2021/02/04 のログ
ご案内:「青垣山 廃神社」に神代理央さんが現れました。
■神代理央 > 【御約束待ちです】
ご案内:「青垣山 廃神社」に【虚無】さんが現れました。
■神代理央 >
先日の邂逅の後、男が残した通信機。
部下の手に寄らず、自ら回収したソレに短い通信を入れた。
音声通信ですらない。最早存在自体が骨董品となりつつある、モールス信号を用いたモノ。
内容は、至って簡単かつ簡潔。
【コンバン ジョウホウ ヲ ワタスカラ コイ】
それだけ。場所も何も指定が無い。
現れれば良し。現れなければ、それまでの事とでも言わんばかりの、尊大な態度がありありと垣間見える通信。
「………よもや、敵と待ち合わせをする事になろうとはな…」
ぷかり、ぷかり、と煙草を蒸かしながら。
のんびりと、悠然と。"彼"が訪れるのを、待つ――
■【虚無】 >
「めちゃくちゃな通信方法を……俺がモールスを知らなかったり無能だったらどうするつもりだ」
フワリと上からその影はやってくる。手にはアタッシュケースを保持している。
まずモールスはがんばって解析し、相手がいるであろう場所を予想した。流石に風紀本部に来いというわけはないだろうし、スラムのどこかでなども目立ちすぎる。
となると無難なのはここだろうという予想だった。
「それにしても、不思議な心変わりだな……先に組織を攻撃しなくてもいいのか? もしかしたらいうだけ言って攻撃しないかもしれないぞ」
まぁそれをすることに何のメリットもないのでしないのだが。一応その可能性もあるのだぞと相手に。
言ってしまえばこれから組む相手を試しているともいえるが。
「一応例の組織の情報もまとめておいた……俺が滅ぼす前にお前に情報が渡っていた方が楽だろう」
と手に持ったアタッシュケースを相手に見せるように持ち上げる。
■神代理央 >
「モールス信号程度を理解出来ないのなら、最初から情報を渡してやる必要も無い。まあ、此の場所を察したのは褒めてやっても構わんがね」
現れた男を見つめ――僅かに見上げる様な視線になってしまうのが忌々しい――ながら、フン、と尊大な笑みを浮かべる。
「状況が変化した。此方が利を得るよりも、先に其方に情報を渡しておいた方が良い事案が発生しただけの事だ。
それに、貴様は落第街の安定を望んでいるのだろう?そんな貴様が、私との『取引』を反故にすれば、その後私がどの様な行動に出るか。理解していない筈も無かろう」
言うなれば、此方との契約を反故にする際には、その対価は落第街そのものになるのだと。彼が"契約"した相手は、そういう風紀委員なのだと。可笑しそうに笑いながら、告げる。
まあ、それくらいの事は彼も承知の上の筈。だから、返す言葉は幾分冗談交じりのものではあったのだが。
「………此方の"支払い分"だ。伊都波凛霞を襲った犯人のパーソナルデータ…といっても、学園に公式に登録されているだけのものだがな。
異能学会……いや、『元』異能学会所属の科学者。松葉雷覇。現在は行方不明」
彼が掲げたアタッシュケースにチラリ、と視線を向けた後。
懐から取り出したデータチップを、彼に放り投げた。
■【虚無】 >
「それもそうだな、たしかに。言っておいてなんだがお前相手に約束を反故にするのは愚かすぎる」
それは思いついていなかったとばかりに肩を竦める。そっちまでは気が回っていなかったが確かにそうだ。
データチップと共に投げかけられた名前を聞いて少し目が開かれる。
「……襲撃を受けたのはあいつなのか? これは猶更厄介な問題になりそうだな」
てっきり風紀の過激派の誰かかと思っていた。少なくとも前に遭遇した時彼女から攻撃を仕掛けるようには見えなかった。
つまり交戦せざる負えない状況に追い込まれたとみるべきだろう。
「松葉雷覇……異能学会。か……奈落の穴の再来。何てことにならないといいがな。名前と経歴だけだと研究の為の暴走にしか聞こえん」
事実それが1番しっくりくる理由に思えて仕方がない。だとするとその先は……少し眉を顰めるが。首を横に振るう。
それからアタッシュケース近寄り手渡す。
「明日にでもなくなる組織だが……慈善団体マーガレット。表向きは2級学生や避難民の保護を謡っているが……まぁ実態は中にある通りだ」
