2020/09/24 のログ
ご案内:「青垣山 廃神社」に神代理央さんが現れました。
神代理央 >  
昨夜の一件は、中々に尾を引く事となった。
精神汚染と魔力・異能の暴走。
己の上司である小太りの風紀委員は、溜息交じりに
『此れからは気を付け給えよ』と言うに留まった。

己は、もう組織から必要とされていないのだろうか。
『多数派』の守護者として機能するに値しないのだろうか。


「………考え過ぎだ。考え過ぎ、だ」


今日は、大事を取って非番を与えられた。
ふらふらと此の場所を訪れたのは、人気のない所を無意識に探してしまったからだろうか。
煙草を燻らせ、甘ったるい紫煙を吐き出す。
しまい込んだ携帯灰皿には、既に数本の吸い殻が溜まっていた。

神代理央 >  
社会的な立場。守るべき信念。
それらが失われるという事は、己のアイデンティティの喪失に他ならない。
『風紀委員としてかくあるべき』――それを破ったのは、己自身。

「……功績を上げなければ。違反組織への摘発……
…いや、この際、与えられる仕事であれば何でも構わぬか。
己の失点は、自ら挽回しなくてはならぬ」

深く吸い込んだ紫煙を、己を包み込む様に吐き出す。
自らが吐き出した煙に目を細めながら、思い返すのは昨夜の魔力。

「…………精神面での問題を克服すれば、あの類の魔力は実に強力なもの。
あの力を得られれば、私はもっと――」

もっと、どうなるのか。
戯言めいた独り言は最後迄発せられる事は無く、紫煙と共に掻き消えるのだろう。

ご案内:「青垣山 廃神社」に誉凧さんが現れました。
ご案内:「青垣山 廃神社」に貴家 星さんが現れました。
誉凧 > 秘密航海という名のリハビリを兼ねた公安徘徊という何かを終えて
徘徊というか警邏は風紀の警邏部がやって居る事から風紀の縄張りを犯すにもならず、
警邏部に数十mにまで接近しながら、何ら怪しまれず能力などに何ら問題ないと一人で納得し静かに離れ、
青垣山にまでやって来てしまったのは、人が滅多に来ないと聞いたから、
微妙に変装も兼ねた胡散臭い格好をやめようと―特殊能力による影渡りを終了。

神社の物陰の陰になった部分より ぬそっと姿を現す浮上した隠れ公安の何か。

喋りもなく 隠密に気配も落として辺りの音を聞いて様子を窺う素振りを―…

貴家 星 > 突如として山野に轟く雷鳴の音。
見上げても雨降る気配一つ無く、聴くものがあれば首を傾げるかもしれない不可思議の一時。
程無くして、木陰より現れたるは恐ろしき雷獣──なんてことなく、私だったりする。
手には野生化していた鶏を引っ掴んでいた。

「おや、これはこれは……よもや誰かがおるとは思わなかった。申し訳ない、驚かしてしまったかな」

境内に居たのは見目麗しき……はて何処かで見た記憶のある殿御だ。
纏う衣服もまた何処かで見た──どころでは無く、己が所属している委員会のものだ。

「と、誰かと思えば"鉄火の支配者"神代殿!先だって騒擾に巻き込まれ負傷したと伺っていたが……
 もう具合は宜しいので?」

そこで漸くと合点が入り、誰何する顔がやおらに馴れ馴れしくなった。
直接の顔見知りではないが、同じ委員会に所属している同胞なれば、そうもなった。

神代理央 >  
突如鳴り響く雷鳴。
思わず煙草を握り潰し、何事かと視線を巡らせて――
ぱっちりと目が合う様に視界に現れたのは、和装束の小柄な少女。
鶏をがっちりと掴んでいる。物の怪の類かと首を傾げかけて。

「…いや、まあ。確かに驚きはしたが…。
と、私の名を知っているのかね。如何にも、私は神代理央、だが」

傾げた首の角度が深くなる。
己の名前と、二つ名を知る少女。
流石にこの様な目立つ服装の少女と出会った事があれば、記憶に残っていてもおかしくはないのだが。


その一方、雷鳴の音に気を取られ、気配を消した第三者の存在には未だ気が付いていない。
何かしらアクションを起こすには絶好の機会とも言えるし――隠密行動を取るのなら、少なくとも少年は、その存在に気付く事は無いのかもしれない。

