2020/08/21 のログ
■日下 葵 > 「いいんですよ、立ち入り禁止とかじゃないですし、これが仕事ですから」
ただ、この仕事を回してきた上司に腹が立っているだけです。
と付け加えておく。彼は何も悪くない。今のところ。
「嘘を吐くならもう少し嘘をつく練習をするべきですかね。
見たところ、異能の練習でもしていた口でしょう」
「こういう、表面だけ朽ちた木材は中身が締まっていますから、
裁断したときに断面がきれいなんです」
賽の目上に切り刻まれたサイコロを手に取ると、
まだ断面が新しいことを理由に、これは貴方が作ったものでしょう?と詰める。
「ああ、やっぱり。
いやぁ、奇遇ですね。沙羅さんのお兄さんでしたか。
彼女とはあまり仕事で一緒になることはないんですが、
方々から話は小耳にはさんでますよ」
いい妹さんです。と続けて話す。完全に兄妹だと思っているようだ>
■水無月 斬鬼丸 > 仕事の愚痴…というよりは軽口。
それを口にしながらサイコロの山の方へ歩む風紀委員。
まぁ、なんというか…嘘は速攻でバレた。
「ぐぇ…ぁ…あー、えー…すんません…
俺の異能ってその…どっちかって言うと壊すよりのもんなんで
練習するにも施設がつかえなくてー…」
問い詰められれば、目をそらしつつも
彼女の言葉を肯定する。
かと言ってスラムは危ないしコワイ。
海は人がまだいっぱいいる。
消去法的にここで練習するしかなかった。
とはいえ、嘘はついたものの、風紀委員の対応は至って穏やかだ。
「あ、えぇ、そりゃ…どうも、ありがとうございます。
ってか、噂にはなってるんですね。沙羅ちゃん」
一体どういう話なのか…。
聞くのも多少不安がある。
あの娘苛烈だし。
■日下 葵 > 「なるほど。いやぁそれにしても、よく切れてます。
破壊系の能力でここまで細かく正確に裁断するとなると、
なかなか訓練したでしょうに」
専用の施設を使わずによくここまで練習したものだ。
手に取った木材を興味深そうに観察すると率直な感想を述べる。
特別木材を細切れにしたことは怒っていないし、それ以上問い詰めることもしなかった。
ぶっちゃけ、彼がここで異能の訓練をしていたと知れればそれでよかったのである。
嘘をついていることが良くなかっただけ。
「噂ってほどのものでもありませんよ。
ちゃんと仕事をして成果を上げている人の話は自然と流れてくるものです。
あと最近恋人ができたとかできてないとかで揶揄われていたり、
相談していたりするらしいですが、沙羅さんとあまり深い面識がないもので。
お相手と噂されている方も私とは面識がありませんし」
ここまで口にして”あれ、これ話したらまずかっただろうか”なんて不安になる。
あまりにもデリカシーがないのではないかと思い始めた。
■水無月 斬鬼丸 > 「そ、それほどでもないっす。
訓練そのものは…その、ちょっとやっただけで…」
実際、血のにじむような訓練とか
何日もの積み重ねというわけではない。
むしろずっと異能の成長を恐れてサボってきたくらいだ。
それだけ、自分の異能が危険なのであろう。
他の戦闘異能を見る機会がない自分だが、おもわぬところで再確認できた。
「あ、いえいえ。
そうなんていうか…まぁ
ちゃんとやれてるんだなって安心?っていうか。
その、よかったなっていうか…えーと、別に噂がどうのってわけじゃなくて…
と、とにかく、悪い感じに言われてないなら兄としても安心っす」
相手の遠慮したような様子に再び頭を下げて。
まぁ、噂や耳に挟んだ程度。
詳しく話を聞こうという気もない。
■日下 葵 > 「ちょっとやってこの精度なら、ちゃんとやって凄まじい精度でしょう。
自在に扱えれば風紀委員会から声がかかったりして」
その時は私が推薦します、何て冗談を言ってみる。
彼の本心も知らないで。
ただ、現状風紀委員の頭数が足りないのは事実だ。
単独で動ける人間は多いに越したことはない。
もちろん、彼にその気がないならこの話は私の冗談のままである。
「うん?