実際はそれを謡いより性質の悪い違反組織への流入などを繰り返しているといった内容。言ってしまえば巨大違反組織の玄関口にもなりえる場所の一つ。
だが表向きは慈善団体で少数ながらも2級学生や避難民の保護も実績としてある為に表向きは善良な組織となっている。
「手柄もここで得た手柄は全て広報課に渡す。俺の名前が売れても面倒だからな……裏に潜んでいた悪の組織を根絶やしにした。とでも盛大に声明を出しておいてくれ」
とそこまで言ってから距離を取り、その辺の石に腰を下ろす。
「さて、話を戻すか……その松葉雷覇という男だが、今までも怪しい素振りだとかは見せていたのか? 学会の脱退から行方不明までが早すぎる。即席で考えた作戦じゃない。もっと念入りに……入念に準備されたものだこれは」
■神代理央 >
「他の風紀委員はどうか知らんがな。少なくとも私は、人として善人の区分に入らない。約束を反故にされれば、寧ろ喜んであの街を焼きに行くさ」
だから、力を振るう口実を作らない様にな。と締め括り。
驚いた様に目を見開く彼に、小さく溜息を吐き出した。
「…伊都波先輩の事は知っているのか。であれば、話は早いな。
確かに彼女は、違反組織からはそれなりに恨みを買ってたかもしれない。しかし、今回は……」
其処で、一度口を噤んで。
「…確かに、情報は受け取った。とはいえ、実働は刑事部辺りになるだろう。我々も当然手柄は欲しいが…こういう組織は、例え証拠が揃っていてもいきなり焼き払えば世間体が悪い。
此れでも、一応風紀委員会の下部組織故な。宮仕えは辛い、というものだよ。まあ、此の情報によって落第街に降り注ぐ砲弾が少し減ったと思って誇ると良い」
アタッシュケースを受け取れば、小さく苦笑い。
別に、彼の情報を無碍にしている訳では無い。こういった表の顔を持つ組織相手ならば、無遠慮に薙ぎ払う特務広報部よりも、刑事部の強制捜査の方が適任なのだ、と語るのだろう。
勿論、情報料として或る程度の功績と、刑事部への恩は売るつもりだが。
「……いや、少なくとも風紀委員会では全くマークしていなかった。個人的に捜査していた委員は居るやも知れぬが、其処まで私の元に情報は入ってきていない」
「…面倒なのは、この松葉博士が現在姿をくらませていること。
その異能の性質上、戦闘になれば非常に面倒な相手であること。
……研究者という側面を持つ以上、何らかの違反部活と関わりがある可能性もあるが…」
腰掛けた男を見下ろしながら、甘ったるい紫煙を吐き出す。
棚引く紫煙が、夜空へと掻き消えていき――
「だから、貴様に情報を。前渡しでもくれてやろうと思った訳だ。
松葉博士の逃亡先は不明だが、此の侭行けば大なり小なり落第街にも捜査の手は及ぶ。我々特務広報部も、大規模な介入を行うかもしれない。
そうなる前に、貴様…いや、『貴様達』で手を打ってしまえば、大事にはならぬだろう?」
■【虚無】 >
「……いや、恨みを買っていたというのは初耳だ。前に会った時にはむしろあの町を気遣い、自分から交戦を仕掛けるようには見えなかったからな」
むしろ意外な一面を聞いたとばかりに。だが逆にこれでわかったのは怨恨による攻撃ではないということ。
あれだけの器量だ。怨恨だったならただ怪我で済むはずがない。今頃裏で映像が流れまわっていたはずだ。
しかしそれがない。ということは目的があって痛めつけたということ。本当に面倒な事になりそうだ。
「そうか、なら俺からも攻撃は控えておく……今後もこう言った組織の情報があり次第お前に渡しておこう。その刑事課とやらに回しておいてくれ。その方が早い」
こちらとしてもいきなり攻撃して風紀を敵にして強制捜査が面倒だ。風紀が解決してくれるのならそれが1番綺麗な形だろう。
基本自分たちは表に出るべきではないのだから。
松葉雷覇の話に戻れば溜息を吐き出す。
「おそらくは違反組織との協力はあるはずだ。お前も知っての通り今のあの町は一触即発だ……厄介な種のある部外者を抱え込む余裕のある組織なんてそうはない。そんな不自然な組織があったら俺達がとっくに把握している」
つまり初めから仲間がいたとみる方が正しい。
もしくは仲間だったかもしれないが。
だがここで裏切りの黒でと言われれば首をユルユルと振るう。
