2021/10/21 のログ
ご案内:「青垣山」にモノ・クロさんが現れました。
モノ・クロ > 「よ、っと」
呪紋をワイヤーのようにしならせながら、木々の間を飛び抜けていく。

気まぐれに訪れた青垣山。凛霞お姉さんと最後に会った場所。

「懐かしいなぁ」

そんなことを口にしながら、思いを馳せる。

モノ・クロ > 「うーん…」
自分は、自分の思うままに、力を振るってきた。

でも、それが、どうしてか間違っているような気がして。

気づけば此処にいた。

「凛霞お姉さん、どうしてるかなぁ」

囚われてしまったと聞く。ひどい目に会っていないだろうか。自分の望まないことをされていないだろうか。

そんなことを、自分がしたと、気付かずに。

モノ・クロ > 「……」
適当な木に腰掛けて、自分の手のひらを見る。

そんなものはとうに失われて、クロの呪紋によって象られた、うすっぺらな手。


幾多の人間を、狂わせ、死に追いやった手。


「どうして、なんだろうなぁ」


モノには理解が出来なかった。モノを取り巻くこの呪紋は、漏れなくモノにも影響を与えている。
最悪な感触を受けているのだが…モノは、それが悪いものには思えなかった。むしろ、心地よく感じていた。

同じ感覚のハズなのに、どうしてこうも反応が違うのだろう?

モノ・クロ > 「どうして、死のうとするんだろうなぁ」
モノには理解出来なかった。最悪の感覚に囚われたとて、死ぬ必要はないというのに。

最悪が普通であるモノには、到底理解が出来なかった。自分の命なんて物同然で、死ぬほど痛い目にも遭ってきたし、死ぬほど気持ち悪い目にも遭ったし、死ぬほど気持ちいい目にも遭ってきた。

だから、それで死ぬことに理解が及ばない。モノにはそれすら許されなかったから。

「わかんないなぁ…」

手を日にかざして、透かして見る。
呪紋から漏れる日差しが、モノに映る。
こんなにも綺麗なのに、どうして皆拒絶するのだろうか。

モノ・クロ > どこで間違えたのか。どこで違ってしまったのか。

根底の価値観から違ってしまった彼女は、自問自答に耽る。

自分だけでは、到底辿り着けない答えを探す。

誰かを助けたいと願うのに、その手法は普通の人としては間違っていて。

モノはその間違いに気付け無い。相談する相手も、いない。

化け物だと、罵られるだけで。

モノ・クロ > 「………あー、わかんない!」
一人で悩んでも、解決はしない。クロはクロで参考にならないし。

どこかに、相談に乗ってくれそうな人は、いないものか――――

モノ・クロ > 「わかんないし、いいや。寝よ」

そう言って、腰掛けた木の幹にもたれかかって、寝ることにした。

ご案内:「青垣山」からモノ・クロさんが去りました。