別に私の所には悪い話とかは来てませんけど」
まぁ、身内の現場での評価は気になるものなのだろう。
親が学校で子供がどんな評価を受けているか不安になるのに似ているのだろうか>
■水無月 斬鬼丸 > 「あはは…それは、なんていうか…えーっと、どうも…
で、でもなんていいますか、その、俺の異能って…えーと…
風紀活動には向いてないんで…」
冗談には苦笑いで応える。
実際のところ、自分の異能は
殺傷によりすぎているフシがある。
使えば必ず何かが破壊されるか、何かが傷つくか、何かが死ぬ。
そういうものだ。
たとえ人間の…手足だったとしても
彼女が手にとったサイコロ化した木材のようにしてしまえば
その人間の人生そのものを変えかねない。
おそろしい。やはり間違っていない。
自分の考えは。
自分の異能は恐ろしいものなのだ。
「あ、そういうことなら…はい、よかったです。
会うことがあったらその…よろしくしてやってください」
目の前の風紀の考えは概ねあたり。
この場合は心配性な兄といったところか。
■日下 葵 > 「……あー、なるほど。
まぁなんです。やりたくないことを無理にやる必要はないと思いますよ」
何となく察した。
彼はきっと怖いのだろう。
自分の持っている力が、なにかの拍子に大切な人や物を傷つけてしまうことが。
その気持ちを悟って、前言を撤回した。
「でも、素晴らしいことだと思いますよ。
自分の力の危険性を自覚したうえで訓練をする事は」
撤回したうえで、言葉を選びながら話す。
そう、本当に素晴らしいことだと思う。
一撃必殺の決め技を持たない私にとっては贅沢な悩みに思えた。
しかし一撃必殺の技しか出せない彼からすれば、
私の悩みも贅沢なものなのかもしれない。
「訓練は続けることをお勧めします。
訓練して、ちゃんと使いこなせるようになって、
人を守れるようになったら、またスカウトしに来ますかね」
もしくは今すぐ風紀委員になって、
訓練施設を自由に使える立場になるのも手ですけど。
なんて言ってに茶化して見せる。
「ええ、私の方こそ、彼女のお世話になるかもしれませんから」
幼い子供たちに慕われる彼女のことだ。
きっと大丈夫だろう>
■水無月 斬鬼丸 > 「どうも、すみません。
まぁ、性質上どうしても…勝手に発動したーとか
びっくりした拍子に出ちゃったってなっちゃうと…その、シャレにならないんで…
はい、ありがとうございます」
申し訳無さそうにしつつも
素晴らしいという言葉には礼を。
今の訓練は精度もそうだが
異能の完全な掌握が主目的であるのだ。
使いこなすぶんには…
彼女が先に言ったように、熟練者とも言えるほどの精度での切断が可能なのだ。
それより問題なのが、最初彼女に声をかけられたとき、思わず視界内のものをすべて両断してしまわないか
ということなのだから。
「そのときは、まぁ、はい…ええ、考えときます…」
正直風紀になるのは気乗りはしない。
が、お断りしますと突っぱねるのも気がして曖昧な返事を返すにとどまる。
「沙羅ちゃんもお姉さんのような先輩がいれば心強いと思いますので…」
まともな風紀委員のように見える彼女。
もしものときに沙羅が頼っても大丈夫だろう。
「えっと、それじゃ…その、俺はそろそろ行きますけど
またここってつかっちゃ駄目っすかね?」
■日下 葵 > 「ですねえ、そういう”事故”が異能にとって一番怖いことだったりします」
となると、さっき声をかけてびっくりされたのは結構危なかったのだろうか。
まぁ……私の場合は細切れにされても戻るので問題ないが。
「あ、本気にしないでくださいね?
私も冗談で言ったんですから、そんなに気負いしないで」
反応に困った様子の彼に注釈。
きっと彼は真面目が過ぎるのだろうか、いちいち反応が面白い。
揶揄うためだけに本気で委員会の入会書類を送りつけてみようかなんて。
「おやおや。
そんな風に期待されたら私もあまり仕事をサボれませんね。
お手本になれるように仕事をしなければ」
そういって笑って見せる。
――いや、真面目に仕事はしてるよ?
「別にいいんじゃないですか?
ただその場合は他の風紀委員や
一般人も来るかもしれないということだけ念頭において、
安全には十分な配慮をしてください。
もし本格的な訓練をしたいと思ったら、
私に声さえかけてもらえば訓練施設の使用許可が下りるように
掛け合うことも可能です」
そう言って、自分も巡回に戻ろうとする。>
■水無月 斬鬼丸 > 初めての職務質問ということで
心境的には穏やかではなかったが
相手が真面目な風紀委員であることが幸いしてか
大事なく職務質問は終わった。
冗談を交えつつも、和やかな空気のままに…
もちろん、相手の考えていることはわからないが。
入会書類が送られてきたら目玉が飛び出る程度には驚くだろう。
「はい、わかりました。あざっす。
まあ、訓練したいってときになったら
そんときはよろしくおねがいします。
巡回お疲れさまです」
荷物をもって少女に礼を言えば歩き出す。
今度は職質されない時間を選ばなくては…
沙羅ちゃんにでも聞いてみるべきだろうか?
■日下 葵 > 「はい、次に風紀委員とかに職質されていざとなったら私の名前使っちゃっていいですからね」
風紀委員の中では無名の自分の名前にどれだけの威厳があるかは知らないが、
まぁ使えるモノはつかって損はないだろう。
私の本性をほとんど知らず、
真面目な風紀委員だと思い込んだままの彼が帰路に就いたのを確認すれば、
彼が帰るのとは反対方向に脚を勧める。
そうして、何とはない普通の職務質問は終わったのであった>
ご案内:「青垣山 廃神社」から日下 葵さんが去りました。
ご案内:「青垣山 廃神社」から水無月 斬鬼丸さんが去りました。