「それが出来れば良い……だが、おそらくは無理だろう。ここまで用意周到な相手だ、部外者対策は完璧だろう……だからこそ、風紀に声をかけた。少しでも被害を減らす為に、その大規模な介入をある程度こちらでもコントロールできるようにな」
コントロールと言うと少し言葉は悪いかもしれない。だが無差別に散らばるはずのものをこちらから情報提供をし収束させるのならそれはコントロールと言えるだろう。
「そうだ。ついでに、俺の能力も説明しておく。仮に共同戦線を張るとなった時に知らないと問題だ……俺の能力は拒絶。文字通り触れた物を拒絶し、はじき返す能力だ。あるかもしれないいつかの為に使い方を覚えておいてくれ」
■神代理央 >
「逆恨み、に近いだろうがね。違反部活を取り締まる風紀委員は、少なからず恨みを買うものさ。
私は在庫過剰だから、そろそろ売り捌きたいところだがね」
と、笑いながら肩を竦める。
まあ何方にせよ、彼女が襲われた理由は今となっては知る由も無い。
理由を知るのは、犯人である松葉雷覇だけなのだろうし。
「そうしてくれると助かるな。まあ、我々が攻撃するのは何方かと言えば表に出ない…或いは『消し飛ばされた事が明るみになっても、市民感情が悪化しない』連中だ。
そういった連中の相手は、我々に任せて貰って構わない。貴様は引き続き、此方が手を出しにくい組織の情報を集めていれば良い」
表の顔を持つ違反組織にいきなり砲弾の雨を降らせれば釈明が面倒。しかしテロリスト紛いの違反部活を焼き滅ぼしたところで…表の生徒達は、きっと何も思わない。
人間とはそういうものだ、と愉快そうに笑って。
「…協力レベルで収まっていれば良いがな。松葉博士が何らかの違反部活の一員だった可能性もある。
何方にせよ、情報不足だ。そういった情報を収集する事も、貴様達には期待しているのだがね。
何せ、我々特務広報部はそういった調べ事にはとんと不向きでね」
まあ、それは自業自得なのだが。
大袈裟に肩を竦めながら、再び紫煙を吐き出す。
「…だろうな。早々簡単に尻尾を出す相手とも思えぬ。
しかし、或る程度の手は打って貰わねばならぬ。此の犯人が捕まらぬ限りは、結局のところそのコントロールとやらも焼け石に水だろう」
「そうでなくとも、他の違反部活も風紀委員会…もとい、特務広報部への攻勢を活発化させている。
情報を流す程度で収まっていられるかは、私にも分からんぞ」
落第街と風紀委員会の対立は、じわじわと高まりつつある。
何時まで情報だけで収束出来るか、と。薄い笑みを浮かべて、男に首を傾げるのだろう。
「…拒絶、か。池垣との戦闘で見せた能力の正体はそれか。
良いだろう。共闘の際には、その力存分に使ってやろう。
私の異能は…まあ、今更説明する迄もあるまいな」
■【虚無】 >
「一度派手に負けて見せればいいんじゃないか? そうすれば満足するかもしれんぞ」
むしろそれ幸いに追撃をしてきそうな気もするが。拮抗状態に戻るのはある意味でこちらに利があるので冗談交じりにそう言い放つ。
「ああ、他にも組織の情報はいくつか握っている……そうだな、電脳溜まりに隠しておく。パスワードやルートは通信機で送る。一応最低限の防衛用にウィルスも入れておくから解除はしておけよ」
第3者が触れた場合にヤバイのでウィルスは一応仕込んでおく。解除手段はまぁ風紀委員ならば問題ないだろう。
それから溜息。情報収集を期待しているという言葉には。
「ああ、わかっている。お前たち、というより風紀委員に頼みたいのは表のアプローチだ。それこそ刑事課や異能学会だとかには俺からはどうあがいてもアクセスは出来ない……代わりに違反組織そのものへのアプローチは俺がする。お前が入ったら戦争になるだろう」
と返すだろう。こちらが出来るのはそういった方向だ。彼が入り込んでデータ諸共消し炭にされたらたまった物ではない。
その後の言葉には少しだけ笑う。
「かまわんさ、風紀委員が手に入れた情報や飛んできた火の粉は好きなだけなぎ払っていい……風紀委員と違反組織の小競り合い。その程度はあの町の日常だ。俺達がどうこう言う事じゃない。やりすぎればお互いに攻撃するだけだ」
漁夫の利と言うと少しあれだが。構図的にはそうなる。徹底的な後出しになるのはこういう時には強みだろう。
「ああ、嫌と言うほどお前の能力はしっている……それこそ、俺が空中でお前の砲撃の軌道を変えるとか。その辺が便利そうだとは思ったが」