2019/02/06 のログ
アリス >  
「終わっ………」

その時、右下と言われて。
咄嗟に。
ギリギリで錬成できたのは、右手分だけ。

貝やフジツボがそうするように、プロテクターを身に纏った。
クミズ先生が言わなかったら、負傷は避けられなかっただろうけど。

「こいつら……こんな攻撃もできたなんて…」

拳銃をナイフに変えて右手装甲に纏わりつく棘の蔦を切り払う。
咄嗟の練成になると素材は吟味できないけど、何とか防御できたみたい。

「………………」

しばらく、足元に警戒をしていたけれど。
すぐに周囲のマンイーターが全滅したのを確認した。

「ああ……死ぬかと思ったぁー………」
「あ、違う違う。余裕すぎて欠伸が出るかと思ったわ、かな?」

クールで少しニヒルってどうすればいいんだろう。
今度、男友達に聞いてみよう。
防弾ガラスを土に戻して、マンイーターの解体を始めた。

玖弥瑞 > 「アリスッ!! ……あ、いや、大丈夫なようじゃな。
 いやはや、防具すら作れるとはの。機転さえ回ればまさに隙なしじゃの、アリスのジャバウォックは」

全てのマンイーターが力尽き、互いに無傷で済んだことを確認すれば、ふぅ、とようやく玖弥瑞も一心地つく。
耳栓を取り出し、ちょっと温かくなったそれをアリスに差し出す。錬成したものは返す必要があるのだろうか?

「……くく、くふふ。かなり緊張感のある戦いじゃったぞ。いや、ほぼ足手まといじゃった妾の言えた口ではないが。
 ニヒルに……とは言うたが、自己分析をする際はもう少し素直にやったほうがええの。
 戦闘中は周囲の小言や雑念は気にせず、『かっこよく勝つ自分』をイメージする。それがクール&ニヒルじゃ」

ポンポンと土を払いながら立ち上がる玖弥瑞。尻尾からは叩いても叩いても土埃が出てくる。

「……じゃが、素人評価でアレかもしれんが。アリスは十分に、凄腕の戦闘者じゃよ。
 妾はお主に助けられた。お前さんは妾の恩人じゃよ。それは確かじゃ」

ニッと歯を見せ、無垢な笑いを作ってみせる。この瞬間だけは、体格相応に幼い雰囲気を取り戻す。

「さぁ、解体は手早く済ませて、早く降りようぞ。きっと他のハンターも近くに居るのじゃろ?」

アリス >  
「咄嗟に色々できれば、バスジャックされても誘拐されても本の世界に閉じ込められても無敵なんだけど」

困ったように眉根を顰める。
なんだかんだで不運の時には助けられてばかりで。
今も、クミズ先生に助けられている。

「かっこよく勝つ自分、かぁ……覚えておくわ、クミズ先生」
「ううん、お礼を言うのは私のほう」
「ありがとう、クミズ先生。冷静になれたし、怪我も避けられた」

今の銃声を聞きつけて同行者たちが山頂に来たみたいで。

「そうしましょう……私、ヘトヘトだわ」

コア6個×3,000円。
稼げたけど、稼げたけど……

疲労感を覚えながらも、クミズ先生と喋りながら下山して。

ご案内:「青垣山」からアリスさんが去りました。
ご案内:「青垣山」から玖弥瑞さんが去りました。