誉凧 > 雷鳴が狐の嫁入りの様に突如として轟き終わったとしても
気配を極力殺したまま忍んでいる事に変化はなし。待機する事が圧倒的に多くて
二人の会話を物陰の暗がりから耳を澄まして潜み続ける。

『鉄火の支配者』『神代理央』そんな単語が聞こえてきた。
潜んだまま情報収取を続けているが、出る機会をうっかり逃し
気づかれるまで恐らく体勢そのものを続ける勢いかも知れない。

何方の名称にも馴染みがないことから、こんな場所に来る者たちは一体何処の何方なのかと
自分の事を棚に上げて二人の会話をもう少し聞いてどう動くか判断しようと考える―。

貴家 星 > 私の言葉と神代殿の言葉には齟齬があった。
何故なら、そう、重ねて言うが直接の顔見知りではないからである!
端的に言うと私が一方的に知っているだけだった。

「──うん、うん?………あ、成程。然り然り……
 知っている理由を僭越ながら申すなら、私も風紀委員だからでして」

大分、ちょっと、恥ずかしくなってきた。
耳がぺたりと萎れもするし、尾が数度左右に揺れるのは反射的な誤魔化し仕草であった。

「改めましてお初にお目にかかる。私は貴家 星。風紀委員の刑事課に所属しております。
 本日は委員活動の日では無かったもので、夕飯のおかずを獲りに参じた次第で」

手にした鶏を掲げるように提示する。
それなりに立派な、齢を経た雄鶏であろうことが判るかもしれない。

「何より山野は馴染み深いものでして、時折こうしておるのですが……
 はて、神代殿は如何して斯様な場所へ。これなるは廃神社でありますゆえ、詣でるには不向きかと」

首をかしげる彼に一歩二歩、と歩み歩んで三四もそうして五つの先。
足取り軽く神代殿の傍により、赤い眼の視線同士を擦れ合わすようにもしてみたり。

「話が戻りますが、先日入院なされたとうかがっております。今だ何処か咎めてらっしゃるとか?」

不躾に、上から下に、下から上にと眺めるようにもしてみたり。
よもや他に誰かが居るとは思わずゆえの御行儀悪。

神代理央 >  
「……ああ、成程。それは失礼した。
同僚の顔も知らぬ儘とは、恥ずかしい限りだな」

風紀委員だと告げる少女。
その言葉の真偽は兎も角、今のところその言葉を疑う理由も無い。
かくいう己も、全ての風紀委員を把握している訳でも無いのだし。
従って、少し申し訳無さそうな表情を少女に向けて――

「では此方も改めて。
神代理央、二年生。現在は下部組織に所属してはいないから、唯の風紀委員、という事になるのかな。
……夕飯のおかずとは、山に獲りに来るものなのか?」

同僚である少女に、改めて名を名乗り返し。
掲げられた立派な雄鶏に視線を向ければ、小さな苦笑いと共に言葉を返すだろう。

「……私も今日は非番故な。
少し気晴らしに、と思っての散歩の様なもの。
確かに、詣でるには些か不向きな場所ではあるし、そもそも私は神頼みはしない主義でな。
此処なら静かでいいかな、程度の理由でしかないよ」

此方に近付いて来る和装の少女をのんびりと眺めながら、小さく肩を竦めて言葉を返す。
返している内に随分と近づいてきた少女の紅い瞳に、此方もぱちくりと視線を合わせてみようか。

「…いや。一応検査の為に通院しなければならないが、負った傷そのものは無事に完治したよ。
入院の際には各所へ迷惑をかけたし、君にも何かしら迷惑をかけていたのであれば、謝罪させて貰いたいものだ。
怪我をして入院、など、余り褒められた事では無いからな」

少しだけ自嘲めいた笑みを浮かべかけて――此方をじろじろと眺める様な少女の視線に、不思議そうな表情を浮かべた後。
思わずクスクスと笑みを零して、そんな少女に唇を開く。

「私の顔に何かついているかな?それとも、風紀委員にしては頼りない身体付きだと思うかね?」

自覚している事を自分で言う分にはダメージは少ない…少ない…。
少女の視線の意味を問いながら、可笑しそうに笑ってみせるだろうか。

誉凧 > 二人の会話をひたすら盗聴する様な形で耳を澄まして物陰に潜んだまま聞き続けている、
出る機会を逃したままのうっかり公安委員の末端委員。
二人はどうやら風紀委員同士らしい、風紀、公安とは違う委員だったのでますます出にくい。

