2020/08/15 のログ
ご案内:「青垣山 廃神社」にラヴェータさんが現れました。
ラヴェータ > 陽が暮れ黄昏に染まり、夕闇に沈み行く廃神社。
既に廃れ縁なき者や事なき者の寄り付かぬ土地。
青垣山という場所において訪れやすく、訪れることのないそこに一匹の哀れな狐が姿を見せた。

「…先日は、ああそうだ。少年の膝で丸くなったのだったな」

とある少年とここで出会ったあの時から今日まで、ここには一度も訪れていない。
あの日の私は確か、何時もの軽薄で愉快な私だったはずだ。
寂れた鳥居を潜り、賽銭箱の側までの距離。
そう遠くない距離が長く、沼のように感じるのは。
私の足が重たいからだろうか?

「…私は何を間違えたのだろうな
どこで どうやって どうして いつから」

先ほど、日課の出頭で自らの監査役の元ー先日失望された彼、神代理央ーを訪れた。
…かつて、あれ程神代理央と居て苦しかった時間はなかった。
軽口の一つも交わされず、淡々としたやり取りをこなすだけのあの時間は…

「ああ…理央。私は何を間違った?」

辛かった。
重苦しい言葉を吐き出しながら賽銭箱の隣に座り込む。
俯き、軍帽に隠された表情は、夕闇に劣らず暗く、沈みゆく太陽のように重たい。

ご案内:「青垣山 廃神社」に水無月 斬鬼丸さんが現れました。
水無月 斬鬼丸 > さくりさくりと、昼の陽光にあぶられ
今はしんなりとうなだれる草を踏み吹き抜ける風を感じていた。
暑さは変わりはしないのだが、風に秋の匂いを感じる。
その手にはコンビニの袋。
フェイのために買った飲み物と食べ物。あと自分の分の夕飯。
本来なら真っ直ぐ帰るところなのだが
今日は少しだけ休憩。

夕暮れの廃神社はだれもいないから
休憩するには丁度いいのだが…先客がいた。
…いつか軍服の少女。白い狐の姿をしていた少女だ。

「あ…」

でも引き返すことはなく歩み寄る。

「えーと、座っていいですか?」

賽銭箱の隣。
石段の側。
そのあたりはこしをかけるのに丁度いい。

ラヴェータ > 「...少年か。久方振りだな。
なに、ここは私の所有地でも何でもない。自由にすれば良い」

僅かに面を上げ、降ってきた声の主を確かめる。
軍帽の下から黄昏を鈍く映し出す紫色の燻んだ瞳が少年を眺める。
回想の相手の声を忘れる程耄碌してはいないが、一応だ。
いや、実際はその面に何かを期待しているのかもしれない。実際は、わからないが。

「少年、今日は何をしに来た?
と言っても此処に求めるような何かがあるとは思わんが...」

意味の無い問い。
話と話を繋ぐ文節のような。いや、それにすらなれないただ空虚な今を一層空虚にするスパイス。
故に、その言葉には以前のような揶揄いの愉快な感情はなく、そこに篭るはただただ空虚な感情。

水無月 斬鬼丸 > 「ぁー…んじゃ、えと…失礼します…」

以前あったときはもう少し…人を誂うような言動が目立ったような気がする。
視線もそれと同じ、見下すと言うか自身に溢れてた気がするが…
今の彼女にそれは見えない。
人まずは彼女の側の石段。
少女の一弾下のいちに腰を下ろしてペットボトルを一本引っ張り出して喉を潤す。

「特に意味は…えーと…休憩みたいなもんっす。
…………ぁー…ぇー……
あー、おじょ…おね…ん~~…
貴女はなにかここに…?」

そういえば名前を知らない。
同じように聞き返そうとして少し戸惑ってしまった。

ラヴェータ > 「私の名前ははラヴェータだ。ラヴェータ=ワーフェンダー=クリークラーク
好きに呼べば良いさ...
...私が何をしに来たか、か...」

こちらをなんと呼ぼうか悩む少年に対して俯いたまま名乗る。
その様子には初対面の少年の膝の上で寝転がる無遠慮な獣の面影はない。
ただただ哀れで惨めな。喪失感を滲み出た少女の姿があるだけ。

「私は...私は静かだから来た。此処が静かだから、気を落ちつけに来た」

酷く曖昧で、中身の見えてこない回答。
"何かあった"と言う無透明な箱の中身を晒さない。
自身が他人について慮る身であると思い込んでいたが為に自身の悩みを打ち明けるのに自然と抵抗している。
誰かを頼ると言う事を録に経験してこなかった狐は、人に頼る方法を知らない。

水無月 斬鬼丸 > 名前長い。
正直、フルネームに関しては半ばまでくらいしかわからなかった。
まぁ、本人がラヴェータだと名乗っているからそう呼ぶべきだろう。

静かだからここに来たと答える少女の瞳はどこか寂しげ。
何かを失ったような…
いや、迷子のような…すこしだけ自分の妹に似ている。
そんな気配を感じた。
一度あったからこそ気づけた違和感だろう。

「そうなんですか……気持ち落ち着きましたか?」

ここに来てそのためにきた、というのであれば…
そうなったのだろうかと聞くのはまぁ自然だろう。