死にさせてやるッ!!」

固定された切っ先、ギャリギャリと火花を上げて障壁にエッジグレイブが食い込む!!

「稗田の防御異能ッ!?」

あいつは……本が好きな物静かなタイプで…
こんな荒野で……こんな精神性の植物に食われていいヤツじゃなかった…

加速したツルを異形の右腕で止める。
慣性殺し。だが運動エネルギーが常に根本からあるツルは防ぎきれない。
右腕に巻き付かれながら、相手を睨む。

力任せに障壁から引き抜いたエッジグレイブで茨を引き裂き。
毒を浴びて血を吐いても。

───レオンは前に進むのを止めないッ!!

「う………」

ツルを引きちぎりながら異形の腕を振り上げる。

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉ!!!」

異形を振りかぶって“花”に向けて振り下ろした。
至純の暴力。あんなに嫌っていた暴力が……一番手に馴染む。

異能食らうモノ【花】 > 「なッ!何ィ……!!!」

障壁を使ったあと、それを力ですり抜けて迫る一撃!!

花の耳障りな言葉を吐き出す口のような部分に振り下ろしたエッジグレイブが下ろされる。
そのまま直に浴びていれば、花は一撃のもと粉砕されていた事だろう。
軽々と伐採されてしまっていた事だろう。

だが……

「なんてな。」
「この我が、肉塊に狩られるはずがないだろう。」

「如何に他の肉塊より発達した巨大な腕があったとて…」

「我は砕けぬ。」

植物独自の幾重ものいばらの壁が阻む。
新緑色の壁面が、エッジグレイブから今度は守る側に変じて。

「む……?」

「オオオオオオォ…!!」

が。

それを刈り取り花に一撃が入った。
毒々しい虹色の花びらがはらりと舞い落ちる。

「……下等なる肉塊が…」

「我に…?」

「覚えておるがいい…」

「我は更に肉を食らい、貴様の前に再び現れ、砕くであろう…」

ツタが消える。
否、物凄いスピードでここ一帯から立ち去っている。
花があった場所には、一つの穴があり、

レオンが狩り落とした花びらが散っているばかりだった。

ご案内:「転移荒野」から異能食らうモノ【花】さんが去りました。
レオン >  
「待て……!!」

ゲボ、と毒に侵食されたドス黒い血を吐いて。

「お前はここで殺すッ!! 逃げるな!!」

穴から逃げた先へと憎悪の言葉を浴びせて。

「逃げるなあああああああああぁぁ!!!」

その場に蹲り、たまたま駆けつけた風紀委員に救助される。
毒は肺まで及び、治療が遅ければ手遅れになっていた、という診察だった。

それでも、俺は。
あいつを…………

ご案内:「転移荒野」からレオンさんが去りました。