気配を殺したまま身動きすらしていないで潜み続ける存在。
こう何をする…何をしようにも遠距離に使えそうなものを持参していない。
二人の会話はよく聞こえるので、そのまま気づかれる恐れがあるまで?潜み続ける事とした模様。

貴家 星 > 「いやいや斯様な風体では御尤もで……」

そう述べて袂よりパスケースを取り出して学生証を提示する。
先程述べた名前、学年、所属する委員会などがきちんと記されている。
ついでに種族が妖怪であることも記されているが、別に隠してはおらんので問題無し。
堂々と胸を張るようにした。えっへん。

「故郷が山野の方にて、時折こう……神代殿も如何ですかな。
 中々どうしてよい気晴らしにも……と、病み上がりの所に騒音は失礼致した」

からの、一転して所在なく頭を垂れる。
病み上がりだから静かな所で気分転換をしたかった。のは成程尤もと頷くところである。
無事に完治したと聞けば我がことのように相好を崩し、これまた不躾に彼の手を取るのだが。

「うはは、御健勝であらせられるなら何より!
 武勇で知られる神代殿が弱っているとなると、島の治安が悪くなろうもので、
 私の方は何も迷惑は被っておりませなんだ。配置が主に常世渋谷の方でして」

神代殿。鉄火の支配者。強力無比な異能を用いたワンマンアーミー。
殲滅した違反部活の数は十の指で足らず、血気勇猛な逸話は真贋は別として幾つにも上がる。
方向性は一先ず、或いはどうであれ、抑止力として機能し得る彼の存在は、個人的には有難く思う。

同時に、細い体躯で、どちらかと言えば病弱を思わせた。

「ん、んん。そうですな。……殿御にしては些か華奢な……
 もう少しきちんと食事を摂るなど如何です?例えばこの雄鶏など」

病み上がりには肉が良い。
大層安直な思想かつ真理なことを考案し、彼の手に雄鶏を押し付けんとしよう。
雄鶏──に、傷一つ無く、まだ生きている不可思議なことが判るかもしれない。

神代理央 >  
「学生証まで提示するとは丁寧な事だ。
だがまあ、此れで疑う材料もなくなった。
…おや、後輩だったのか。であれば遠慮なく、先輩風を吹かす事にしようかな?」

と、学生証を確認すれば愉快そうに笑う。
まあ、常時偉そうな態度であるので余り変わらないのかも知れないが。

「成程、故郷――か。であれば、郷愁の想いに耽る所を邪魔建てしてしまったかな?
ああ、私の方は気にしなくても構わない。賑やかなのも、嫌いではないからな」

項垂れる少女に、気にしていないとばかりに微笑んで見せる――が。
手を取られれば、きょとんとした様にその瞳を見つめ返す事になるのだろうか。

「武勇で知られる、等と。過分かつ過大な評価でしかないよ。
島の治安も、私一人で守っている訳でも無し。
貴家も含めた、風紀委員全員で維持している治安と風紀だ。
常世渋谷、か。あそこも苦労の絶えぬ分署と聞く。
其処できちんと職責を果たしているのなら、貴家も十分に立派な風紀委員さ。私と何ら変わる事はない」

にこにこと笑いながら、後輩の労をねぎらい、その努力を讃える。
実際、己の評価など落第街で自然に広まったもので別に自身から名乗りを上げた訳では無い。
それに、己一人で違反組織を殲滅した――等と言っても、その情報を集めたのも、事後処理も。全てを己一人で成し遂げた訳でも無い。
『風紀委員』である限り、其処に貴賤等無いと。
穏やかな声色で言葉を紡ぐだろうか。

「自覚はしているのだが、如何せん運動は苦手な部類でな。
食事?確かに拘らぬ方ではあるが――」

と、其処で押し付けられる雄鶏。
思わずぎょっとしたままその手に押し付けられれば、掌に感じるのは仄かな暖かさ。

「…………貴家?確認しておきたいんだが、もしかしてこの雄鶏。
その、生きてるのか?」

傷も無く、暖かい。
思わず抱き抱える様に大事に受け取った雄鶏を腕に収めた儘、恐る恐るという具合に少女に尋ねるだろうか。