2020/09/25 のログ
誉凧 > 二人の風紀委員の様子が変わらない。二人は二人で会話が続いている。
全く気付かれていないので 今回も近距離での雷鳴というものに紛れてだけど
接近密着盗聴?実験は成功に終わった。さて、一応実験が成功したという証拠とばかりに、
物陰の陰に沈む前に、二人の方向へ向かってさびたナイフを投げつけて―

二人がいる地面なりに転がり、柱なりに軽く突き刺さる感じになったり気を紛らわせて?

最初から最後まで物陰に潜んでいた何者はいなくなったという。

ご案内:「青垣山 廃神社」から誉凧さんが去りました。
貴家 星 > 「私が吹き飛ばされない程度でお願い出来れば幸甚に御座います。なんて」

芝居がかったようにも思える尊大さに、此方も芝居がかったような遜り。
静謐な社に一時の笑い声が、和やかな風に紛れたのかもしれなかった。

「……むふ、神代殿はお上手ですなあ。そう言われてしまうと枯木も山の賑わいと思っておりましたが
 些か面映ゆく、嬉しくなってしまうもので……常世渋谷ですと昨今は行き方知れずが増えておりまして、
 中々どうして悩ましい事態ですな。幸い刑事課には頼もしい先達の皆様もおりますれば、苦労も何とか。
 と、言う塩梅でして」

神代殿の細やかな手指に触れながらに言葉が少し惑うかのよう。
先輩に褒められて嬉しくない訳が無く、些か心が和み行くものでした。
彼が食事の沙汰に然程興味が無いのなら、ゆうるり唇を笑んで注釈でもとなろうもので──

「おわっ」

そうはならず、突然と短剣が古びた社に突き立った事でついと手が離れてゆく。

「……短剣?ふむ………あ、いやいや。その鶏の事ですな。
 無論生きております。気絶しているだけと申しますか、ああ丁度いい」

神代殿より離れて突き立った短剣を視、それから視線を戻した所で木々の合間より飛ぶ小鳥の姿あり

「"以雷為轟音 響《雷を以て轟音と為す、響け》"」

人差し指を差し向けて呪言を放らば境内に"最初の時と同じような雷鳴だけが鳴り響く"
小鳥は、忽ちに石畳に失墜していった。

「と、まあこういう具合に気絶して頂いたもので。面白いでしょう」

音だけの雷。現代風にいうならばショックグレネードのようなもの。
そうした術を披露して、すこうしばかり得意顔。えっへん。

神代理央 >  
「……どうだろうな?私は其処まで評判の良い委員でも無し。
良き先輩であるとも限らぬから、気を付け給えよ?」

からからと、此方の"芝居"に付き合ってくれた少女に笑い返す。
嘗てこの社に響いていた様な、穏やかな笑い声。
祀る神を前に、多くの人々で賑わっていたであろう過去。
それらがほんの少し。ほんの少しだけ戻って来たかのような笑い声が、秋風に乗って神無き祭殿を包むだろうか。

「御上手、などと。その点に関しては本気さ。
己の職務と努力を、もっと誇っても良いのだよ。
私の様に傲慢に振る舞うのはおススメしないがね」

「…ふむ。私は違反組織の摘発に赴く事が多い故、捜査や調査については刑事課の努力に頼らざるを得ない。
苦労も多いだろうが、行方知れずとなった人々の安否は君達の双肩にかかっている。
自らの仕事を誇れる様に。悔いの無い様に。
力の限り、職務に当たって欲しい。勿論、同期や先輩委員と協力の上で、な」

己の手に触れる少女に、少し冗談を交えながらも穏やかな口調で少女への賛辞を。
そして幾分真面目な表情で、その賛辞に見合う努力を、と。
後輩委員に向ける己の表情は――案外、優し気なものであったのかもしれない。

と、そんな会話の中で社に突き刺さる短剣。
二人を狙うには力が無く、それ以上のアクションも無い。
山の神も会話に混ざりたいのだろうか、と胡乱な思考に我ながら苦笑い。

「気絶しているだけ…?それは一体――」

其処まで言葉を紡いだ瞬間、囂々と鳴り響く雷鳴。
少女に釣られる様に小鳥を見上げていれば、轟いた雷鳴に少し驚いた様に肩を跳ねさせた後。
ほうほう、と感心した様に石畳に堕ちた小鳥を眺め、再び少女へと視線を戻す。

「存外便利な能力じゃないか。こと、殲滅ではなく鎮圧や捜査がメインになる常世渋谷では、大いに有用な能力だろう。
刑事課として先ずは有用な能力を持ち合わせている。
それだけでも"同僚"として並ぶに頼りになるさ」

ぱちぱち、と放された掌を合わせて小さく拍手しながらこれまた真面目な表情で。
少しばかり得意げな表情の少女を咎める事も揶揄う事も無く、至って純粋に少女の有用性を説いてしまうだろうか。


そんな少女と会話を続けようとして――鳴り響く、己の端末。


「……すまぬ。もっと話を聞かせて欲しいところではあるが、呼び出しを貰ってしまってな…。
折角だ。もしこれ以上用事が無ければ、下山までは付き合おう」


本庁からの呼び出し。
それは即ち『仕事』が与えられるという事。
その通知音に少しばかり残念そうな表情を浮かべながら言葉を締め括り、下山迄は共にいかないかと首を傾げて尋ねるだろう。

少女が受け入れれば。穏やかな会話を続けながら、共に山を下りる事に成る。
まだ下りぬ、と言えばその意思を尊重して、此方は立ち去る事になるのだろう。

どちらにせよ、後しばらくの間は少年と少女の間を穏やかな空気が包んでいるのだろう。
どんな会話を続けていたのか。それはきっと神のみぞ知る事。
既に神の消え去った社でも、少しくらいは聞き耳を立てていた――のかもしれない。

貴家 星 > 「……なんのなんの、正直言いますと、もう少し"怖い方"かと」

良い先達ではないかも、と仰る神代殿に、悪戯を仕掛けた悪童のような笑み顔を向けて差し上げる。
そうではなかったから友誼を示すように雄鶏をお送りした──とまでは言いません。
今は上機嫌なまま、後輩を慮ってくださる優しい先輩のお言葉に耳を傾けるばかり。

その後、神代殿が感心した様子を見せるならば、本日三度目の胸を張る。
耳だってぴんと立って尾だって得意気に真直ぐ立ちましょう。

「ふふふ、ありがとうございます。そして貴家一族に伝わりし雷の術は多岐に渡りますれば──
 ……とはいえまあ危ないので使う機会は……まあ」

直ぐに言葉が濁るのは、所謂"前線"に出た経験が殆ど無いからでした。
人差し指同士をつんつくと付き合わせて視線が秋風に泳ぎ──と言った所で彼の端末が鳴った。

つまりは、そういうことであるらしかった。

「然様ですか。ではでは同道仕りましょう!あ、鶏とか捌けますか?
 もし解らなければお手伝いなども辞さぬものですが──」

それでも今ばかりは平穏な会話が転がり落ちて、行くばかり。

ご案内:「青垣山 廃神社」から貴家 星さんが去りました。
ご案内:「青垣山 廃神社」から神代理央さんが去りました。